
皆さんはキーボードの”赤ポチ”ってご存知ですか?
レノボ社が出しているThink Padに付いているトラックポイントのことで、赤い円形の部品から”赤ポチ”と呼ばれています。

恐らくマイナーキーボードのレビューを見ているあなたはご存知かもしれませんが、赤ポチに力を加えることで力を加えた方向にカーソルが動きます。
マウスに手を移動する必要が無くなるので、ホームポジションを崩すことなく作業が出来るのが非常に便利です。
そんなスグレモノであるトラックポイントですが、Think Padはパンタグラフ構造のキーボードなので「ちょっと良いキーボードが欲しいな」という方にとっては物足りないと感じる部分もあります。
しかし、そのような方にはARCHISS(アーキス)が出しているQuattro(クワトロ)というキーボードという選択肢もアリだと思います。
ARCHISSというブランドは聞き馴れませんが、アーキサイトというパソコン周辺機器などの販売代理店をしている会社のオリジナルブランドですね。他にも左右分割式メカニカルキーボードであるMD770というキーボードも発売しています。

ちなみに、この記事ではARCHISSを以後”アーキス”、Quattroを以後”クワトロ”と表記します。Quattroを普通に読んだら”クアトロ”ですが、公式サイトに”クワトロ”と書いてあったので”クワトロ”です。

ということで、今回は隠れた傑作キーボードであるアーキスのクワトロのレビューと特徴の紹介をしていきます。
また、クワトロの特徴を12分に引き出すおすすめdipスイッチ設定も解説していきますので、すで購入した方も参考になると思います!
こんな方に向けて書いています
- ARCHISSのQuattroが気になっている方・検討中の方
- おすすめのdipスイッチ設定を知りたい方

ARCHISS Quattroのレビュー
それではアーキスのクワトロのレビューをしていきます。
まずはパッケージですね。

パッケージはシンプルでどこか一昔前のPCパーツのパッケージのような雰囲気があります。
何故かビジネス用メカニカルキーボードは、ひと昔前のマザボのようなパッケージになっている傾向がありますよね。

今回は購入したのは赤軸モデルですが、他にも青軸、茶軸と静音赤軸から選べます。

それでは、開封していきます。

パッケージの中は青いカラーリングになっており、付属品もちゃんとした化粧箱に入っているので開封時の演出には力が入っていると感じました。
高いキーボードでも梱包や開封時の演出が適当なキーボードはたくさんあるので、個人的には開封した際には「おおー!」とテンションが上がりましたね。

内容物はキーボード本体、説明書、アクセサリーボックスが2つです。

本体

いよいよキーボード本体のレビューです。
本体のカラーバリエーションは黒のみですが、シンプルなデザインで誰が使用しても違和感が無いデザインになっています。
そして、真っ先に目が行くのは”B”の上にあるトラックポイント(ポインティングスティック)ですね。

これがこのキーボードの肝になる部分ですね。
このポインティングスイッチは静電容量式になっており、指で力を掛けた向きにカーソルが動き、かけた力の大きさによって速度が変化します。

それに加えて、マウスの右クリックや左クリックもキーボード上で操作することが可能です。

本来は日本語配列のスペースキーの両隣りには変換・無変換キーが配置されていますが、クワトロでは左側はマウスの左クリック、右側が右クリックになっています。
他にも画面のスクロールはFnキーとトラックポイント、マウス中央ボタン(マウスホイールのクリック)はFnキーとシフトキーの同時押しで操作できます。
繊細な操作(ゲームや編集など)をするのは難しいでしょうが、簡単な作業であればマウスを使う必要がほとんど無くなるのが非常に快適です。

無変換キーや変換キーは使いにくくなりますが、ほとんどの方はそもそも使わないと思いますし、使いたくなった際にはFnキーと同時押しすることで変換・無変換を使えるので問題ありません。
ただし、"B"キーの上側の一部がトラックポイントになっているので、タッチタイピングをする際にトラックポイントの位置を押してしまってBキーが押せないことが多々あります。
Bキーはそこまで使用頻度が高くありませんが、たまに入力を阻まれるのがストレスを感じる部分ですね。

印字を見ながら打っている方は気にする必要がありませんが、タッチタイピングをしている方はトラックポイントを避けて入力するようになるまで少し慣れる必要があります。
次に有線ケーブル周りを紹介します。
アーキスのクワトロは有線式ですが、線が着脱式になっています。

普段使いではそこまでメリットはありませんが、万が一断線した際には取り換えることが可能です。
接続部分は珍しいミニUSB Type-Bで、本体の後ろ側にある特徴的な形状をしたコネクタに取り付けます。


線の取り回しは本体後方、右側面、左側面の3方向から選ぶことが可能です。

これは地味に便利でキーボードを壁に寄せたい際に線が邪魔にならないようにできます。
また、裏面にはdipスイッチが4つ付いています。
このdipスイッチを変更することで特定のキーの機能を入れ替えることが可能です。

この記事の最後に紹介しますが、このdipスイッチを変更することによってクワトロのトラックポイントの魅力を12分に発揮することが可能です。
最後にチルトスタンドです。

チルトスタンド部分にも滑り止めのゴムが付けられており、しっかりと保持してくれます。
印字を見て打っている場合は傾斜を付けるのがおすすめで、印字が見やすくなってより打ちやすくなります。
逆にタッチタイピングが出来る方は傾斜が無い方が疲れにくいという研究もありますので、タイピングの習熟度によって変えると良いでしょう。
▼関連記事▼
>>>キーボードのチルトスタンドってどれが一番良い!実は使わない方が快適!?
以上で本体のレビューは終了です。
付属品
次にクワトロに付いている付属品も紹介していきます。
アクセサリーボックスに入っている付属品は電源コード、キープラー2種類、トラックポイント用のゴム、交換用キーです。

皆さんがこの中で最も気になるのがトラックポイント用のゴムでしょう。


実は純正状態で付いているトラックポイント用のゴムの他にも、もう1つの形状が選べるようになっています。
最初に付いている物は指が触れる部分が盛り上がってる形状になっており、もう1つの形状は指が触れる部分が凹んでいます。
紫の物はただ単にオレンジの物の色違いで、オレンジの物と同様に盛り上がっている物と凹んでいるものがあります。
これらの形状と色違いの物がそれぞれ2つずつ入っており、最初から付いている物も入れると8つのトラックポイント用のゴムが付属しています。

交換方法は単純で引っ張ると取れます。

ただ単に、ゴムが被せてあるだけなので簡単に交換することが可能です。
次に紹介するのが交換用キーキャップです。

クワトロの背面にはdipスイッチがあり、特定のキーの役割を入れ替えることが可能であることは先ほど解説したと思います。
キーの役割を入れ替えると、入れ替えたキーはキートップに記載してある機能とは別の働きをすることになります。
そこで、キーキャップの入れ替えを行います。
同じ形状のキー同士で機能を入れ替えた場合はそのままキーキャップを入れ替えれば良いだけですが、CapsLockキーとコントロールキーなどの大きさが違うキー同士で入れ替える場合には交換用のキーキャップを使うということですね。

他にもCapsLockキーなどは段付きの物が選べるので、色々試してみるのも面白そうですね。
また、純正状態では赤いキーキャップになっているEscキーを、通常カラーの物に変更することが可能です。

個人的にはアクセントになっていて結構好きなのですが、結構目立つので気に入らない方は通常の物に変更することが可能です。
加えて、キーキャップを変更するためのキープラーまで付属しています。
キープラーはキーキャップを外すために非常に便利な道具で、先ほど紹介したキーキャップを交換するために付属しています。

キープラーがあるとキーキャップを5倍以上速く取り外せますので非常に便利ですし、他のキーボードでも使えるので何かとこの先も使う機会があると思います。
それになぜか簡易タイプと針金タイプの2つも付いています(笑)
キープラーは簡易タイプ(画像下)と針金タイプ(画像上)の2種類がありますが、針金タイプは上位互換なんですよね。
針金タイプさえあれば事足りるのに、なぜか簡易タイプも付いているので非常に不思議です。

キープラーの使い方については別の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてださい。
>>>キープラーの使い方は?スペースキーやエンターキーなどのキーキャップの外し方も解説!
最後にキーボードカバーです。

これは元々はパッケージに入っているキーボードを保護するものですが、結構しっかりしているのでキーボードを使用しない際にホコリから守るために被せておく使い方も可能です。
以上がアーキスのクワトロの付属品でした。
結構付属品が多かった印象がありますし、実際に他の高級キーボードと比較しても多い方です。

ARCHISS Quattroの特徴
次にアーキスクワトロの特徴を解説していきます。
クワトロが多機能なので多いですが、以下の10項目について解説してい行きます。
- マウスが必要無くなる
- ホームポジションが崩れない
- ステップスカルプチャー構造
- キーキャップがこだわられている
- メディアキーが使える
- Nキーロールオーバー対応
- パームレストは必須
- 4つの軸・2つの配列から選べる
- テンキーレスのみ
- 価格は1万円代中間
マウスが必要なくなる
1つ目はマウスがほとんど必要無くなるという点ですね。

これは先ほど紹介したトラックポイントとスペースキーの両端に設置されている右クリックと左クリックキーが付いているおかげですね。
これのおかげで日常的に使うマウス操作をほぼキーボード上で行えるようになり、マウスを使用することがほとんど無くなります。
繊細な操作を必要としない作業であれば手の移動が大きく減るので、作業効率を大きく向上させられます。
最初はトラックポイントの操作とマウスを代替する動作に慣れない部分もあるかも知れませんが、一度慣れてしまえば快適になりますし、快適すぎて逆にこれ以外のキーボードが使いたくなくなるかもしれません。

ただ、一つ惜しいのがページの横スクロールは操作は対応していません。
エクセルでは横スクロールをする機会があるので、完全にマウスの代用をすることはできません。
これが出来たらもうマウスが要らなくなるだけに非常に惜しい所ですね。

それでも通常のキーボードよりもマウスに手を移動する機会は激減しますので、ずっと快適に使えるのは間違いありません。
トラックポイント+マウス操作キーでマウスへの移動がほぼ無くなる
ホームポジションが崩れない
2つ目はホームポジションが崩れないという点です。
dipスイッチを変更することでCapsLockとコントロールキーを逆にできて、交換用キーキャップまで付いてくるのは先ほど解説しましたね。

おそらくこの機能を聞いて「交換してなんの意味があるの?」という方と「最高!」という方の2パターンに分かれると思います。

ここであなたに質問ですがCapsLockキーって使いますか?
おそらく95%の方は使わないと思います。
反対にコントロールキーは使用頻度が高いわりに、小指を下にずらして押す必要があるのです。
そこで、CapsLockキーとコントロールキーを入れ替えて、押しやすい位置にコントロールキーを置くのです。
こうすることでホームポジションを保持することが可能なのです。
確かに最初はキーを交換したことを忘れてミスタイプが増えますが、だんだんと慣れてくるので気にならなくなります。
そして、慣れてくる頃には小指の横にあるコントロールキーが快適に思えてきて、従来の位置のコントロールキーでは満足できない体になってしまいます。
別のキーボードの話になりますが、3万7千円と超高級キーボードでありながらライターやブロガー、プログラマーに支持されているタイピングに特化したHHKBというキーボードがあります。

>>>【忖度無し】HHKBのメリット6つとデメリット6つを1年間使ったので「本音」でレビュー!

このHHKBは「ホームポジションを崩さずに快適にタイピングできるキーボード」というコンセプトで、純正状態でCapsLockキーの位置にコントロールキーがあるのが特徴です。

黒色のキーキャプに黒の印字がされているので見にくいですが、コントロールキーがAの横にあります。
このように、タイピングの効率や快適性を求める方にはキーを入れ替えられる機能は重宝されているのです。
加えてクワトロはキーボードから手を離さずにマウス操作をすることが可能です。
これはマウスを含めた快適性に関してはHHKBよりも確実に上です。
もちろんHHKBはまた別に他のキーボードにはない魅力はあるので人気なのですが、そんなHHKBより優れた操作性を誇るクワトロも魅力十分と言えるでしょう。
ホームポジションが崩れないので効率的に指を動かせる
ステップスカルプチャー構造
3つ目はステップスカルプチャー構造が採用されていることです。
ステップスカルプチャー構造というのは、横から見ると湾曲しているような構造が特徴です。

ホームポジションの段から離れるほど傾斜が大きくなるので、遠くの段を打つ際にも自然な指の動きが可能です。
この構造によってより効率的で疲労を少なくすることが可能です。

詳しい解説は別の記事でしていますので、気になる方はご覧ください。
ステップスカルプチャー構造でタイピングの疲労を軽減できる
>>>疲労軽減ならシリンドリカルステップスカルプチャー構造のキーボードを選ぼう!
キーキャップがこだわられている
4つ目はキーキャップがこだわられているということです。
実はキーキャップの世界も奥が深く、素材や厚みと形状によって同じキーボードでも打鍵感が変化してきます。
クワトロのキーキャップには以下の4つの特徴があり、他のキーボードとは少し違って独特の部分があります。
- キーキャップの素材がPBT
- 印字が昇華印刷で消えない
- キーキャップが肉厚で打鍵感に重厚感がある
- キーの高さが低くなっている
1つ目はキーキャップの素材にPBT樹脂が採用されていることです。
キーキャップにはABS樹脂が使われることも多いのですが、耐摩耗性が低いという欠点があります。
そのため、長期間使っているとキーキャップの表面が指によって研磨剤のように削られてしまい、だんだんとテカテカになってしまいます。

対して、PBT樹脂は耐摩耗性が強いのでABS樹脂のキーキャップよりもテカテカになりにくいのが特徴です。
2つ目はキーの印刷が昇華印刷になっていることです。

キーキャップの印字方法には何種類かあり、見た目ではそこまで違いはありませんがそれぞれ特徴があります。
昇華印刷の特徴はプラスチックにインクを染み込ませる印字方法で、キーキャップ自体が削れない限りは文字が消えない仕様になっています。

先ほどのPBT素材と合わせて、長期間使えるメカニカル式に合ったキーキャップと言えるでしょう。
3つ目の特徴がキーが肉厚になっていることです。

隣に別のメカニカルキーボードのキーキャップも置いて比較していますが、クワトロの物は肉厚になっているのが分かります。
先ほど同じ機種かつ同じ軸のキーボードでもキーキャップを変えると打鍵感も変わると解説しましたが、実際に別のキーキャップを付けて試してみました。
僕が購入したのは赤軸で「カタカタ」という系統の音は変わりませんが、クワトロの肉厚キーキャップでは重厚で落ち着きがある打鍵感という印象を受けました。
また、高音成分も小さくなるので、音自体も少し抑えられています。基本的にメカニカル式の赤軸はそこそこ音が大きいので静かな場所には向かない傾向がありますが、クワトロの赤軸でも音が目立たないので使える状況が広がります。

4つ目はキーの高さが少し低くなっていることです。

先ほどのキーキャップと比較すると、若干低くなっていることが分かります。
正確には丈が短くなっているようなイメージで、指が触れる面の高さは変わらないので使用感には特に影響がありません。
個人的な推測ではありますが、肉厚にして重量が増えるとキーの動きがもっさりしてしまうので、その分使用感に影響がない部分を短くして軽量化したと思います。
実際に一般的な厚みのキーキャップと比較してみましたが、同じくらいの重量だったので間違ってはいないと思います。

以上のようにクワトロのキーキャップは他の物と比べて、こだわりが詰まっていると言えるでしょう。
クワトロのキーキャップにはコダワリが詰まっている
メディアキーが使用可能
クワトロのキーキャップには記載されていませんが、メディアキーも使えます。
F6キーからF12キーはFnキーと同時押しすることによって、音量の調整や動画の再生や停止をキーボード上から行えます。
ただし、印字は無いので説明書の書いてあるメディアキーの使用方法を覚える必要があるのが、使いにくいですね。

ということで、”一応”メディアキーを使えます。
印字は無いけどメディアキーが使える
Nキーロールオーバー対応
5つ目の特徴はNキーロールオーバーに対応しているという点です。
クワトロは少し珍しいパターンで、工場出荷時の設定では6キーロールオーバー(最大6キー同時押し)ですが、FnキーとHomeキーを同時押しすることでNキーロールオーバーが使えます。

FnキーとHomeキーを同時押しするとNキーロールオーバーが使える
パームレストは必須
6つ目の特徴はパームレストが必須という点ですね。

今まではメリットでしたが、これはデメリットです。
クワトロ以外にもステップスカルプチャー構造が採用されているキーボードの”宿命”のような物ですが、本体に厚みがあるのでパームレストが無いと逆に疲れます。
メカニカルキーボードは確かに疲労軽減できますが、パームレストが無いと逆に手首や腕に疲労が溜まります。
クワトロのポテンシャルをきちんと発揮させるために、数千円で購入できるのでパームレストと一緒に使いましょう!

本体に厚みがあるのでパームレストは必須
▼パームレストの効果▼
>>>パームレストがいらないってマジ?疲労軽減効果やミス率を実験!
4つの軸・2つの配列から選べる
7つ目は4つの軸・2つの配列から選べるということです。
クワトロには正規品であるCHERRY MXキーが採用されており、ラインナップも赤軸、青軸、茶軸、静音赤軸(ピンク軸)の4つを日本語配列と英語配列の合計8つのバリエーションから選べます。

メカニカルキーボードに採用されているメカニカルスイッチは、本家のCHERRY MXスイッチの特許が切れているので互換品(悪く言えばコピー品)が採用されていることもありますが、クワトロは正規品が採用されています。
正規品なので品質は確かで、信頼して使っていけます。
ただし、あまり売れてないのか通販サイトでも入荷の数や頻度が少なく、基本的に在庫はあまりない印象があります。
僕が購入した当時は静音赤軸は売り切れでしたし、在庫が復活しても4、5個ぐらいしか在庫が無いので欲しい軸があったらすぐに確保しておいた方が良いと思います。

合計8種類のバリエーションから選べるが品薄気味
▼軸による違いはこちら!▼
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テンキーレスのみ
8つ目はテンキーレスモデルのみです。
普段からテンキーを使わない方だと別に大丈夫でしょうが、テンキーを使う方の場合は別で外付けのテンキーを購入する必要があります。

テンキーレスモデルしか選べない
価格は1万円中間
最後は価格です。
「トラックポイント+メカニカル式で結構高いんじゃないか?」と思うかもしれませんが意外とそうでもないのです。
価格は1万円中間で英語配列と日本語配列で価格は変わりませんが、静音赤軸を選ぶと800円ほど価格が上がります。
軸色 | 税込み参考価格(円) |
---|---|
赤軸 | 16180 |
青軸 | 16180 |
茶軸 | 16180 |
静音赤軸 | 16990 |
この価格は2023/10月時点での情報です。
今まで千円前後のキーボードしか使ったことが無い方にとっては高いかもしれませんが、他のメカニカルキーボードと比較するとお手頃価格です。
そのため、メカニカルキーボードの中では比較的手を出しやすい価格帯だと言えるでしょう。
ちなみに、同じシンプルでビジネス用途を想定している有線メカニカルキーボードであるMajesutouch3は数千円上がって1万円代後半です。

対してクワトロはトラックポイント付きで付属品も豊富なのでコスパも高いと言えるでしょう。
価格は1万円代中間で手を出しやすい
>>>FILCO Majestouch3をレビュー!価格と機能、マジェスタッチ2との違いを解説!
以上がアーキスのクワトロの特徴でした。
トラックポイントのおかげで使いこなせればマウスを使用するためにキーボードから手を離さなくても良いのが最大のメリットですね。
ホームポジションを保てるのは想像以上に快適で、ホームポジションを保てる度合いはHHKBよりも上に感じています。
また、トラックポイント以外にも特徴的なポイントがたくさんありますし、価格もお手頃なので総合的にコスパは高いと感じております。
向いている方の特徴
では、先ほど解説した特徴を踏まえて向いている方の特徴を解説していきます。
結論から言いますと、以下の4つに当てはまっている方は満足できる可能性が高いです。
クワトロで幸せになる方
- トラックポイント付きメカニカルが欲しい方
- ホームポジションを崩したくない方
- 仕事で使いたい方
- "慣れよう"という意思がある方
トラックポイント付きメカニカルが欲しい方
1つ目はトラックポイント付きのメカニカルキーボードが欲しい方です。
トラックポイントが付いている日本語配列のメカニカルキーボードは一応あります。
が、結構マニアック感が強く、価格も高いし入手性もそこまで良くありません。

その分、クワトロはお手頃価格で品薄であるものの手に入りやすいのでおすすめです。
トラックポイントが付いたメカニカル式が欲しい方
ホームポジションを崩したくない方
2つ目はホームポジションを崩したくない方です。
僕も散々推してきましたが、マウスに手を移動する必要はほぼ無くなりますし、コントロールキーの位置も変更できます。
ホームポジションを保っていられるので、出来る限り手を動かしたくない方にはおすすめです。
キーボード上で全てを完結させたい方はおすすめ
仕事で使いたい方
3つ目は仕事やビジネスの場で使用したい方です。
トラックポイントは便利ですが、ゲームのような繊細な操作が必要な場面で使用するには少し厳しい部分もあります。
そのため、文章を作成する方やゲーム以外で使用する方にはおすすめです。
本体のカラーもブラックとシンプルなので職場でも安心して使えます。
というか元々ビジネス用途を想定されているキーボードなので、まさしくその用途に当てはまる使い方をする方は普通におすすめできます。
元々ビジネス用のキーボードなので、仕事用に使う方はおすすめ
”慣れよう”という意思がある方
4つ目は慣れるまであきらめない方です。
そこまで慣れるのに難しくないですが、最初の数日はトラックポイントと独特な配列で戸惑う部分も多いです。

しかし、そこで諦めずに使いこなすために自分自身をキーボードに合わしていくことが大切です。
”慣れようという意思”がある場合は意外と大丈夫なので、そこまで気負わずに気軽にクワトロを選んでも良いと思います。
”慣れよう”という意思があれば大丈夫!
以上がクワトロが向いている方の特徴です。これに当てはまった方は満足できる可能性が高いです。
もちろんここで紹介した向いている方の特徴は一例なので、書いていないからと言って必ず向いていないわけではありません。

しかし、引っかかる部分が「慣れることが出来るのか?」という点であれば挑戦してみるのも良いと思います。
おすすめのdipスイッチ設定
最後におすすめのdipスイッチの設定を紹介します。
クワトロは純正状態のままでも便利ですが、背面に付いているdipスイッチを変更することでより使いやすくできます。
純正のdipスイッチではトラックポイントを含むマウス操作は両手を使用する必要がありますが、これを変更することで左手のみで操作することが可能になります。
マウス操作以外でも使う機会があるFnキーも押しやすい位置に変えられるので、購入した際には是非とも参考にして頂きたいです。
なお、dipスイッチの役割については解説しません。この情報が必要な方はすでにキーボードを購入している方でしょうし、付属している説明書に非常に分かりやすい図が記載されています。

結論から言いますと、おすすめdipスイッチ設定は1番スイッチと3番スイッチをONにする設定です。

スイッチNo. | おすすめdip設定 |
---|---|
1番スイッチ(左側) | ON(上) |
2番スイッチ | OFF(下) |
3番スイッチ | ON(上) |
4番スイッチ(右側) | OFF(下) |
では、なぜ1番スイッチと3番スイッチをONにすれば良いのでしょうか?
変化する部分とそのメリットを詳しく解説していきます。
1番スイッチをONにする理由
1番dipスイッチをONにするとCapsLockキーとコントロールキーが入れ替わるのが特徴です。

これは特徴を紹介する際に僕が推していた部分ですね。
コントロールキーの位置が近くなるので指の移動距離が小さくなり、メンタル的にも快適にコントロールキーを押せます。

新たな配列に慣れる必要はありますが、どうせトラックポイントにも慣れる必要がありますので、この際に同時に慣れてしまうのがおすすめです!
1番dipをONにするとCtrlキーとCapsLockキーが入れ替わる
3番スイッチをONにする理由
次の3番dipは下段のFnキーとWindowsキーを入れ替えるスイッチです。

この2つのキーが逆になるということですね。この2つはキーの形状が同じなので、3番dipを変更したらキーキャップを入れ替えましょう。
WinキーとFnキーを入れ替えるメリットは左手だけでマウス操作が出来るようになるからです。
マウスの操作で使用する頻度が高い動作はスクロールと左クリックだと思います。
クワトロではスクロールをするにはFnキーとトラックポイントの同時操作、左クリックはスペースキーの左側のキーです。

つまり、3番dipをONにするとスクロールと左クリックに必要なキーが全て左側に集まるのです。
これによって左手だけでキーボード上からマウス操作とコピペ(Ctrl + C、V)が可能になるのです。


日本では右利きの方が90%なので、筆記をしたりスマホで別のことも調べながら操作したりできます。
3番dipをONにすると左手だけでマウス操作が完結する
以上がおすすめのdipスイッチでした。
この2つのdipスイッチをONにするだけでさらにクワトロの魅力を発揮できるので、購入される方は是非とも参考にしてみて下さい。
クワトロは隠れた傑作キーボードである
今回はアーキスが出しているクワトロの特徴をレビューしました。
最初はトラックポイントが搭載されている珍しいメカニカルキーボードといいう”イロモノ枠”で見ていたのですが、ただ単にイロモノなわけでは無く実用性も伴っているのが素晴らしいと感じました。
価格も1万5千円以下とメカニカルキーボードと見たらお手頃価格でありながら、各部の完成度が高いのも良いですね。
メカニカルキーボードにありがちなタイピング時の反響音もありませんし、キーキャップも凄くこだわりを感じます。
トラックポイント付きメカニカルキーボードが欲しい方は、アーキスのクワトロを購入すると満足できると思います。
配列や軸の使用はリンク先で選べます。
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