ほとんどのキーボードには印字が付いており、お世話になっている方も多いともいます。
一般的に印字にはそこまで注目されないので、そこまで関心が集まらない部分ではあります。
しかし、キーボードの印字にも種類があり、印字の種類によって耐久性や発色に特徴があります。
まあ、別に知らなくっても良い知識ではあるのですが、キーボードにこだわるなら知っておいて損はありません。
特に今回紹介するシルクスクリーン、レーザー印刷、昇華印刷、二色成型は高級キーボードを選ぶ際に頻繁に聞くと思いますので、脳の片隅に置いておくと後々役立つかもしれません。
今回はキーボードの印字に採用されている印刷方法を解説していきます。
こんな方に向けて書いています
- キーボードの印字の種類を知りたい方
キーボード印字で代表的な4種類を解説
キーボードの印字に使われている代表的な印刷方法は以下の4種類あります。
- シルクスクリーン
- レーザー印刷
- 昇華印刷
- 二色成型
この表の下になるほど印字が消えにくく耐久性も高くなります。
それでは、それぞれの印字方法を解説していきます。
シルクスクリーン
1つ目はシルクスクリーンです。
これは文字部分以外をマスキングしてその上から塗料を吹き付けて塗装する方法です。
シルクスクリーンは安価なキーボードに採用されている印刷方法で、「テキトーに選んだキーボードを使っている」という方はおそらくシルクスクリーンでしょう。
キーキャップのプラスチックに塗料を乗せているので、耐久性は比較的低く薄くなったり、剥がれてしまったりするという弱点があります。
シルクスクリーンの上からクリア塗装やコーティングがされている物も多いですが、それでも耐久性は低めですね。
「だんだん印字が薄くなった」とか「印字が消えた、、、」という経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
これは僕が3年ほど使用していた安価なキーボードですが、"D"と"N"の部分が削れています。
特に爪が長いと余計に印字部分が削れやすくなり、場合によっては半年で印字が無くなることもあります。
ちなみにこのキーボードの印字部分を良く見ると、文字の部分に薄っすらと膜のような物が付いており、この部分だけコーティングされています。
キーキャップにインクを乗せるのがシルクスクリーン
レーザー印刷
2つ目はレーザー印刷です。
レーザー印刷はプラスチックにレーザーを照射し、表面のプラスチックを化学反応させることで発色させています。
レーザー印刷は耐久性が高く消えることは無いと言われています。
が、キーボードのように何度も指が触れる場合は、表面の化学反応した部分が削れて印字が消えてしまいます。
とはいってもシルクスクリーンよりは断然耐久性は高いですけどね。
発色は特徴的で、印字の色がキーキャップの色の系統と近いので統一感が出てスッキリしています。
黒のキーボードには黒に近い白色の印字、白のキーボードには白に近い黒い印字というイメージですね。
レーザー印刷は1万円以上の高級キーボードで採用されていることがあり、リアルフォースの一部モデルにはレーザー印刷があります。
それなりに耐久性があるので高級キーボードに採用されているのが特徴です。
レーザーによる化学反応で発色するのがレーザー印刷
▼関連記事▼
-
【レビュー】リアルフォースR3は「寄り添うキーボード」で使いやすい!
リアルフォースGX1はコチラをご覧ください。 リアルフォースと言えば高級キーボード、高級キーボードと言えばリアルフォースと言っても良いぐらい高級キーボードの代表的存在であるリアルフォース。 その価格は ...
昇華印刷
3つ目は昇華印刷です。
この印刷方法はインクをキーキャップの表面に染み込ませて印字する方法です。
キーキャップの表面に染み込んでいるので、使い古し過ぎてキーキャップの表面が削れない限り消えないのがメリットです。
印字の質感は文字の周辺にぼやーと滲み感があるのが特徴ですね。
「印字が消えない」のでこちらも高級キーボードから最高級キーボードに採用されています。
具体的にはリアルフォースの一部モデルやHHKB、アーキスのクワトロなどが挙げられますね。
しかし、キーキャップにおいては黒の印字しかないので、黒のキーキャップにも黒の印字がなされるという制約もあります。
黒に黒の印字はカッコイイのですが、当然ながら見にくいので人を選ぶ仕様でもありますね。
インクをキーキャップに染み込ませるのが昇華印刷
▼関連記事▼
>>>HHKBの墨は見えない?実際のところどう?見やすくする方法を3つ解説!
二色成型
最強の印字方法が二色成型です。
これは印刷では無く、色が違う2つのプラスチックを組み合わせることで印字を実現しています。
上の写真は二色成型のキーキャップの裏表を撮影したものですが、表と裏で違う色になっているのが分かると思います。
原理的には印字が消えることは無く、印字が無くなる時はキーキャップの黒い樹脂の層が摩耗によって全て削れた時だけです(笑)
そして、この印字は光を透過するゲーミングキーボードなどでも採用されていますね。
発色は文字部分に使われているプラスチックの色にもよりますが、文字とそれ以外の部分の境目がはっきりしているのでメリハリがあるのが特徴ですね。
見るからにコストが高いのでMajestouch3や光るRGBが付いているゲーミングキーボードなどの高級キーボードに採用されています。
2色の樹脂で印字を実現するのが二色成型
以上の4種類がキーボードの印字に採用されています。
一見同じように見える印字でもこれだけの種類があるのは面白いですよね。
昇華印刷か二色成型なら大丈夫
今回はキーキャップの印字方法について解説しました。
昇華印刷か二色成型などのほぼ消えない物もあるので、高級キーボードは印字にもお金がかかっているのが分かります。
レーザー印刷は耐久性に劣りますが安価なキーボードよりは断然持ちますし、さらに印字を長持ちさせたいなら爪を切って使うと長持ちさせられます。
とはいっても、静電容量無接点方式やメカニカル式のキーボードには大抵耐久性が高い印字が採用されているので、自分で印字の種類を見てキーボードを選ぶことは少ないと思います。
キーキャップの印字が決め手になるケースは少ないですが、知っているとキーボード選びには役立つ時が来るでしょう。
▼関連記事▼
-
キーボードは価格帯で何が変わる?2000円未満から4万以上まで違いを解説!
あなたは現在何円で購入したキーボードを使用していますか? 恐らくほとんどの方は一般的な千円前後で購入できる物を使用しているのではないでしょうか? しかし、どんな世界にも高級品というものがあり、それ ...
-
高いキーボードってそんなに変わる?高級キーボードの違いや必要性を解説!
基本的に仕事用キーボードがメインですが、ゲーム用途の場合もある程度参考になります。 皆さんは現在使用しているキーボードはいくらで購入したものでしょうか? 恐らくほとんどの方は千円以内で購入できるキーボ ...
続きを見る