現在のパソコンの性能は90年代と比較してはるかに性能が高くなっています。
しかし、パソコンの入力装置であるキーボードの形は変わりませんし、PCに付属しているキーボードの質はむしろ低下しています。
キーボードはコスト削減の影響で質がだんだんと下がっていき、現在はペラッペラのブニュブニュとした感触のキーボードが付属するようになってしまったのです。
そこで思うのです「あの頃のキーボードは良かった、、、今でも昔みたいなキーボードは無いだろうか」と。
そんなあなたにピッタリなのがPERIBOARD 106MJPなのです。
レトロなカラーリングと形状は昔のキーボードを彷彿とさせ、タイピングのしやすさも昔のままです。
そして、もちろん接続はUSBに進化しているので、現在のパソコンでも問題なく使えます。
ということで、今回はPerixxのPERIBOARD 106MJPをレビューしていきます。
こんな方に向けて書いています
- PERIBOARD106MJPが気になっている方
- レトロキーボードが欲しい方
- 打鍵感が良いキーボードが欲しい方
PERIBOARD 106MJPをレビュー!
それでは、PERIBOARD 106MJPをレビューしていきます。106MJPは日本語配列106キーという意味ですね。
このキーボードはAmazonで5000円前後で購入できますが、円安に伴って前よりも上がっていますね。
パッケージを開封するとこんな感じです。
まあ、普通にパッケージに入っており、付属品も説明書ぐらいなので特に言うことはありません。
パッケージから取り出していよいよご対面です。
カラーはブラックとホワイト、ベージュの3色から選べます。
今回購入したのはベージュで、一部のキーがグレーになっているレトロデザインなのはベージュだけです。
ちなみにブラックとホワイトは単色ですが、レトロカラーより500円安く購入できます。
そしてレトロなのは色だけでは無く、厚みがあって余白も大きい形状で昔懐かしいデザインをしています。
厚みがあるのには意味があり、ストローク量の確保とステップスカルプチャー構造を採用するためです。
これはこのキーボードを横から見た際に分かりやすく、湾曲した構造になっているのが特徴です。
この湾曲構造によってスムーズなタイピングが可能で、指の疲労軽減効果もあります。
>>>疲労軽減ならシリンドリカルステップスカルプチャーのキーボードを選ぼう!
比較対象として現在千円ぐらいで購入できるキーボードを横から見ると、まっ平でペラペラなのが分かると思います。
この違いを見ると昔のキーボードにはコストがかかっていたことが一発でわかります。
ちなみに、本体はレトロでも接続部分はちゃんとUSB接続になっています。
そして、ケーブルは右端と左端の2方向から振り分けられます。
そして、キーボード本体に傾斜を付けられるチルトスタンドも装備されています。
肉厚で剛性も割と高いので安定して使えます。
ただ、チルトスタンドはタッチタイピングが出来る場合は使わない方が良いので、絶対に使った方が良いという物ではありません。
詳しい理由についてはコチラの記事で解説していますのでご覧ください。
>>>キーボードのチルトスタンドってどれが一番良い!実は使わない方が快適!?
外観的なレビューは以上です。
ただ単にレトロなだけでは無く実用性も伴っているのも分かって頂けたと思います。
このキーボードには元ネタがある
パッケージの右側には自信満々に「Desigend In Germany」と書かれており、これは「ドイツで設計された」という意味です。
この文言を見ると「ぺリックスが全部設計した」という風に思ってしまいますが、実はそうではありません。
恐らくこのキーボードは台湾のChicony社が作っているKU-3920というキーボードのOEMで、LEDインジケーター部分やカラーリング、打鍵感の味付けをぺリックスが決めた物をそう表現しているのだと思われます。
もともとChicony社のKU-3920はOEMでいろいろなメーカーのキーボードとして採用されています。
そして、Chicony社はKU-3920と同形状で接続方法がPS/2であるKB-3920というキーボードも作っており、こちらもOEMで東芝やNEC、IBMなどのあちこちの企業でPC付属キーボードとして採用されていました。
つまり何が言いたいのかというと、あなたが頭の中で思い描いているレトロキーボードはPERIBOARD 106MJPのOEM元である可能性があるということです。
KU-3920は一般発売されていませんので、思い出のレトロキーボードが欲しい場合はPERIBOARD 106MJPを選ぶしかありません。
PERIBOARD 106MJPの打鍵感・使用感
次に外観からは分からないPERIBOARD 106MJPの使用感を解説していきます。
外観の時点でも現在の物とは違うということが分かって頂けたと思いますが、違いは外観だけではありません
- メンブレン式
- 価格以上の打鍵感
- レーザー印字
- パームレストは必要
メンブレン式
まず、最初にPERIBOARD 106MJPはメンブレン式です。
メンブレン式を簡単に説明すると接点が付いている上下2枚と真ん中に挟む1枚のフィルムで構成されており、キーが押されると上下に付いている接点同士が触れて入力されるのが特徴です。
この仕組みはコストが抑えられるので昔から使われており、現在も廉価キーボードの主流になっています。
その代わり耐久性はそこまで高くなく、このキーボードのパッケージには1000万回の耐久性と記載されています。
耐久性が高いと言われているリアルフォースの1億回やメカニカルキーボードの5千万回とかと比較すると、やっぱり耐久性は見劣りしますね。
とは言っても、すぐに壊れる訳ではないので、タイピング用であれば酷使しても5年くらいは持つと思います。
メンブレン式が採用されている
価格以上の打鍵感
先ほどメンブレン式と解説しましたが、このキーボードはメンブレン式でラバーカップで反発力を生み出しています。
ラバーカップと言えば千円で買える安物キーボードのイメージがあるかも知れませんが、実は3万円超え高級キーボードであるリアルフォースやHHKBなどの静電容量無接点方式もラバーカップで反発力を生み出しています。
つまり、ラバーカップは作り手のこだわりが打鍵感という形に出てくるということなのです。
そして、このPERIBOARD 106MJPの打鍵感は安物ラバーカップとは明らかに違います。
安物キーボードのラバーカップが好まれないのは底付き時に「ブニュブニュ」という感覚があるからです。
PERIBOARD 106MJPではブニュブニュ感無いので、底付きがはっきり感じられるのが特徴です。
そして、ラバーカップ式の打鍵感はソフトタクタイルと言われています。
これは一定以上の力を加えると指に「カクッ」とした感触が伝わった後に一気に底付きするのが特徴ですが、指への感触はキーボードの個性によって違います。
PERIBOARD 106MJPは指に伝わる感触が強めなのが特徴で、「打っている感」を強く感じられます。
現在発売されているキーボードでこれ以上の打鍵感を求める場合は1万円以上のメカニカルか最低2万円の静電容量無接点方式しかありません。
したがって、5千円で購入できるこのキーボードは打鍵感に対してのコスパが非常に高いと言えるでしょう。
嫌なゴム感が無くしっかりとした打鍵感
▼関連記事▼
この記事は静電容量無接点方式について書いていますが、同じラバーカップ式なのでこのキーボードにも当てはまります。
-
静電容量無接点方式の打鍵感が良いのは何故?分かりやすく解説!
静電容量無接点式が採用されているHHKBやリアルフォースは”快感を感じる打鍵感”と評価されています。 非常にこだわられている機能と相まってタイピングをたくさんする方に愛用者が多いキーボードです。 しか ...
続きを見る
打鍵音は結構大きい
キーボードの打鍵音は映画に出てくるような「ザ・キーボードのような音」がでます。
タイピングをしていて楽しい音なのですが、その分音が結構大きめです。
静かな空間で使うと間違いなく音が響きますし、どんなに優しくタイピングしてもそれなりに音はでます。
「静音性が必要だ」と思っているのであれば避けた方が良いです。
打鍵音は大きめで静かな場所だと響く
レーザー印字
PERIBOARD106MJPのキートップにはレーザー印字がされています。
安価なキーボードは耐久性が低いシルクスクリーン式のものが多く、使っている内に印字が消えてしまうこともあります。
レーザー刻印が消えない訳では無いですが、印字としての耐久性は高いので普通の物よりも消えにくいです。
PERIBOARD 106MJPの耐久打鍵回数である1000万回を考えると十分すぎると言っても過言では無いでしょう。
レーザー印字で印字が消えにくい
パームレストは必要
最後はパームレストが必要という点です。
Perixx PERIBOARD 106MJPは厚みがあるがゆえにパームレストが無いと厳しいです。
疲労軽減効果があるステップスカルプチャー構造ですが、それはパームレストを使ったときの話です。
パムレストを使うだけでキーボードが持っている疲労軽減効果のポテンシャルを引き出せるようになり、手首の疲労も9割以上軽減できます。
厚みがあるのでパームレストが必要
>>>パームレストがいらないってマジ?疲労軽減効果やミス率を実験!
以上がPERIBOARD 106MJPの特徴でした。
PERIBOARD 106MJPがおすすめの方
最後にここまでの内容を踏まえてPERIBOARD 106MJPがおすすめの方の特徴を解説します。
もし、あなたが以下の3つに当てはまっている場合はこのキーボードは”買い”です。
PERIBOARDで幸せになる方
- レトロなキーボードが欲しい方
- 打鍵感が良いキーボードが欲しい方
- 静音性が必要無い方
レトロキーボードが欲しい方
「レトロなデザインのキーボードが欲しい」という方は、ほとんどPERIBOARD 106MJP一択です。
もう新品で買える昔ながらのデザインのキーボードは全くと言って良いほどありません。
そして、レトロなデザインだからこそ現在のPC純正キーボードよりも質が高いです。
外見以外の部分も質が良いので使っていて「見た目で選ばなきゃ良かった」後悔することは無いでしょう。
レトロキーボードが欲しい方は買い!
打鍵感が良いキーボードが欲しい方
このキーボードはメンブレンとラバーカップの組み合わせですが、ラバーカップの嫌な部分が見事に解消されています。
千円キーボードのような不快さが無いどころか、タイピングに満足感さえ感じます。
打鍵感の気持ち良さはメカニカルキーボードに匹敵すると感じており、同じ価格帯のキーボードの中ではトップクラスに打鍵感が良いので、打鍵感目当ての方もオススメできます。
安価に打鍵感が良いキーボードが欲しい方
静音性が必要無い方
1つ目と2つ目に当てはまっている方の中でも、静音性が必要であれば避けましょう。
現在のキーボードはコストカットされていますが、実は静音性は向上しています。
昔はキーボードの音が大きくても「それが普通」と許してもらえていたのが、現在の基準だと「キーボードの音がうるさい」という判定が下されてしまいます。
音も魅力の一つではありますが他の方の迷惑になってしまうので、音の心配が無い場所で使う用であればオススメです。
音の心配が無い場所で使う方におすすめ
このキーボードには魅力がありますが、使う環境だけは注意する必要があります。
それさえクリアできれば、この価格帯のキーボードとしては自信をもっておすすめ出来ます。
打鍵感に対してもコスパが高い!
今回はPERIBOARD 106MJPをレビューしました。
レトロキーボードはただ単にレトロな外見をしているだけではなく、レトロな外見をしているからこそ機能性が現在のPC付属キーボードよりも高いのです。
そして、あなたが頭の中で思い浮かべているレトロキーボードはPERIBOARD 106MJPと全く同じ形状のキーボードだった可能性もあります。
もし「あの時のキーボードがまた使いたいな」と思っているのであれば、間違いなくおすすめ出来るキーボードです。
また、価格に対して打鍵感が良いので「安価で打鍵感が良いキーボードが欲しい」という方も同様におすすめです。
ただ、リアルフォースなどの最高級キーボードにはさすがに劣ります。
というのも「昔のキーボードは質が良かった」と言ってもPC付属キーボードなので、当時なりのコストカットはされていました。
それに音が大きいので静かな環境で使いたい方には向きませんでしたね。
そこで、「高い静音性と良い打鍵感の両方が欲しい!」という方はリアルフォースの静音モデルがおすすめです。
耐久性もメンブレン式の10倍なので長い目で見ればコスパも悪くないと思いますので、検討してみるのも良いと思います。
▼関連記事▼
-
昔のキーボードが打ちやすいのは4つの理由がある
パソコン黎明期と比較すると時代が進むごとにパソコンの性能も上昇しています。 しかし、パソコンの性能に反比例するように、キーボードの機能は下がって行っています。 もしかしたら「昔のキーボードの方が良かっ ...
-
リアルフォースの静音は最強レベル!違いを両方持ってる僕が解説
リアルフォースR3を購入する際にポイントになるのがバリエーション選びですが、「音」に関する部分も例外ではありません。 リアルフォースでは静音モデルと”非”静音(通常)モデルが用意されており、自分が好き ...