メンブレン式と言えば千円程で購入できるキーボードに採用されている仕組みです。
一般的には「メンブレン式は質が悪い!」「メカニカル式を選べ!」的な文脈で聞くことが多いですね。
しかし、そんなメンブレン式にも高級モデルがあり、性能的や打鍵感が良い物もあるのです。
その一つがビットフェローズのBFKB92UP2であり、以下の要素に当てはまる場合はキーボード選びの際に候補に入ると考えています。
BFKB92UP2で幸せになる方
- 重めのキータッチが好きな方
- 安いゲームキーボードが欲しい方
もし、これらに当てはまった場合は見る価値があります。
ということで、今回はビットフェローズのBFKB92UP2をレビューしていきます。
こんな方に向けて書いています
- BFKB92UP2が気になる方
- 高級メンブレンに興味がある方
- 安価でゲーム用キーボードが欲しい方
BFKB92UP2をレビュー
このキーボードはメンブレン式ですが、巷で言われているような安価なメンブレン式とは違います。
というのも、安価な物とは違って非常に構造に凝っており、上質な打鍵感を味わえるからです。
実はこのキーボードはタイピング女王のmiriさんもオススメしており、選手権でもこのキーボードを使用して優勝した回もあるそうです。
まあ、実際にはBFKB92UP2の一つ前のモデルなのですが、そのモデルもロゴやブランドが変わったぐらいなので殆ど同じです。
そんな安価に買える高品質メンブレンキーボードのBFKB92UP2をレビューしていきます。
開封レビュー
まずはパッケージがから紹介していきます。
まあ、パッケージに関しては「よくありそうな感じ」です。
ぱっと見ではゲーミング向けも謳っているキーボードであることを気付ける方はごく少数でしょう。
裏側にはキーボードについての説明がびっしりと書かれています。
これらの内容についてはこの記事で詳しく掘り下げていきますので、ここでの解説は割愛させて頂きます。
パッケージを開封するとキーボードが現われます。
個人的に驚いたのがキーボードが逆に入れられていることです。
配線やパッケージレイアウトの都合ではありますが、これはこれで新鮮です。
パッケージの中の物を全て取り出してみました。
内容品は非常にシンプルで、本体以外には説明書と保証書が入っているくらいです。
それでは、いよいよビットフェローズBFKB92UP2の本体をレビューしていきます。
まず、キーボード本体も非常にシンプルで、知らない人から見るとなんの変哲もないキーボードのように思う事でしょう。
目立つ部分と言えばスペースキー右側の”bitFerrous”と白のLEDで光っている部分くらいですね。
写真では青っぽく見えていますが実際には白色です。
このLEDが嫌な方は一応消せるようになっていますが、スリープモードになる度に復活するのでいちいちOFFにする必要があります。
後はLEDインジケーターぐらいです。
先ほどは青く見えていただけですが、LEDインジケーターの方はちゃんと青色です。
ちなみにですが、Fnキーに当たるキーが独特なマークになっています。
これはビットフェローズのブランドマークらしいです。
このキーボードは有線キーボードなので後ろからケーブルが生えています。
PCとの接続端子はUSBですが、その端子部分が非常にデカいです。
デカいこと自体は別に良いのですが、狭い場所で使用する場合は端子の取り回しが悪いです。
横から見るとステップスカルプチャー構造が採用されています。
これは側面から見ると湾曲しており、指を効率よく動かせるので疲労軽減ができる構造です。
安価なメンブレン式には採用されていませんので、これは高級メンブレンだからこそ採用されていると言えます。
また、上のフレームと下のフレームの間にゴムが挟まっており、おそらくタイピングの衝撃を吸収するための物だと思われます。
背面にはケーブルガイドが付いており、ケーブルの方向を3方向から選べます。
ただ、個人的には「右と左のケーブルガイドを側面から出せるようにしてほしかった」というのはありますね。
これだと結局後ろ側からしか選べないので、そこまで役に立たない気がします。
また、角度を調整するためのチルトスタンドも付いています。
裏には滑り止めが付いているので、安心してチルトスタンドを使って頂けます。
以上がビットフェローズのBFKB92UP2の外観レビューでした。
ゲーミングキーボードではあるものの、非常にシンプルでオフィスでも違和感が無いデザインが特徴です。
BFKB92UP2の良い点
次にBFKB92UP2の良い点について解説していきます。
- 打鍵感に高級感がある
- 耐久性が比較的高い
- メディアキー対応
- 一部配列をカスタマイズ可能
- 価格は7千円
これらの良い点をそれぞれ詳しく解説していきます。
打鍵感に高級感がある
メンブレン式は一般的に「ぶにょぶにょ感がある」とか「打鍵感が気持ち悪い」と言われています。
しかし、実はメンブレン式でも構造(お金のかけ方)によって打鍵感が大きく変化するのです。
ビットフェローズのBFKB92UP2の構造は安価なメンブレンとは異なり、スライダーという部品が追加されています。
これによってメンブレン式にありがちな”ぶにょぶにょ感”や”軸のぐらつき”も抑えられているからです。
これらが無いだけで打鍵感がかなり上質になるのです。
そして、キーキャップをはめる部分はメカニカル軸と同じ形状になっています。
これによって、他のメカニカルキーボード用のキーキャップを付けてカスタマイズ可能です。
安価なメンブレンキーボードではこのようなスライダーは無く、キーキャップを外すとそのままラバーカップが見えます。
まとめると、メンブレン式でもコストをかけることによって打鍵感に高級感が生まれるのです。
ただし、めちゃくちゃ気持ち良いわけでは無いです。気持ち良さは正直リアルフォース(最低2万円)の方が上です。
スライダーにより打鍵感に高級感がある
耐久性が比較的高い
一般的には「メンブレン式は耐久性が低い」と言われがちです。
確かに1万円以上するメカニカル式や最低2万円の静電容量無接点式と比較すると耐久性は劣ります。
しかし、同じメンブレンキーボードと比較すると「耐久性が低い」とは言えなくなります。
メンブレンキーボードもピンキリですが、少し高めのメンブレンキーボードでも耐久性は一千万回です。
それに対してBFKB92UP2の耐久性は2千万回です。
ゲーミングキーボードを名乗っているだけあり、ゲームに使っても十分持つぐらいの耐久性があります。
メンブレンとしては耐久性が高い
メディアキーが利用可能
3つ目はメディアキーが利用可能という点です。
普段はF10~F12として動作しますが、Fnキーと同時に押すことによってメディアキーとして動作します。
ゲームをしている最中にWinキーを押して音量調整バーを出すという面倒なことをしなくても音量が調整できるので便利です。
メディアキーが使えて便利
一部配列をカスタマイズ可能
BFKB92UP2はキーの配列を一部カスタマイズすることが可能です。
具体的にはCapsLockキーとCtrlキーを入れ替えたり、半角全角キーを無効化したりできます。
それにWinキーも無効化、またはCtrlキーとして利用できます。
わざわざCtrlキーに変更する理由としては、ゲーム内のキーマッピングで割り当てられるキーを増やせるというメリットがあります。
これらの配列を変更する際にはFnキーとF7~F9を同時に押すなどのコマンドを使用します。
配列の変更はUSBを抜いてもう一度接続した際にも保持されたので、接続するごとにいちいちコマンドを入力し直す必要はありません。
一部配列を変更でき、それらを保存できる
価格は7千円
最後は価格です。
ビットフェローズのBFKB92UP2は約7千円で購入できます。
メンブレン式として見ればかなり高級な部類です。
しかし、ゲームに有利になる機能が付いているゲーミングキーボードとして見ればかなりお手軽な価格です。
キーボード全体の構造や性能から見ても妥当な金額だと思います。
ゲーミングキーボードが7千円で手に入る
以上がBFKB92UP2の良い点でした。
メンブレンキーボードの中では高品質であり、一部カスタマイズが出来る部分が優れていると言えるでしょう。
BFKB92UP2の注意点
次にBFKB92UP2の注意点について解説していきます。
- キー荷重が重め
- パームレストが必要
キー荷重が重め
BFKB92UP2はキー荷重が55gで、この数値自体はそこまで重いわけではありません。
しかし、キー荷重はキーが反応する際に必要な荷重であり、キーが反応するに至るまでのキー荷重はまた別なのです。
メンブレンキーボードは基本的にキー荷重が最も大きくなった後は急激に荷重が抜けて底付きするのが特徴です。
これによって、力の山を越えた後はあまり力を入れる必要が無いのです。
対してBFKB92UP2は最もキー荷重が大きくなった後は緩やかに荷重が下がっていくのです。
これによって、キー荷重が最も大きくなった後も力をある程度加えて底付きさせる必要があるのです。
このキー荷重の変化はメンブレン式よりも静電容量無接点式に近く、それも打鍵感の上質さを感じる理由ではあるのですが、軽やかな打鍵感が好きな方にとってはネガティブポイントです。
とは言ってもこれは必ずしもデメリットになる訳では無く好みの問題です。
キー荷重が重いとミスタイプが少なくなりますし、指の力を抜くと押し上げてくれるので次のキーに速く移動可能というメリットもあります。
軽めのキー荷重が好きな場合は他に良い物がある
パームレストが必要
2つ目はパームレストが必要という点です。
パームレストはキーボードの前に置く手首置きです。
僕がパームレストを推奨している理由は「BFKB92UP2は本体が分厚いから」です。
安価なキーボードはコスト削減のために厚みがほとんど無くペラペラである傾向があります。
そのため、パームレストが無くても手首に力をそこまで入れる必要は無く、影響が比較的小さいからです。
しかし、頑丈に作られているBFKB92UP2は厚みがあります。
これは他の高級キーボードも同じように厚みがありますので、「良いキーボードの宿命」と思って頂ければ良いと思います。
キーボードが本来持っているポテンシャルを活かしたいなら、数千円で購入できるのでパームレストを同時におすすめします。
特に「タイピングゲームで遊びたい!」とか「ゲームを長時間プレイする!」という方の場合は必須です!
疲労軽減のためにパームレストが必要
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以上がBFKB92UP2の注意点でした。
BFKB92UP2がおすすめの方
最後にこれまでの内容を踏まえてBFKB92UP2がおすすめの方の特徴について解説していきます。
冒頭でお見せした表と同じものですが、以下に当てはまる場合はおすすめできます。
BFKB92UP2で幸せになる方
- 重めのキータッチが好きな方
- 安いゲームキーボードが欲しい方
重めのキータッチが好きな方
キー荷重が55gとメンブレン式の中では標準レベルですが、BFKB92UP2は独特の打鍵感によって少し重く感じます。
ただし、先ほども言ったように良し悪しではなく個人の好みでしかない部分です。
これはmiriさんが証明しています。
また、僭越ながらも僕もタイピングスピードを追い求める場合は重めのキーボードの方が良い結果が出ることが多いです。
重めの打鍵感を試してみたい方や、スピードを追い求める場合はおすすめです。
重めのキータッチが好きな方
安くゲーム用キーボードが欲しい方
安価にゲームで使えるキーボードが欲しい場合はオススメです。
メンブレン式ながらも耐久性が高く、一部キーの変更・無効化、Nキーロールオーバーなどゲームに必要な基礎的な部分は揃っています。
また、メンブレン式だからこそ安価なのもメリットですね。
他のメーカーにも同じような価格帯のメンブレンゲーミングキーボードはありますが、大体デザインに各メーカーのロゴが入っています。
その点、BFKB92UP2は非常にシンプルなので、「シンプル系の安価なキーボードが欲しい!」という方の場合はオススメです。
安くシンプルなゲーミングキーボードが欲しい方
以上がBFKB92UP2をおすすめ出来る方の特徴でした。
ただ、目安なので「当てはまってなかったけどこれが欲しい!」と感じるのなら選んでも良いと思います。
メンブレンに騙されてはいけない
今回はビットフェローズのBFKB92UP2をレビューしてきました。
メンブレン式ではありますが、千円で買えるそこら辺のメンブレンとは基礎性能が全く違います。
ゲームもタイピングにも困らないスペックがあります。
さすがに打鍵感は2万円以上の超高級キーボードには及びませんが、それなりに良いです。
それでも、タイピングに関してはあなたの実力を邪魔することは無いですし、安価でタイピング向けキーボードが欲しい場合はおすすめです。
また、タイピングガチ勢にとってはお試し感覚で購入できる価格なので、一度試してみるのもオススメです。
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