左右分割式でありながら日本語配列とメカニカル式という特徴を兼ねそろえており、唯一無二魅力を持ったMD770ですが、キーボードマクロ機能があります。
>>>唯一の日本配列分離式!Mistel BAROCCO MD770をレビュー
しかし、ほとんどの方はマクロ機能を使ったことが無いでしょうし、「何となく知っている」レベルの方も多いと思います。
現在使う予定が無い方もそのうち役に立つ可能性もあるので、設定方法を知っておいて損はありません。
今回はMistel BAROCCO MD770で設定できるマクロ機能の使い方と設定方法を解説します。
こんな方に向けて書いています
- MD770のマクロで出来ることを知りたい方
- MD770でマクロを設定したい方
MD770のマクロで出来ること
最初にMD770のマクロで可能なことから紹介していきます。
簡単に言うと、「1つのキーを押すだけで、事前に設定したおいたキー操作が可能な機能」です。
例えば「A1B2C3D4E5F6G7H8I9J10」という文字の羅列を入力します。
これは一回切りであれば良いのですが、何度も打つとなると時間がかかりますし、なにより面倒です。
そこで、このキーの並びを設定しておくことで、一発でこの文字列を呼び出せます。
また、キー操作を行う間隔も変化できます。
デフォルトの状態ではキー操作の感覚は15ミリ秒(ほぼ一瞬)ですが、0.1秒と0.5秒の遅延を入れることも可能です。もちろん、0.5秒の遅延2つと0.1秒の遅延を1つ入れて、キー入力の間隔を1.1秒にするようなことも可能です。
このように1つのコマンドで一定のキー操作を行ってくれるので、マクロをきちんと組めば仕事の効率化が可能ですし、ゲームでも細かい部分を効率化できます。
まあ、オンラインゲームなどでマクロを使ってしまうとBANされる場合もあるので、一人で楽しむ系のゲームで活用すると良いでしょう。
MD770はレイヤーが存在する
MD770のマクロを理解するために知っておく必要があるのが”レイヤー切り替え”という概念です。
MD770はコンパクトサイズで独立したマクロキーはありませんので、一見どこに設定するのかが分かりません。
そこで使用するのがレイヤー切り替えです。
レイヤー切り替えとは?
使用するキーマップの階層を変更することです。
ただ、これだけ聞いても良く分からないと思います。僕も非常に説明しにくいです(笑)
MD770には初期レイヤー(文字入力用)に加えて別のレイヤーが3つ存在しています。(合計4つ)
もし、現在MD770でタイピングしたり、ゲームをしている方は初期レイヤーを使用していることになりますね。
"gキー"は初期レイヤーで入力すると普通に「g」と入力できますが、1レイヤーにした状態で"gキー"を押すと"gキー"に登録しているマクロを発動できます。
また、2レイヤーにした状態だと2レイヤーの"gキー"に登録したマクロ、3レイヤーの場合も同様です。
このように同じ"gキー"でも登録するレイヤーを変えると、それぞれ3つの別のマクロを発動できるようになるのです。
文字を入力する初期レイヤーにはマクロを登録することはできませんので、マクロを使用する際には必ずレイヤーを変更する必要があります。
以上がMD770で使えるマクロの基本的な仕様です。
レイヤー切り替えは理解が難しいながらも重要です。MD770に付属している説明書よりも分かりやすく説明したつもりなので、伝わっていると嬉しいですね。
MD770でマクロを設定する方法
では、いよいよMD770でマクロを設定する方法を解説していきます。
MD770のマクロを設定する際には以下のような流れで行います。
- レイヤーを変更する
- マクロ編集モードにする
- マクロを設定したいキーを選ぶ
- マクロの内容を入力する
- マクロ編集モードを終了する
工数は多く感じますが、一度やれば簡単です。
これから1つ1つ解説していきますが、その前に注意点があります。
MD770のマクロを使用するには左側と右側を有線で繋いでおく必要があります。
左側をパソコンに直接接続している場合はマクロの設定と使用ができませんので、設定する前に確認しておきましょう。
それでは、順番に解説していきます。
レイヤーを変更する
最初にレイヤーを変更します。
MD770には初期レイヤーとマクロを登録できるレイヤーが3層ありますが、これらに変更するには以下のコマンドを入力する必要があります。
レイヤー | コマンド(同時押し) |
初期レイヤー | Pn + M |
1レイヤー | Pn + < |
2レイヤー | Pn + > |
3レイヤー | Pn + ? |
コマンドを入力してレイヤーの変更に成功したら、右上のLEDの色が変化or点灯します。
LEDの色は1レイヤーが赤、2レイヤーは緑、3レイヤーは青で点灯します。初期レイヤーに変更した際には消灯します。
今回は1レイヤーに登録しますので、Pnキーと"<"キーを同時押しします。
レイヤーを変更するコマンドを入力してレイヤーを変更する。
マクロ編集モードにする
2段階目はマクロ編集モードにします。
編集モードにするのは非常に簡単で、Fnキーとその横の右コントロールキーを同時押しするだけです。
LEDが白色に光ったらマクロ編集モードです。
また、RGBモデルの場合は全体的に緑に光ります。一部赤く光っているキーはマクロが登録済のキーです。
Fnと右コントロールを同時に押してマクロ編集モードにする。
マクロを設定したいキーを選ぶ
3段階目ではマクロを設定したいキーを選びます。
といっても、設定したいキーを1回押すだけです。
今回は”Wキー”に設定するので、Wを一回押します。
RGBモデルの場合は押したキーの周りが光ったらマクロの内容を入力できるようになります。
マクロを設定したいキーを1回押す。
ちなみに、すでにマクロが登録されているキーに再度登録したい場合は2回押しをし、削除したい場合は2回押した後にPnを押して終了です。
マクロの内容を入力する
4段階目はいよいよマクロの内容を入力します。
とはいっても、非常に簡単なのですぐに覚えられると思います。
基本的にはキー操作をしたい順番に打ち込んでいくだけで大丈夫です。
例えば「キーボードソムリエ」とマクロに打たせたい場合は以下のように打ち込みます。
「ki-bo-dosomurie スペースキー(変換のため)エンターキー(確定のため)」
また、キーの入力を行う遅延も設定可能です。
遅延設定を設定しない場合はキー動作の間隔は15ミリ秒ですが、下記のコマンドを次の文字を打つ前に入力すると遅延時間の設定もできます。
遅延時間 | コマンド(同時押し) |
15ミリ秒(0.0015秒) | Fn + T |
0.1秒 | Fn + G |
0.5秒 | Fn + B |
0.5秒以上の遅延を設けたい場合はコマンドを複数回入力して、希望の秒数に設定しましょう。
例えば最終的には「ab」と打ちたいけど、aの2.3秒後にbを打ちたい場合などは以下のように打ち込みます。
"a" → Fn+Bを2回→Fn+Gを3回→"b"
このように遅延する秒数に関してもある程度の設定は可能です。
これらを組み合わせてマクロを組んでいきましょう。
ただし、注意点が3つあります。
・30秒間操作しないとマクロ編集モードが終了する
・どこまで入力したか確認できないので覚えておく
・記憶させられる動作には回数制限がある
このように制約があるので複雑すぎるマクロは組みにくいというデメリットもあります。
全て入力し終わったらセーブします。
セーブはPnキーを一回押すだけでマクロが保存され、2段階目に戻ってきます。
RGBモデルの場合は先ほどマクロを設定したキーの周りの色が赤色に変化しています。
さらに別のキーにマクロを設定したい場合は3段階目と3段階目を繰り返して別のキーのマクロを設定しましょう。
入力と遅延を組み合わせてマクロを作成後、入力できたらPnでセーブします!
マクロ編集モードを終了する
最後はマクロ編集モードを終了します。
これは2段階目と同じくFnキーとその横のコントロールキーを再び同時押しし、右上のLEDが元の色(レイヤー1なので赤色)に戻ると完了です。
再びFnキーと右コントロールキー同時押しでマクロ編集モードを終了
終了した後は設定したキーを押してきちんとマクロが動作しているかを確認してみましょう。
以上がマクロの設定方法でした。
一度設定してみると意外と簡単で、コマンドさえ覚えていたら数分で設定が可能です。
コマンドを忘れてしまったら今回解説したことは全て説明書にも記載されているので、そちらも参考にしながら設定してください。
マクロを知っておくと色々便利
今回はMistel MD770に搭載されているマクロ機能について詳しく解説してきました。
ゲーミングキーボードなどに搭載されているイメージがあるマクロ機能ですが、ほとんどの方は活用できていないと思います。
しかし、キーボードマクロはそこまで難しくないですし、この記事でそれは伝わっていれば幸いです。
特に仕事で同じコマンドを打ち続ける場面で役に立ちますので、覚えておいて損はありません。
せっかくある機能なので、是非とも活用して頂ければ幸いです。
また、まだMD770を検討している方もマクロ機能を使えるようになると色々便利ですので、頭の片隅に置いて頂けたら嬉しいです。
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