ゲーミングキーボードはメカニカル式の物が主流ですが、タイピングに特化されている物はさらに高級な静電容量無接点方式キーボードというものがあります。
現在入手できる日本語配列かつ、静電容量無接点式のキーボードはリアルフォースとHHKBの2種類です。
本業で文章作成やコードを書いている方はメインでこれらのキーボードを使っていきながら、趣味でゲームを楽しんでいきたいと考えている方もいらっしゃると思います。
そこで、気になるのが「静電容量無接点方式のキーボードでゲームが出来るのか?」という部分です。
僕はPCゲーム歴は8年ほどで主にFPSをしていましたので、その経験をもとに解説していきます。
ということで、今回は静電容量無接点方式のキーボードでゲームをすることが可能なのかを解説していきます。
※追記
最近、タイピング特化だったはずのリアルフォースからゲーミング用のGX1も発売されました。
GX1は当然ゲームに向いていますし、他のハイエンドゲーミングキーボードと比較しても戦っていける性能があります。
GX1は当てはまらない内容もありますので、各見出しの最初に対象キーボード記載しています。
こんな方に向けて書いています
- 静電容量無接点方式キーボードでゲームをしたい方
静電容量無接点方式でもゲームは可能
この見出しはR3/R3S、HHKBを対象としています。
結論から言いますと、静電容量無接点方式のキーボードでもゲームをすることは可能です。
それも、ゲームにおいてもある程度の戦闘力を持っています。
静電容量無接点式のキーボードはタイピング用とはいえ”最”高級キーボードなので、豊富な機能が付いています。
- 1億回の耐久性
- Nキーロールオーバー
- 気持ち良いキータッチ
- キーマップ変更機能
- 反応ポイント変更
- 疲れにくい形状
このようにハイエンドゲーミングキーボードと同等の耐久打鍵回数があり、キーマップ変更機能、機種によっては反応する深さを変更する機能をキーごとに変更することが可能です。
ゲーム用の機能ではハイエンドのゲーミングキーボードには及びませんが、2万円レベルの物であれば同等以上の性能があります。
そのため、エンジョイ勢であれば十分に使っていけるキーボードであると言えます。
静電容量無接点方式でも普通に使える
ゲームで使うならリアルフォース
現在入手できる日本語配列で静電容量無接点式のキーボードはリアルフォースやHHKBの2種類がありますが、ゲーム用で使用するならリアルフォースシリーズがおすすめです。
というのも、HHKBはタイピング用に特化しすぎているからです。
コンパクトサイズのみのラインナップで、テンキーは無いのは当然としてファンクションキーもありません。
加えて、コントロールキーの場所が"Aキー"の隣に配置されているなど配列が普通のキーボードとは少し違います。
キーマップの変更は可能ですが癖はありますし、設定の自由度もリアルフォースと比較すると劣ります。
ゲームが出来ないことはありませんが、万人におすすめ出来るキーボードでは無いのは確かです。
HHKBをゲームで使用する際の懸念点や注意点を詳しく解説している記事があるので、ご覧ください。
>>>HHKBはゲームでも使える?ゲーミングキーボードと比較します!
対してリアルフォースシリーズは通常の配列でテンキーレスとフルサイズキーボードがあります。
そして、HHKBには付いていない反応する深さを変更できる機能が付いていますので、より自分好みの設定に寄せられます。
最も浅い状態で0.8mm、1.5mm、2.2mm、最も深い状態だと3.0mmの4段階に変更することが可能です。
これはゲーミングキーボードで選べるチェリーMXの銀軸が1.2mmなので、それよりも素早い入力が可能です。
このような理由があるので、リアルフォースの方がゲームをするのに向いています。
ただし、タイピングがメインの場合は、HHKBの方が向いている場合がありますしファンも多いです。
ゲームをたまにしかしない場合はHHKBの方が満足できる可能性もあるので、2つをまとめている記事をご覧ください。
>>>日本語配列が選べる静電容量無接点方式はリアルフォースとHHKBの2機種です!
変更できる部分が多いリアルフォースの方がゲーム戦闘力は高い
静電容量無接点方式が向かない方
この内容は一部GX1にも当てはまります
ご覧のように静電容量無接点方式のキーボードでも、ゲームを普通にプレイするなら満足できる性能はあります。
しかし、ゲームに特化されている訳では無いのでゲームに便利な機能は搭載されていませんし、こだわりがある方にとっては物足りない部分も多々あります。
以下の4つの特徴に当てはまる方は素直にゲーミングキーボードを購入するのがおすすめです。
静電容量無接点方式が向かない方
- ゲームに便利な機能が欲しい方
- キーボードマクロを使いたい方
- 無線接続が使いたい方
- ゲーミングキーボードのデザインが好きな方
まとめるとゲーミングキーボード独自の機能を求める方ですね。
この4つを詳しく解説していきます。
ゲームモードなどの機能が欲しい方
1つ目はゲームモードなどのゲーム用の機能が欲しい方です。
ゲーミングモードはゲーム中の誤動作を防ぐためにWinキーが無効化されたり、通知で気が散らないように通知をOFFにしたりする機能で、他にもいろいろメリットがあります。
あなたもゲームをしている際にWinキーを誤操作してしまったり、通知で気が散ったりしたことは何度があるのではないでしょうか?
丁度戦闘中に発生すると、それが原因で負けてしまう可能性もあるので、ストレス値が一気に溜まります。
これらを防ぐためにゲーミングモードは役に立ってくれますし、ゲーミングキーボードであれば1万円以下の物でも搭載されているものがあります。
また、独立したメディアキーが欲しい場合もゲーミングキーボードを選びましょう。
1万円以上のゲーミングキーボードの上側には音量を操作できるダイアルが付いている物もあります。
それどころか、中には液晶で通話アプリを管理できる物もありますよね。
リアルフォースやHHKBにもメディアキーがありますが、Fnキーと別のキーを同時に押して操作する必要があり、上のような音量調整用のホイールのような装備は付いていません。
このような、独立した便利なメディアキーが欲しい場合はゲーミングキーボードを選びましょう。
ちなみに、GX1にも便利なメディアキーやゲームモードは付いていません。
ただ、一応キーマップを2つ登録することが可能で、Winキーを無効にしたゲーム用キーマップを用意すれば対策は可能です。
ゲーム時に便利な気の利いた機能は無い
キーボードマクロを使いたい方
2つ目はキーボードマクロが使いたい方です。
キーボードマクロというのは、あらかじめ打ちたいキーの順番や回数を”マクロキー”に設定しておくことで、キーを1つ押すだけで一連の動作を発動できる機能です。
有名メーカーのゲーミングキーボードだと使える物も多いですし、マクロを登録する専用のキーも付いている物もあります。
例えば下のG913のフルサイズキーボードの場合は右にマクロ専用の「Gキー」という物が装備されています。
リアルフォースGX1ではマクロが利用できますが、Gキーのようなマクロキーはありません。
GX1以外はキーボードマクロは設定できない
無線接続が使いたい方
3つ目は無線接続を使いたい方です。
ここで言う無線接続はBluetooth接続ではなく、ゲームでも使えるような無線接続です。
昔はゲームをするなら遅延が少ない有線接続が必須でした。
しかし、最近のハイエンドモデルではゲームでも使えるレベルで高速な無線接続が搭載されているものがあります。
ロジクールのG913シリーズやRAZERのDEATHSTALKERシリーズなどの薄型モデルに搭載されている傾向がありますね。
静電容量無接点方式のキーボードの無線接続はBluetoothが使われています。
タイピングでは十分ですが、対人ゲームで使うには心もとないですよね。
ゲーム時でも使えるような無線接続では無い
ゲーミングキーボードのデザインが好きな方
4つ目はゲーミングキーボードのデザインが好きな方です。
ゲーミングキーボードのデザインはカッコよく、LEDでライティングが可能なので中二心がくすぐられるデザインの物が多いですよね。
反対に静電容量無接点方式の物は仕事で使用することが想定されているので、職場で使っても浮かないシンプルなデザインが採用されている傾向があります。
GX1もLEDライティング機能は付いていますが、基本的なデザインは他のメーカーと比較するとシンプルです。
いわゆる”カッケー感じ”が欲しい場合はゲーミングキーボードを選ぶしか選択肢はありません。
静電容量無接点方式は元々ビジネス用なのでシンプル
以上がゲーミングキーボードをおすすめする方の特徴でした。
ゲーミングキーボードはゲームに特化しているだけあって、ゲーマーが必要な機能を備えています。
リアルフォースはハード面で戦闘力はありますが、「ゲームであったら便利」という機能は付いていないので、ゲーミングキーボードよりも利便性は劣ると言っても良いでしょう。
静電容量無接点方式をゲームで使うメリット
この内容はGX1にも当てはまります
ゲーミングキーボードは基本的にメカニカル式ですが、静電容量無接点方式には特有のメリットがあります。
それも結構メリットも多いので、これらの特徴が決め手になる方も多いと思います。
- 静音モデルは音が非常に静か
- 打鍵感が上質でしっとりしている
静音モデルは音が非常に小さい
1つ目は静音モデルを選べば最強レベルの静音性が手に入るという特徴です。
メカニカルキーボードを使ったことがある方は分ると思いますが、比較的に静かと言われている赤軸でもそこそこ音が大きいんですよね。
一応、メカニカル式にも静音赤軸(ピンク軸)と言って赤軸より30%の静音化を実現している軸もあります。
しかし、打鍵感が少し犠牲になっていますし、そもそもゲーミングキーボードでは静音赤軸が少ないというデメリットがあります。
>>>赤軸と静音赤軸の違いは何?ピンク軸が疲れるのは本当なのか解説!
反対に静電容量無接点方式の静音モデルは職場や静かなカフェで使えるほど静かです。
特にリアルフォースの静音モデルに至っては、図書館レベルの静かさでも使うことも可能でした。
ちなみに、リアルフォースGX1は静音モデルしかないので、自動的に静音モデルを選ぶことになります。
静音性能は最強レベルなので迷惑がかからない
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打鍵感が上質でしっとりしている
2つ目は打鍵感が上質でしっとりしているという点です。
静電容量無接点式の打鍵感の気持ち良さは「キレの良さ」と「しっとり感」によって形作られています。
「キレの良さ」は底付きをした際にピタッと止まることによる感覚で、「しっとり感」は底付きまでほとんどキー荷重が変化せずに一定であることが挙げられます。
有名なメカニカル式は「キレの良さ」はありますが、キーが深くなるにつれて重くなるので「しっとり感」は無いのです。
このように、打鍵感が良いと感じる要素がメカニカル式よりも多いのが、「メカニカル式よりも気持ち良い!」と言われる理由です。
それに、先ほど「静音赤軸は少し打鍵感が犠牲になっている」と解説しましたが、静電容量無接点方式は静音モデルでも打鍵感と静音性が非常に高いレベルで両立されています。
基本的には静音性を求めると静音赤軸やメンブレン式のように打鍵感が犠牲になるので、打鍵感と静音性を両立している数少ないキーボードだと言えます。
環境によっては音を気にする必要がありますので、音に気を遣う必要がある場合は静電容量無接点方式の静音モデルを検討するのも良いでしょう。
ちなみに、”非”静音モデルは打鍵感の良さに全振りされているので、もっと気持ち良い打鍵感が追求されています。
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GX1はガチで使っていける
さて、この記事ではリアルフォースGX1は特別扱いしてきたように、ゲーミングキーボードとして最前線で使える性能があります。
このキーボードは今まで解説した静電容量無接点方式の特徴は引き継ぎつつも、ゲーム用に自分で変更できる設定の幅がさらに広がっています。
R3/R3Sモデルとの違いはAPC機能の強化、Dual-APC機能、Kill Switch機能、マクロ機能などが挙げられます。
リアルフォースR3/R3SはAPC機能で4段階に調節することが可能でしたが、GX1では深さを0.1mm~3.0mmの間を0.1mm単位で設定可能です。
それにダイナミックモードという機能も同時に使用することが可能です。
一般的にはキーを連続で押す際に、キーを一度反応ポイント以上に上げないと反応しませんよね。
Dual-APCでは反応ポイントよりも下でも少しキーを上げるだけで再度押せるようになるので、連打する際に便利な機能です。
もちろんこれらの設定はキーごとに設定できます。
加えて、Kill Switchモードも使えます。
これはストッピングが必要なFPSで強力な機能です。
例えばCS:GOやValorantだと移動の入力を辞めても少し慣性が残るので、進行方向と逆方法のキーを一瞬入力する”ストッピング”を行わないとキャラが静止してくれません。
しかし、普通のキーボードではストッピングをしても、前まで押していたキーの判定が一瞬残ってしまうので少しラグが生まれます。
Kill Switchモードではキーの判定が残らずにカットしてくれるので、一瞬で勝負がつくCS:GOやValorantにおいて非常に有利に戦えるのです。
GX1はKill Swith機能のおかげでCS:GO系なら最強レベル
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普通にゲームで使える
今回は静電容量無接点方式をゲームで使用するのは可能なのか?という点を解説しました。
結論としてはリアルフォースR3/R3SやHHKBでもエンジョイ勢なら普通に使えますし、安いゲーミングキーボードよりも設定できる部分が豊富です。
それどころか静音性が高く打鍵感も良いという静電容量無接点方式独自のメリットもあります。
そして、本格的にゲームに使うのであればリアルフォースGX1という選択肢も生まれました。
「静電容量無接点方式でゲームをガチりたい!」という方は、こちらを選べば長く使っている相棒になると思います。
その反面、GX1含む静電容量無接点方式には、ゲーミングモードなどの気の利いた機能は付いていないのはデメリットです。
これらが許容できる場合はゲーム用途で使う場合も十分に満足できるでしょう。
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