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実はあなたも使ったことがあるかも!?名機Chicony KB-3920をレビュー

KB-3920 レビュー

一般的にメンブレンキーボードと言えば大量生産の安かろう悪かろうのイメージがあります。

しかし、そのイメージはコストダウンの賜物(?)で付いた物であって、メンブレン式もメカニカルのようにお金をかければ良いキーボードになるのです。

事実、昔のPC純正メンブレンキーボードはコストがかけられており、”名機”と呼ばれているメンブレンキーボードもあるのです。

そして、”名機”と呼ばれているキーボードの一つがKB-3920です。

このキーボードはNECや東芝、富士通などの様々なPCメーカーの純正キーボードとして採用されていたので、知らない間に使っていたことがあるかも知れません。

キーボードソムリエ
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図書館とかにありましたね

KB-3920の接続部分を見て頂ければPS/2接続なのが分かるように、古い時代のキーボードです。

しかし、先ほど解説したように古い時代のキーボードだからこそ名機になるのです。

今回はメンブレンキーボードの名機 KB-3920をレビューしていきます。

こんな方に向けて書いています

  • Chicony KB-3920が気になる方
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KB-3920をレビュー!

KB-3920 斜め

Chicony KB-3920とは?

KB-3920は台湾のChicony社が作っていキーボードで、OEMで色々なPCメーカーの純正キーボードとして採用されていました。

OEMというのは自社で販売する製品の製造を他の会社に外注することです。

車でも結構ありますね
キーボードソムリエ
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冒頭でも解説した通りNECや富士通などいろいろなメーカーの付属キーボードとして採用されていたので、当時は知らない間に使っていた方も多いことでしょう。

「昔のキーボードと言えばこの形」というイメージがあるかも知れませんが、それはKB-3920が作り出したものかもしれません。

そんなKB-3920にはローマ字日本語入力世界最速という称号があるそうです。

正直使い手次第だと思いますし、記録を作った方がリアルフォースを使っていれば同じような記録が出るとは思いますが、少なくとも「使い手のポテンシャルを余すことなく発揮できる」ということは言えそうです。

打鍵感については後で解説しますが、現在のメンブレンキーボードと比較しても質の違いは一発で分かります。

キーボードソムリエ
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質は断然KB-3920の方が良いです!

しかし、KB-3920は現在のキーボードと比較して質が高いのは事実であるものの、当時のキーボードとしては別に高級では無いモノでした。

IBMにはKB-8920というKB-3920に鉄板が入った上位モデルもありましたし、グレードが高いPCでは純正でメカニカル式のキーボードが採用されていたものもありました。

現在はPC本体の価格低下に伴ってキーボードもコスト削減対象になってしまったので、ほとんどがペラペラのブニュブニュしたキーボードになってしまったということですね。

最低ラインが高かった時代です
キーボードソムリエ
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KB-3920の生産はすでに終了しており、新品はプレミア価格が付いた物しか残っていません。

しかし、色々なPCに採用されていたおかげで中古品の数は結構多いですね。

コンディションはピンキリですが、使用感が少ない個体でも千円ぐらいで購入できます。

日焼けでまっ黄色の物もあります^^
キーボードソムリエ
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そのため、ヤフオクやメルカリが使える場合は入手性は高いと言っても良いでしょう。

ちなみに過去にはジャンク品売り場で売られていたこともあるそうですが、現在はジャンク品売り場で見かけることはほぼ無いと思います。

キーボードソムリエ
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大阪の日本橋でもありませんでした

KB-3920は最低限のラインが高かったゆえに名機となった

KB-3920の外観レビュー

それではKB-3920の外観を紹介していきます。

外観だけを見ると「ザ・昔のキーボード」ですね。

KB-3920 正面

このベージュの本体色と白とグレーのキーキャップが特に風情を感じさせます。

レトロキーボードですね
キーボードソムリエ
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昔のキーボードは余白が広くずんぐりむっくりした印象がありますが、ステップスカルプチャー構造が採用されているのも関係しています。

KB-3920 ステップスカルプチャー

ステップスカルプチャー構造というのは横から見ると湾曲している構造で、タイピング時の疲労を軽減する効果があります。

ただし、厚みが増えますし、厚みが増えた分コストも増えるので現在のキーボードは横から見てもまっ平になっている物が多いと思います。

現在のキーボードではメカニカルやリアルフォースなどの良いキーボードにしか採用されていません。

キーボードソムリエ
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良いキーボードで疲労軽減できる理由ですね

ちなみにですが、KB-3920のスペースキーと無変換、変換キーだけは指が触れる面の形状が異なります。

KB-3920 スペーサー、変換・無変換

基本的にキーの指の触れる面は”シリンドリカル”と言って凹んでいる形状になっており、スペースキーだけが上に膨らんだような形状になっています。

しかし、KB-3920はスペースキーの両隣にある変換・無変換も膨らんだような形状になっています。

これが結構珍しい
キーボードソムリエ
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これは親指で打ちやすくするための工夫です。

が、変換・無変換キー自体あまり使わなので「ただ単に珍しい」ぐらいの認識で大丈夫です。

ケーブルは2方向の取り回しが可能であり地味に便利ですね。

KB-3920 取り回し

また、チルトスタンドも強度が高いものがついています。

KB-3920 チルトスタンド

このように、シンプルながら基本的な部分にはコストがかけられたデザインになっているのが分かります。

印字は製造時期によって異なります

KB-3920の特徴

それではKB-3920の特徴を解説していきます。

  • 打鍵感はメカニカルと同等以上
  • PS/2変換ケーブルが必要
  • パームレストも欲しい 

打鍵感はメカニカルと同等以上

最初にキー荷重です。

あまり情報が無かったので硬貨測定法で測ったら55gと少し標準より重いキー荷重でした。

KB-3920 キー荷重

とはいっても、このあと解説する特徴によってそこまで重く感じることはありません。

そして、すでにご存知だとは思いますがこのキーボードはメンブレン式です。

下の画像はKB-3920を分解した際の写真ですが、3枚のメンブレンシートとラバーカップで構成されています。

KB-3920 分解 メンブレンシート ラバーカップ
キーボードソムリエ
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この状態でも打てます(笑)

そして、名機と呼ばれるメンブレンキーボードは大抵スライダーなどの別パーツが付いているものですが、KB-3920は現代のメンブレン式と同じような構造になっています。

KB-3920 構造

個人的には現在のキーボードと同じ最低限の構成で段違いの打鍵感を出せる設計が素晴らしいと思っています。

というのも、現在の安価なキーボードは底付き時の「ブニュブニュ感」が打鍵感を悪くする一番の理由です。

これが無いだけでかなり打鍵感が良くなるので、名機と呼ばれるメンブレンキーボードは「ブニュブニュ感」を回避するために別パーツが付いているのです。

しかし、KB-3920は別パーツが無いのにも関わらず「ブニュブニュ感」を感じないのです。

コストを抑えられるので様々なPCに採用されたわけですし、みんなが「気持ち良い」と感じるからこそKB-3920が”名機”になった理由だと言えるでしょう。

ちょっとマニアックな話ですね
キーボードソムリエ
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そして、底付きした際に「ブニュブニュ感」が無くキレがあるだけでは無く、もう一つ気持ち良い部分があるのです。

ラバーカップは基本的に一定以上の力を加えると(山を越えると)一気に下がっていくのが特徴です。

それによってスペック上のキー荷重よりも軽く感じ、ストロークの深さを感じにくいというのがメリットです。

キーボードソムリエ
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55gでも重く感じません

しかし、同じキー荷重でも山を越えた際に指に伝わってくる反発力は機種によって個性があります。

KB-3920は一気に下がる前の反発が強いので「打った感」が強いのです。

このように、「打った感」が強いのでタイピングすることへの満足感があります。

音は現代のキーボードと比較するとかなり音はうるさめですね。

これも「打った感」を増幅する要素でさらに満足感を感じます。

でも、静かな場所には向きません
キーボードソムリエ
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メカニカルキーボードとは系統が違うとは思っているのですが、あえて同列に並べるとメカニカルと同等以上だと思っています。

キーボードソムリエ
キーボードソムリエ
個人的にはKB-3920の方が好き

ブニュブニュ感がなく、手ごたえもあるので満足感がある

PS/2変換ケーブルが必要

KB-3920は昔のキーボードなのでPS/2接続です。

KB-3920 PS/2接続

現在のPCではPS/2接続は省かれている物も多いので、USBで使うには変換するためのケーブルが必要です。

PS/2 USB変換ケーブル

このケーブルを新品で買おうとすると千円ほどしますので、地味に高いんですよね。

もし、新品を買うのが嫌ならジャンク品とかもアリだとは思います。

KB-3920を検討している方ならある程度の知識はあると思いますし、変換ケーブルなんか壊れているハズレも少ないと思います。

僕もハードオフのジャンク品を漁って2、3百円で購入しました。

外れだったらドンマイ
キーボードソムリエ
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PS/2なので変換ケーブルが必要

パームレストも欲しい

3つ目はパームレストも欲しいということです。

外観紹介の際にステップスカルプチャー構造が採用されており、疲労軽減効果があると解説しました。

この構造自体は良いのですが、厚みがあるのでパームレストが無いと逆に厳しいのです。

横から見ると分かりやすくパームレストを使うことで厚みを相殺できるのです。

KB-3920 パームレスト 側面

これでKB-3920の疲労軽減効果を最大限引き出せますし、手首や腕の疲労を9割以上削減してくれるので非常におすすめです。

キーボードソムリエ
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9割でも控えめです

ちなみに、KB-3920にはFaluberの木製リストレストの厚みが丁度良いのでおすすめです。

Faluber 木製リストレスト

木製リストレストの中ではお手頃で疲労軽減効果に対するコスパが非常に良い投資になると思います。

▼Faluber の木製リストレストのレビュー▼

Faluber 木製リストレスト サムネ
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厚みがあるのでパームレストを使った方が疲労軽減できる

以上がKB-3920の特徴でした。

打鍵感は良いですし、なにより安いのでキーボードが好きなら試してみるのも悪くないと思います。

中古が許せればかなりイイ!

今回はKB-3920のレビューをしてきました。

KB-3920はタイピングすると満足感を得られるので、まさに”メンブレンキーボードの名機”と言っても過言ではありません。

普段使いも可能ですし、現在でもあえて愛用している方もいらっしゃると思います。

中古であれば安価で手に入るので中古が許せる場合は非常におすすめのキーボードです。

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