パソコン黎明期と比較すると時代が進むごとにパソコンの性能も上昇しています。
しかし、パソコンの性能に反比例するように、キーボードの機能は下がって行っています。
もしかしたら「昔のキーボードの方が良かったかも?」と思った方もいらっしゃると思います。
今回は昔のキーボードをが打ちやすい理由について解説していきます。
こんな方に向けて書いています
- 「昔のキーボードは良かった」と感じている方
昔のPC付属キーボードは質が高い
結論から言いますと、
昔のPC付属キーボードは質が高かった
というのが答えです。
昔はパソコンが非常に高額で、パソコン付属キーボードにもコストがかかった設計がされていました。
現在は高級キーボードに採用されているメカニカル式がPC付属キーボードに採用されていたり、バックリングスプリング式という現代にはほぼ絶滅した打鍵感がめちゃくちゃ気持ち良い方式が採用されていたりしました。
しかし、現在のパソコンは昔と比較してかなり安価であり、安いものだと5万円以下で購入できる物もあります。
これは企業努力の賜物でその分購入しやすくなりましたが、物を安くするにはどこかをコストカットをする必要があります。
そこで直接性能に関係ないキーボードはコストカットの対象となってしまったのでした。
PC純正キーボードの質が落ちてきている
昔のキーボードが打ちやすい理由
では、昔のキーボードはどのような部分で質が高かったのでしょうか。
昔のキーボードが打ちやすいと感じられるのは以下の4つが理由です。
- ステップスカルプチャー構造
- 安定感がある
- 打鍵感が良い
- 思い出補正
先ほどの内容と合わせると上から3つの要素がコストカットによって犠牲になったということになりますね。
ステップスカルプチャー構造
1つ目はステップスカルプチャー構造による違いです。
ステップスカルプチャー構造というのは横から見た際に湾曲しており、段によって指が触れる面の角度が変化している構造です。
この構造になることによってホームポジションから遠いキーを打つ際の移動距離が削減されます。
対して現在のPCに付属しているキーボードは横から見るとまっ平です。
本体に厚みが必要ない分コストは削減できますが、その分疲労軽減は二の次になってしまっています。
ステップスカルプチャー構造のおかげで疲労軽減される
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安定感がある
2つ目は安定感の違いです。
先ほど横から見た際の厚みが全然違っていましたが、それに伴って質量にも違いが出ます。
当然昔のキーボードの方が重かったわけですが、キーボードの重量は安定感に繋がります。
つまり、重量が大きい昔のキーボードの方が安定感が高かったというわけですね。
それだけでは無く、中には鉄板が入っている物があったので1 Kgを超える物も多くありました。
このキーボードはIBMが昔発売されていたPC/AT機に付属していたキーボードと同じ形状、仕組みのキーボードです。
このキーボードは現在でも傑作キーボードと言われているのですが、中に鉄板が入っています。
中に鉄板が入っているので1.4 Kgと非常に重く、剛性も非常に高いです。
重い質量と剛性の高さによって安定感が感じられるということなのです。
しかし、キーボードの中に鉄板を入れるというコストのかかる構造が、現在のPC付属キーボードに採用されるはずがありません。
当然ながらコストカットによってPC付属キーボードから鉄板は無くなってしまいました。
その結果、軽くてペラペラのキーボードが出来上がる。というわけです。
安定性が高く剛性も非常に高かった
打鍵感が良い
3つ目は打鍵感が良いという点です。
今も昔もPC付属品はメンブレン+ラバーカップの組み合わせが主流です。
これは、3枚のフィルムで打鍵を感知して、打鍵感はゴムの反発で生み出しているという仕組みです。
この組み合わせは一般的に「打鍵感が悪い安物キーボード」という認識がされていますが、実はそうではありません。
よく比較対象に挙がるメカニカルキーボードは「打鍵感が良い」と言われていますが、コストをかけることでメカニカル式以上に化けるのがラバーカップ式です。
実際に昔のキーボードには「名作メンブレンキーボード」と言われており、打鍵感が評価されている物も数多くあります。
しかし、打鍵感のためのコストも順当に削減対象になりました。
これによって「ラバーカップ式=打鍵感が悪い」という認識が一般的になってしまったと考えられます。
メンブレン+ラバーカップでも昔の方が打鍵感が良い
思い出補正
最後に思い出補正です。
昔のキーボードの方が質が高かったのは事実ですが、思い出補正も入っている可能性があります。
現物が手元にある場合は大丈夫だと思いますが、記憶の中で比較している場合は美化されているかもしれません。
人間の脳は嫌な思い出を思い出しにくくなるの対して、良い記憶は何度も思い出していくうちにさらに記憶が美化されるので、昔の記憶が良く感じるようになるんですよね。
そのため、昔のキーボードの質が高いのは事実ですが、実際よりも過剰に高く評価している可能性もあります。
3割ぐらいは思い出補正が入っていると思う
以上が昔のキーボードの方が使い心地が良かった理由です。
思い出補正の可能性もありますが、それでも当時のキーボードの方が機能性や打鍵感に優れていたのは事実です。
昔の物が良く感じるのは理由がある
今回は昔のキーボードが良く感じる理由について解説してきました。
PCに付属されているキーボードの質は下がって機能性がそがれてしまったので、あなたの感覚は間違いでは無かったということになります。
しかし、現在でも昔ながらのレトロなキーボードは販売されています。
これはPERIBOARD 106MJPというキーボードで5千円と少し高いですが、現在の物はコスト削減された結果なのでレトロキーボードが高いのは当然ではあります。
ステップスカルプチャーの採用や安定感があるなどの特徴の他に、打鍵感も優れているので打ちやすい昔のキーボードが欲しい方はこちらのキーボードを検討してみるのも良いと思います。
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