仕事に用の高級キーボードを選ぶ際に迷いがちなのが、リアルフォースシリーズとマジェスタッチシリーズです。
リアルフォースは最低でも2万円、最高級モデルは3万5千円と非常に高価なのに対して、マジェスタッチシリーズは1万円代から購入できるのでまだお手頃価格のキーボードです。
そこで気になってくるのが、「価格の差によってどんな違いがあるのか?」という点です。
これらは両方ともシンプルな外見で仕事で使用するのに必要な要素は揃っています。
しかし、実際の使用感はかなり違いますので、両者で迷った際にどちらを選ぶか判断しやすくなります。
今回はマジェスタッチとリアルフォースの違い、それぞれ向いている方の特徴を解説していきます。
こんな方に向けて書いています
- リアルフォースとマジェスタッチで悩んでいる方
- リアルフォースとマジェスタッチの違いを知りたい方
- どちらもキーボードが合っているか知りたい方
リアルフォースとマジェスタッチの違い
それではリアルフォースとマジェスタッチの違いについて解説していきます。
いきなりですが、リアルフォースとマジェスタッチの違いは以下の4つあります。
- スイッチの構造
- バリエーションの豊富さ
- 設定できる範囲
- 価格
これは両者を比較した際の違いを重要な順番に並べたものです。
それでは、以上の4つの違いについて大事な方から詳しく解説していきます。
スイッチ(軸)の構造
1つ目の違いはスイッチの種類です。これがマジェスタッチとリアルフォースの最大の違いで、選ぶ際にも重要になってきます。
恐らく高級キーボードを検討している方なら知っている方も多いでしょう。
マジェスタッチシリーズはメカニカルキーボードであり、キーのスイッチ1つ1つにスイッチが付いています。
メカニカルキーボードはキーを押すと接点同士が導通して入力されるという仕組みです。
対してリアルフォースは静電容量無接点方式(東プレ軸)というスイッチが採用されています。
こちらは名前に”無接点”と入っているように導通する電極が無く、代わりにキーの位置をセンサで感知しています。
これらの違いによってスイッチの特徴が大きく変化してくるのです。
この2つを比較すると信頼性と打ち心地の2つが違いとして挙げられます。
まずは1つ目の信頼性について解説してきます。
リアルフォースの耐久打鍵回数は1億回とかなりの耐久性を持ちますが、実はメカニカル赤軸の耐久打鍵回数も同じく1億回と公表されています。
しかし、実際にはリアルフォースの方が故障しにくく、公表されている耐久打鍵回数に対しての実際の耐久性が高いので信頼性が高いと言えるのです。
というのも、リアルフォースはチャタリングが発生せず、基盤に不具合が起きる可能性も低いからです。
チャタリングは一回「A」と打っても「AA」と複数回打たれたと認識される現象
チャタリングは接点の摩耗が主な原因で、早いと2~3年程度で発生してしまいます。
一応回復方法はあるのですが、自分で回復させる必要がある時点で信頼性が高いとは言えません。
静電容量無接点方式は物理的な接点が無いのに加えて対策も施されているので、チャタリングが発生しません
加えて、基盤自体の信頼性が高いという理由もあります。
メカニカルキーボードは軸を基盤に固定する際にはんだを使用しますが、リアルフォースにははんだ付け部分が少ないです。
チャタリングよりは発生頻度は低いですが、はんだが剥がれて不具合が発生することもあります。
以上の理由によってリアルフォースの方が耐久性が高いのです。
実際にマジェスタッチを使用していると数年で壊れたという報告が結構あります。
次に打ち心地について解説していきます。
リアルフォースは打ち心地が非常にこだわられており、タイピングをするのが楽しくなるような打ち心地になっています。
メカニカル式も打鍵感は良いのですが、「打鍵感が気持ち良い」と感じる要素がリアルフォースの方が多いです。
人によっては「リアルフォースを使うとメカニカルキーボードは使えなくなる」と言っている方もいます。
そして、なんといっても静音モデルでは、良い打鍵感と高い静音性を両立しているのがさらに良いのです。
マジェスタッチも静音赤軸を選ぶことが可能ですが、静音赤軸は静音性の代わりに打鍵感が少し犠牲になっている節があります。
職場などの他人がいる場所で使用する場合など、静音仕様のキーボードを選ぶ必要がある際にはリアルフォースの優位性が際立ちます。
>>>リアルフォースの静音は最高レベルで図書館でも大丈夫!?違いを両方持ってる僕が解説!
打ち心地はモチベーションに直結する部分で、僕は最も重視すべきと考えています。
打ち心地が良いキーボードを使用するだけで作業に取り掛かるハードルが低くなるので、始める前のダラダラする時間を削減できます。
耐久性と信頼性が高く、打鍵感も別格
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バリエーションの豊富さ
2つ目がバリエーションの豊富さです。
マジェスタッチシリーズとリアルフォースシリーズは両方ともバリエーションは豊富です。
しかし、良く見てみるとバリエーションの方向性が少し違っていることが分かります。
まずはマジェスタッチシリーズのバリエーションから解説していきます。
マジェスタッチは最も基本的な有線モデルのマジェスタッチ3だけではなく、様々な派生モデルが発売されています。
例えば無線接続と有線接続の両方に対応しているMajestouch Convertibleなどの利便性が向上されたモデルが販売されています。
Convertbile2は販売終了しており、現在はConvertible3にリニューアルされました
他にも両方の接続方法を使うことが出来て、さらにコンパクトになっているMINILA-R Convertibleというモデルもあります。
>>>コンパクトで持ち運べるメカニカルキーボードMajestouch MINILA-Rをレビュー!【静音赤軸】
これらも他にもスティングレー(薄型タイプ)や、XacroM10SP(左右分割式)などののメカニカルキーボードも選べます。
静電容量無接点方式では薄型タイプや左右分割式は選べません。
このようにコンセプトが違う様々なモデルがあるので、シンプルなメカニカルキーボードを探している方はマジェスタッチシリーズから探してみると良いものが見つかります。
また、メカニカルキーボードなので、同じ機種でも基本的に赤軸、青軸、茶軸、静音赤軸(ピンク軸)から選べます。
FILCOブランドを持っているダイアテック社が運営するオンラインショップでは限定版で黒軸などの珍しい軸や本体色を選べることもあります。
加えてそれに加えて日本語配列と英語配列の違いやテンキーの有無も選べるのでかなり広い選択肢があると言えるでしょう。
しかし、リアルフォースも負けていません。
リアルフォースシリーズはビジネス用のR3/R3S、ゲーミング用のGX1の3種類から選べます。
マジェスタッチはビジネス用なので今回はR3とR3Sの違いを紹介していきますが、この2つの違いを簡単に言えば接続方法と外観です。
R3の方は有線接続と無線接続の両方が使えるのですが、R3Sは有線接続のみ使える仕様になっています。
それと同時にR3Sは角ばってスタイリッシュなデザインに、R3は角が丸まっているデザインになっています。
ただし、無線接続も使えるモデルは1万円以上高いので、どちらを選ぶかが迷ってしまう部分です。
個人的には有線モデルの方がコスパが良いと感じていますが、詳しい違いや選び方を知りたい方はこちらも記事もご覧ください。
>>>リアルフォースR3とR3Sの違いは?両方購入したのでおススメの方を解説!
また、これ以外にも英語配列と日本語配列の違いはもちろん、Windows仕様とMac仕様、テンキーの有無さらにはキー荷重が30g、45g、偏荷重、さらには静音仕様と通常仕様まで選べます。
このように、バリエーション自体は少ないものの、それぞれに細かい違いや組み合わせの物が設定されています。
その反面詳しくないとモデル選びには悩んでしまいます。選び方を解説している記事がありますので、そちらを参考にしてください。
>>>リアルフォースR3はどう選ぶ?あなたに合ったモデルの選び方を解説!
まとめるとマジェスタッチシリーズはたくさんの形状から選べるのが特徴です。対してリアルフォースシリーズは形状は限定されるが、さらにそこから細かく仕様を選べるということですね。
マジェスタッチは色々な形状から選べる、リアルフォースは細かい部分のバリエーションが多い
設定できる範囲
3つ目は設定可能な範囲です。
高級キーボードはキーの役割を変更することが可能で、自分好みに設定を変更することが可能です。
しかし、価格帯によって設定できる範囲は変化してきますし、それはそれはマジェスタッチとリアルフォースも同様です。
マジェスタッチシリーズの無線接続(Convertible)モデルでは、キーボード背面に付いているdipスイッチで一部のキーを入れ替えて使うことが可能です。
マジェスタッチ3ではdipスイッチが無いので使えず、入れ替えられるキーもモデルによって変化しますが、これを使いこなすことによって快適なタイピングが可能です。
しかし、どちらにしても限られたキー同士しか入れ替えられないので、設定を変更できる範囲は限定的です。
対してリアルフォースは設定できる設定できる範囲も広いです。
リアルフォースの公式ホームページからダウンロードできる専用ソフトウェアを使用することで、全てのキーの機能を変更できます。
加えてキーマップの変更以外にもキーの反応するポイントを変更するAPC(アクチュエ―ションポイント・チェンジャー)という機能も付いています。
反応ポイントが浅い順から0.8mm、1.2mm、2.2mm、3.0mmと4段階で反応ポイントを変更できます。
>>>リアルフォースR3のAPCとは?調整方法とおすすめの設定を解説!
詳しくは別の記事が解説していますが、反応深さを変更できるキーボードはハイエンドキーボード位にしか搭載されていません。
そのため、変更でできる部分が段違いで広く、より自分の使い方に合った設定で作業の効率を上げられます。
設定できる範囲はリアルフォースの方が広い
価格
最後に違うのは価格です。
マジェスタッチシリーズは1万円5千円~2万円の価格帯で購入できます。
古いモデルだと1万円中盤で選べるものも多いですが、最近はリニューアルに伴って値上げされているので2万円に近づいてきている印象です。
とはいっても、無線モデルを選ぶ場合は2万円ほどで購入できる物は少ないので、比較的手が届きやすい価格だと思います。
対してリアルフォースシリーズは最低で2万円~最高級モデルだと3万7千円のものまであります。
バリエーションの解説でも触れましたが、接続方法以外の条件を同じにしても無線接続の物は1万円以上高くなっているので、接続方法の違いでかなり価格の違いが表れています。
有線接続モデルであればマジェスタッチに追加で数千円出すことで購入できます。
もし、「価格が安いからマジェスタッチにしよう」と考えている場合は、あと数千円出してリアルフォースの有線モデルを検討するのも良いと思います。
マジェスタッチは高くても2万円序盤、リアルフォースは最高で3万6千円
以上がリアルフォースとマジェスタッチシリーズの違いでした。
シンプルな仕事に使える高級キーボードというコンセプトは同じですが、価格の違いはこのような部分に現れてきます。
マジェスタッチがおすすめの方
ここまでマジェスタッチとリアルフォースの違いについて解説してきました。
では、次に「結局どちらを選べば良いのか?」という部分について解説していきます。
最初にマジェスタッチをおすすめ出来る方について解説していきます。
マジェスタッチシリーズがおすすめな方は以下のような特徴に当てはまる方です。
マジェスタッチで幸せになる方
- メカニカルキーボードが良い方
- 薄型キーボードが良い方
- 価格を抑えたい方
メカニカルキーボードが良い方
1つ目はメカニカルキーボードが良い方です。
一般的には「静電容量無接点方式の方が打ち心地が良い」と言われていますが、結局は個人の感じ方による部分もあります。
そのため、「私はメカニカルキーボードの打ち心地の方が好きだ」という方はメカニカル式のマジェスタッチがおすすめです。
仕事用のメカニカルキーボードならマジェスタッチ
毛色の違うキーボードが欲しい方
2つ目は毛色の違うキーボードが欲しい方です。
マジェスタッチは薄型キーボードや左右分割キーボードやコンパクトキーボードなど、色々なバリエーションがあります。
リアルフォース含む静電容量無接点式のキーボードは、ここまでバリエーションが多くないので、少し変わったキーボードが欲しい場合はマジェスタッチシリーズがから探してみると良いでしょう。
マジェスタッチは少し毛色の違う物も選べる
価格を抑えたい方
3つ目は価格を抑えたい方です。
マジェスタッチシリーズは1万円代後半で手に入るので、リアルフォースよりも安価に購入できます。
そのため、どうしても予算が限られいる場合はマジェスタッチを選ぶことになると思います。
個人的には妥協でマジェスタッチを購入するのはおすすめしませんが、どうしても価格を抑えたいのであればそれもアリだとは考えています。
どうしても価格を抑えたい方
以上がマジェスタッチシリーズが向いている方の特徴でした。
このうちのどれか1つに当てはまっている場合はマジェスタッチシリーズをおすすめします。
リアルフォースがおすすめの方
次にリアルフォースがおすすめの方は以下のように考えている方です。
リアルフォースで幸せになる方
- 打ち心地が良いものが良い方
- 耐久性と信頼性が高いものが良い方
- 自分で設定を細かく設定したい方
打ち心地が良いものが欲しい方
1つ目は打ち心地が良いものが欲しい方です。
もし、キーボードの打ち心地にこだわりたいと思っているのであれば圧倒的にリアルフォースです。
「ストスト」という気持ち良いタイピングを味わってみたいのであればリアルフォースを選ぶ価値があります。
打鍵感を追求するなら圧倒的リアルフォース
信頼性が高いものが欲しい方
2つ目は信頼性が高いものが良い方です。
リアルフォースは不具合が起きにくいので一度買うと十年以上持ちます。
場合によっては数十年以上持たせることも可能なので、そこに魅力を感じる方は静電容量無接点方式であるリアルフォースがおすすめですね。
十年以上使っていきたい方
設定を細かく変更したい方
3つ目は設定を細かく変更したい方です。
普段からキーマップの変更機能を使っていたり、さらに自分が使いやすいように設定を詰めたい方にとってはリアルフォース一択です。
理由は前項の通りですが、設定できる範囲が全然違うのでマジェスタッチよりもさらに踏み込んだ設定をしたい場合はリアルフォースを選ぶと満足できると思います。
極限まで自分の好みに寄せたい方
以上のようにリアルフォースの長所であるどれかに魅力を感じていて、「高いけどその価値はあるかもしれない」と思っているのであれば買いです。
そのような方はリアルフォースを諦めても、キーボードで作業をしている際にリアルフォースの存在がチラついてしまうので、思い切ってしまうののも手です。
最大の違いはスイッチの方式
今回はリアルフォースとマジェスタッチの違いを解説してきました。
この2つは価格帯の違いによって様々な違いがあることが分かっていただいたと思います。
両者を比較するとリアルフォースはさすが最高級レベルのキーボードだと言わざるを得ませんね。マジェスタッチもメカニカルキーボードで悪くは無いのですが、さすがにリアルフォースと比べると少し霞んでしまう感があるのも否めません。
特に採用されているスイッチによって大きな違いが出来ています。
静電容量無接点方式によって圧倒的な信頼性、そして気持ちが良い打鍵感が味わえるという部分はかなり魅力的です。
反対にマジェスタッチシリーズにしかない良い点もあります。
自分がキーボードに求める優先順位を思い出して、何を優先するかを思い出して決めて頂けたら良いと思います。
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