こんな方に向けて書いています
- Majestouch XacroM3Aを検討中の方
Majestouchの中でソフトウェアのカスタマイズ性に強みがあるXacroシリーズはM10SPとM3Aの2種類がラインナップされています。
2種類から選べるのは良いのですが、Xacro M10SPが左右分離式という強烈な個性を持っているせいで、相方のM3Aは影が薄く感じてしまうところがあると思います。
しかし、そんな影が薄いM3Aも他のキーボードとは被らない独自の強みを持っているのです。
その強みというのが「コンパクトメカニカル+マクロキー」の組み合わせであるという部分です。
この特徴によって以下の項目に当てはまった場合はXacro M3Aが候補になるでしょう。
XacroM3Aで幸せになる方
- コンパクトメカニカルが欲しい方
- 矢印キーが欲しい方
- マクロキーが欲しい方
今回はFILCO Majestouch XacroM3Aをレビューしていきます。
なお、今回僕が購入したのは日本語配列の静音赤軸モデルです。英語配列の場合は一部異なる部分もあります。
Majestouch XacroM3Aをレビュー
それでは、Majestouch Xacro M3Aをレビューしていきます。
まずはパッケージからです。
Majestouch Xacro M3Aのパッケージは青色が採用されており、全体的に落ち着いた雰囲気が感じられます。
同じXacroのM10SP(左右分離式)は赤色のパッケージだったので対になったカラーリングです。
パッケージを開けるとXacro M3A本体が姿を現します。
内容物を全て取り出した状態です。
Majestochシリーズの付属品は「あったらいいな~」というものまで一緒に入っているので、非常に豊富です。
外観レビュー
それでは、いよいよXacro M3Aの外観をレビューしていきます。
とはいっても、パッと見た感じだけでは「コンパクトである」という部分以外はこれと言った特徴はありません。
しかし、各部の形状を細かく見ていくと他のキーボードには無い外見で、”連邦系”のデザインをしています。
この特徴はMajestouchシリーズ特有のもので、シンプルながらも個性があるデザインだと言えます。
そして、右下の前面部にはMajestouch共通の"FILCOロゴ"が付いています。
このロゴは金属製で良く見るとヘアラインによって高級感があります。
以上のように、Xacro M3Aはシンプルながらも高級感・独自性を持たせたデザインをしています。
タイピング用を意識しているMajestouch Xacro M3Aは側面から見るとステップスカルプチャー構造が採用されています。
段によって指が触れる部分の角度が変化しており、タイピングをする際の疲労を軽減できます。
>>>疲労軽減ならシリンドリカルステップスカルプチャーのキーボードを選ぼう!
Xacro M3Aの裏側はこのようになっています。
最初に目に付く部分は大量に付いているdipスイッチでしょう。
dipスイッチを変更することによって、配列を一部変更することが可能です。
また、角度を付けるためのチルトスタンドも装備されています。
以上がMajestouch Xacro M3Aの外観的特徴でした。
付属品
次にXacro M3Aの付属品を解説していきます。
- 有線ケーブル
- 交換用キーキャップ
- キープラー
- キーロックパーツ
- 説明書
- キーボードカバー
1つ目は有線ケーブルです。
Xacro M3Aのケーブルは着脱可能であり、接続端子はUSB Type-Cが使われています。
そして、その端子はL字端子が使用されており、壁に寄せる際に邪魔にならないような配慮がされています。
2つ目は交換用キーキャップです。
dipスイッチを操作すると配列の一部が変化します。
そこで、実際の機能と印字を合わすために交換用キーキャップを使用するのです。
特にXacro M3Aはdipスイッチが大量に付いているので、交換用キーキャップも大量です。
また、これらの大量のキーキャップを無くさないように最初からケースに入れられています。
単純に便利ですし特別感があるので、なんか嬉しいですね。
3つ目はキープラーです。
これは、キーキャップを取り外す際に使用する専用工具です。
一つ前に紹介した交換用キーキャップを使用する場合やキーボードの清掃をする際に非常に役立ちます。
キープラーを単体で買おうとすると通販でしか売っていませんので、最初から付いているのは非常に嬉しいポイントです。
4つ目はキーロックパーツです。
これは、物理的にキーが下がらないようにするためのパーツであり、後ろから差し込むように装着します。
一般的には使用しないキーのミスタイプを防ぐためにキーキャップを外されることが多いですが、このパーツを使用すれば外観はそのままでキーの誤作動効果のみを得られます。
ちなみに、他の部分でも地味に役立つパーツです。
本体の背面に付いていた12個のdipスイッチですが、小さすぎて指の爪では操作しにくいです。
そこで、この工具を使用してdipスイッチを動かすのです。
5つ目は説明書です。Xacro M3Aは機能が豊富なので説明書もぶ厚めです。
見るのが面倒かもしれませんが、M3Aのポテンシャルを引き出すためには必要なので、是非とも目を通しておくことをおすすめします。
最後はキーボードカバーです。
これはパッケージを開けた際にキーボード本体に被せられているカバーです。
梱包材ではありますがMajestouch Xacro M3A専用形状になっており、捨てるのはもったいないクオリティーです。
黒色はホコリが目立つので、ホコリ避けのために使用するのが効果的です。
以上がXacro M3Aの付属品でした。
Xacro M3Aの良い点
次にMajestouh Xacro M3Aの良い点を解説していきます。
良い点は主に以下の7つあります。
- コンパクトで場所を取らない
- マクロキー搭載
- 矢印キーが付いている
- dipスイッチ
- USBポート
- 配列と軸が選べる
- マクロ搭載の割にお手頃
コンパクトで場所を取らない
1つ目はコンパクトで場所を取らないという点です。
Xacro M3Aは65%サイズと呼ばれるサイズで、フルサイズ(テンキー付)キーボードに対しての大きさのことを言います。
ご覧のようにテンキーレスキーボードよりも小さく、コンパクトサイズ(60%サイズ)の中間の大きさです。
コンパクトにするためにF1~F12の最上段と機能キーが無くなっているのが特徴です。
無くなった分のキーはFnキーと同時押しすることによって発動できます。
ここで勘違いしてはいけないのが、”コンパクトサイズ”というは一般的に60%サイズのことを指します。
そのため、この記事ではコンパクトサイズのことを60%キーボード、Xacro M3Aは”65%サイズ”と表記します。
この無駄のないサイズ感によって机の上をスッキリした状態で使用できます。
コンパクトで場所を取らない
▼関連記事▼
>>>コンパクトサイズキーボードとはどんなモノ?特徴とメリットを解説!
マクロキーが搭載
2つ目の良い点は「コンパクトなキーボードでマクロキーが使える」という点です。
Xacro M3Aの右端には3つのマクロキーが付いており、ここにマクロを自由に設定することができます。
ここで大切なのが「”マクロ”が使えるだけで無く、”マクロ専用キー”も使える」という点です。
マクロ専用キーを置くにはその分スペースが必要なので、コンパクトなキーボードでは付いていないことが多いのです。
そこをXacro M3Aはスペースの増加を最小限にしながらマクロキーを設置しているのです。
見た目は凄く地味ですが、実際に使ってみると結構これが役立ちます。
例えば僕は”エンターキーを4回連続で押す”という操作を何回も行う作業があるのですが、その動作を1つのキーで済むようにマクロを設定しています。
それに、削減されたF1~F12などのキーも登録できるので、頻繁に使用する方はマクロキーに登録しておくのも良いと思います。
マクロの設定は専用ソフトである”FILCO Assist"から行います。
マクロの種類を大まかに分けると、キー登録と一連のキー操作、登録された文章を打てるテキスト登録の3種類です。
キー登録はF7やCtrl+Cなどの複数キーの組み合わせ(単一キーも可能)、一連のキー操作はエンターキーを4回押すなどの動作、テキスト登録は"Majestouch Xacro M3A"などの文字列を一発で入力できる機能です。
これらのマクロ設定(テキスト登録以外)はキーボード本体に保存されるので、テキスト登録以外は他のPCに接続しても使用可能です。
そして、キーボード本体に4つのレイヤーを保存でき、それらをキーボード上で切り替えながら使うことが可能です。
レイヤー1(デフォルト)以外にはマクロキー以外の部分も変更できるので、キーマップの変更みたいなことも可能です。
加えて、FILCO AssistにはWinLock+という機能も設定できます。
これは事前に設定しておいたキーを無効化する機能で、Fn+Alt+Shiftを同時押しON/OFFが可能です。
このように、Xacro M3Aの魅力はマクロキーとそれを支えるFILCO Assistにあると言えます。
コンパクトなのにマクロキーが使える
矢印キーが付いている
そして、コンパクトなのにも関わらず矢印キーが付いています。
テンキーレスより小さいキーボードはF1~F12や機能キーと一緒に矢印キーも一緒に削減されることが多いです。
もちろん、削減された矢印キーはFnキーと特定のキーの同時押しなので慣れが必要です。
しかし、矢印キーは使用頻度が高いので「今までの矢印キーが良い」と考えている方もいらっしゃると思います。
そこでコンパクトながらも矢印キーが付いているXacro M3Aの出番です。
「慣れ親しんだ矢印キーが良い」という方は嬉しい部分ですね。
コンパクトなのに矢印キーが付いている
dipスイッチ
4つ目はdipスイッチです。
本体の裏側に大量のdipスイッチが付いていましたが、これは配列を一部入れ替えるための物です。
ここで、「配列ってFILCO Assistから設定するんじゃないの?」と思った方もいると思います。
実はキーマップの変更はFILCO Assistもありますが、操作性に関わる部分の配列変更はdipスイッチで変更します。
具体的にはキーボードの左端や最下段の部分ですね。FILCO Assistからではこの部分は操作できないのです。
また、dipスイッチで変化する配列は付属キーキャップを使用することで、印字を機能を合わせられます。
まあ、dipスイッチでは他の部分も変更することが可能ですが、12個もあるので今回は割愛します。
dipスイッチの変更による配列の変化は説明書に分かりやすく載っております。
その説明書は公式サイトで公開されており、「Majestouch Xacro M3A 説明書」と検索すれば出てくると思います。
dipスイッチで操作に関わる部分が変わり、変更用のキーキャップも付いている
USBポート
本体の背面にはUSBポートが装備されています。
デスクトップパソコンのUSBポートが遠い場合は、キーボードの方が近いのでなんやかんや重宝すると思います。
USBポートがあって便利
配列と軸が選べる
6つ目は配列と軸が選べるというポイントです。
Majestouchシリーズは同じ名称の機種でも、色々なバリエーションが用意されているのが特徴です。
Xacro M3Aも同様に日本語配列と英語配列から選ぶことが可能で、さらにそれぞれ5つの軸が選べます。
赤軸、青軸、茶軸、静音赤軸の定番の4種類はあるのはもちろんですが、
Xacro M3Aには銀軸(スピード軸)も用意されているのです。
スピード軸が選べるシンプルなキーボードは少なく、Majestouchでもレギュラー的に選べるものは少ないです。
ビジネス用途で静音性が必要なら静音赤軸一択ですが、ゲーム用に使用する方なら銀軸を選ぶと有利になれます。
日本語配列と英語配列及び5種の軸が選べる
▼軸による打鍵感の違いを見る▼
-
メカニカルキーボードの軸の種類は?代表的な4つとマイナー軸も解説
メカニカルキーボードは多種多様な軸が選べるのが特徴です。 同じキーボードでも軸が違えば全く異なる打鍵感になるので、メカニカル式において軸選びは非常に重要です。 しかし、軸には種類がたくさんありますので ...
実売価格が1万5千円前後
最後は価格です。ここまで見てきて「Xacro M3Aって機能豊富だな」と思って頂けたと思いますが、実は価格もお手頃なのです。
これはFILCOの公式価格の一覧です。
軸 | 定価(税込み) |
---|---|
赤軸 | 17600円 |
青軸 | 17600円 |
茶軸 | 17600円 |
静音赤軸 | 18700円 |
銀軸(スピード軸) | 18700円 |
銀軸と静音赤軸のみ千円程高くなりますが、全体的に1万円後半という価格です。
皆さんはこの価格を見てどう思いますでしょうか?
「やっぱり価格が高いな」とか「意外と安いかも」と色々あるでしょうが、僕は「メカニカルで機能が豊富の割には安い」と思っています。
というのも、マクロ機能やキーマップの変更が出来るのは2万円以上するキーボードがほとんどだからです。
そして、Amazonなどのネット通販での実売価格は実売価格が1万5千円程度とさらに安価に購入できるのです。
1万円中盤のキーボードとしては圧倒的にクオリティーが高いので、コスパも抜群のキーボードです!
機能に対する価格が安い!コスパが高い!
以上がMejstouch Xacro M3Aの良い点でした。
Xacro M3AはXacro M10SP(左右分離式)の陰に隠れがちですが、きちんと光るものも持っているのです。
まとめると、「コンパクトなのにマクロキーが使えて、なおかつコスパも非常に高い」というのが特徴です。
Xacro M3Aの良くない点
完璧なキーボードはありませんので、Xacro M3Aにも弱点があります。
それが以下の3つです。
- マクロキーをミスタイプしやすい
- FILCO Assistが発展途上
- パームレストが必要
マクロキーをミスタイプしやすい
1つ目はマクロキーをミスタイプしやすいという点です。
これはある種仕方が無い問題なのですが、右端にマクロキーが並んでいるので「バックスペースやエンターキー」を押そうとした際に間違って押してしまうことが有るんですよね。
特にバックスペースやエンターキーって勢いよく押してしまうので、勢い余ってマクロキーまで押してしまいます。
マクロに設定している内容によっては非常にストレスになる場合がありますので、マクロキーを必要としていない方は普通に60%サイズの方が気兼ねなく使えると思います。
マクロキーを誤爆する場合がある
FIlCO Assistが発展途上
2つ目のデメリットがFILCO Assistが発展途上でバグがあるという点です。
FILCO Assistは機能が豊富なのは良いのですが、その分バグが発生しやすいそうです。
実際に僕もバグに遭遇しており、少し不便に感じる部分もあります。
テキストマクロのみFILCO Assistがバックグラウンドで立ち上がっていないと発動できないという制約がありますが、これ自体は最初から言われているので良いのです。
しかし、FILCO Assistが立ち上がっているのにテキストマクロが入力できなくなることがあります。
ソフトをインストールし直したら大丈夫なのですが、また同じような症状が出るので面倒です。
マクロがウリのキーボードなのでここら辺はちゃんとして欲しいです。
まあ、現在も頻繁に新バージョンが公開されているので、そのうち改善されるとは思います。
もし、これからXacroシリーズを購入する場合は定期的にFILCO Assistの新バージョンを入れなおしたり、本体のファームウェアをアップグレードする必要があります。
テキストマクロの動作が不安定
パームレストが必要
これは高級キーボード全体に言えることなのですが、パームレストが無いと疲労軽減効果を引き出しにくいというデメリットもあります。
薄型以外のメカニカルスイッチは基本的に厚みがどうしても必要で、パームレストが無いと手首に力が入った状態でタイピングすることになります。
>>>パームレストがいらないってマジ?疲労軽減効果やミス率を実験!
FILCOが出している”マカロン”というパームレストは2千円くらいで購入できますので、Xacro M3Aの疲労軽減効果を引き出したい場合は一緒に購入しましょう。
ただし、購入するサイズには気を付ける必要があります。
パームレストにもフルサイズ用(Lサイズ)、テンキーレス用(Mサイズ)、コンパクト用(Sサイズ)があります。
この中でコンパクト用(Sサイズ)を選ぶ必要があります。
ちなみに同じSサイズでも他のメーカーのパームレストだと横幅が足りない場合があります。
FILCOが出しているSサイズなら大丈夫ですが、他のメーカーの物を選ぶ場合は注意する必要があります。
パームレストのSサイズが必要
▼おすすめのパームレスト▼
-
お手頃でフワフワなFILCO製リストレストの”マカロン”をレビュー!
高級キーボードは厚みがあるのでリストレストが効果を発揮します。 それはMajestouchシリーズもそうですし、他のキーボードにも言えることです。 >>>パームレストがいらないってマジ?疲労軽減効果や ...
以上がMajestouch Xacro M3Aのデメリットでした。
マクロキーやFILCO Assistの機能が豊富なのは良い点ですが、それが逆にデメリットになることもあります。
ソフトはいずれ良くなると思いますが、マクロキーの誤爆については慣れるまではストレスが溜まると思います。
XacroM3Aがおすすめの方の特徴
それでは、今まで解説してきた特徴からMajestouch Xacro M3Aがおすすめの方の特徴を解説していきます。
冒頭にお見せした表と同じものですが、今ならこれらの意味が分かると思います。
XacroM3Aで幸せになる方
- コンパクトメカニカルが欲しい方
- 矢印キーが欲しい方
- マクロキーが欲しい方
まず、前提として「コンパクトなメカニカルが欲しい」と思っている方におすすめです。
キーマップが変更できるコンパクトメカニカルは数える程しかありませんし、コスパも非常に高いからです。
これに加えて「マクロキーを使いたい」とか「矢印キーが欲しい」という方はドンピシャです。
つまり、「コンパクトなメカニカルかつマクロが使えるキーボードが欲しい方」は買いです!
コンパクトメカニカルが良いならおすすめ、さらにマクロが良いなら買い
キャラ被りしないキーボード
今回はFILCO Majestouch Xacro M3Aのレビューをしてきました。
Xacroは相方のM10SPに注目が集まりがちですが、実はM3Aも独特の特徴があるのです。
他のメーカーのキーボードとは違う特徴があるので、刺さる人には刺さるタイプのキーボードです。
もし、「コンパクトメカニカルでマクロを使いたい」という方は非常におすすめです。
軸と配列はリンク先で選べます
▼関連記事▼
-
日本語配列の左右分離式ならコレ!Majestouch XacroM10SPをレビュー【静音赤軸】
MajestouchのXacroにはM10SPとM3Aの2種類があり、今回紹介するのが左右分離式のM10SPです。 左右分離式キーボードという特性上、クセも多いですがその分長方形型のキーボードでは到達 ...
-
FILCOのMajestouchは大まかに6種類!全部持ってる僕がそれぞれ解説
FILCOのMajestouchシリーズと言えばシンプルなメカニカルキーボードとして有名です。 そんなMajestouhシリーズは色々な種類があり、自分が好きな物が見つかりやすいのが良い点の一つとして ...