こんな方に向けて書いています
- キープラーの使い方を知りたい方
- スペースキーやエンターキーの取り方を知りたい方
作業をする際は自己責任にてお願いします。
キーボードのキーキャップを外す際に強力な武器になるのがキープラーです。
キープラーが無くても外すことはできますがキーキャップを傷つける場合があり、効率も低くなるのでキーを外す際には必須級に便利な道具です。
そんな便利なキープラーですが、キーボードによっては付属している場合があります。
しかし、いざ使おうとした際に困るのが「使い方が分からない」という問題です。
特にスペースキーや日本語配列特有のデカいエンターキーなどの外し方は、初見では分かりにくいかもしれません。
今回はキープラーの使い方とエンターキーやスペースキーなどの少し特殊な形状をしているキーを抜く方法を解説します。
ただし、キープラーには2種類あります。
針金タイプとプラスチックでできた簡易タイプです。
この記事では両方解説しますが、プラスチックでできている簡易タイプの物はエンターキーを外すことが出来ません。
そのため、他の代用の物で外す必要があります。
家にあるもの(指、マイナスドライバー、糸)で代用が可能な方法を解説している記事があるので、エンターキーを外す際に参考にしてみください。
>>>キーキャップ外し(キープラー)は代用できる?3つの方法を解説!
また、これから購入する方には500円程で購入できますので、きちんとしている針金タイプをおすすめします。
理由は別の記事で詳しく解説しています。この記事を見たら絶対に「針金タイプを買おう!」と思うことになること必至なので、是非ともご覧ください。
>>>キープラーは2種類!特徴とメリット、おすすめのキープラーを解説!
それでは、キープラーでキーキャップを外す方法を解説していきます。
針金タイプのキープラーの使い方
作業をする前に記事後半の「キープラーを使う際の注意点」をご覧ください。
最初に針金タイプのキープラーの使い方を解説します。
このタイプは持ち手はプラスチックですが、キーを取る部分は針金になっているのが特徴です。
このキープラーはぱっと見では、1つの針金が輪のように付いているように見えますが、横から見ると同じ形状の針金が2重になっているのが分かります。
針金タイプの使い方は簡単で、針金をキーの間に差し込んでから針金をキーキャップの角にひっかけてから、引っ張り上げます。
キーキャップに針金を引っ掛ける際に差し込んでから、回しながら引き上げるようにすると引っ掛かりやすくなります。
また、軸によっては固い場合がありますが、キーキャップにしっかりと引っ掛かった後はキーボード本体をしっかり押さえてキープラーを真上に力を加えて引き上げるのがコツです。
取れると針金部分にキーキャップがひっかっているので、それを取り外して完了です。
最初は戸惑うかもしれませんが、コツをつかむとテンポよく抜けるようになります。
取り付ける際には軸とキーキャップに付いている軸の穴を合わせてから、奥まで押し込むと取り付けられます。
Cherry MXキーのメカニカルだとそのまま力を加えるとはまりますが、キーボードの種類によって「カチッ」とクリック感があるまで押し込む必要があります。
外す際に固いと感じた場合は「カチッ」とするパターンが多いので、押し込んでどちらもタイプなのかを見極めましょう。
また、大丈夫だとは思いますがキーキャップには向きがあるので、確認してからはめ込みます。
エンターキー・スペースキーの外し方
このタイプで困るのが日本語配列のエンターキーやスペースキーですね。
他のキーとは形状が違うので、先ほどのように簡単には外れません。
最初はエンターキーの外し方を紹介しますが、これは気合です(笑)
針金を広げて他のキーと同じように角にひっかけて引っ張ります。
針金部分が折れないか心配になるかもしれませんが、大丈夫なので勇気をもって広げてから引っ掛けて下さい。
また、キーボードによってはスタビライザーが付いている場合がありますので、真上に引き抜きましょう。
真上に引き抜かないと最悪割れるので、必ず真上に引き抜きましょう。
キープラーを無理やり引っ掛けて、真上に引き抜く
次にスペースキーです。
日本語配列の物であれば、エンターキーと同様に気合で何とかなるものもあります。
日本語配列のスペースキーは短いものもあるので、少しぐらいなら気合でイケます。
しかし、英語配列や日本語配列でも長いスペースキーは難しいです。
ここまで長いスペースキーだと、さすがに気合では無理です。
これは注意点(後述)でも解説しますが、スペースキーにもキーの沈み込みを検知するキースイッチの両端にスタビライザーがあります。
このように、軸の部分に加えてスタビライザーの部分も穴から外す必要があります。
もし、エンターキーにスタビライザーが装着されていた場合は、その構造を思い出しながら同じように引き抜きます。
エンターキーにスタビライザーが無くても、大体スペースキーには付いているので油断しないようにしましょう。
スタビライザー付きの長いスペースキーを外すには片方のみ引っ掛けて、持ち上げるようにスタビライザー部分を外していきます。
これで、スタビライザーの部分は外れました。
この段階で真ん中も外れている場合もありますが、外れていない場合は真ん中も外す必要があります。
その場合は、先ほどスタビライザーの軸を外す際に片方ずつ外した時のように、どちらかにキープラーを掛けてさらに引っ張ります。
キーが斜めになって怖いかもしれませんが、少々なら壊れませんので少しばかりの勇気が必要です。
これで長いスペースキーが外れました。
最初は怖いですが、壊れないラインを探りながらかつ大胆に行くことも大事です。
簡易タイプキープラーの使い方
作業をする前に記事後半の「キープラーを使う際の注意点」をご覧ください。また、キーの隙間によっては簡易タイプが使えない場合があります。
次に簡易タイプのキープラーの使い方を解説します。
こちらの使い方は簡単です。
輪になっている方を指に通して、反対側に付いているツメをキーに差し込んで、「カチッ」と言ったら真上に引っ張り上げます。
ツメを差し込む際に「カリカリ」と音が鳴りますが、「カチッ」という音が鳴るまで差し込みましょう。
スペースキーも同様に差し込んで、真上に引っ張り上げることで取り外せます。
簡易タイプを使用する際のポイントは、できるだけ軸の位置(キーの中心)に差し込むようにしましょう。
そして、冒頭でもお話した通り、簡易タイプではエンターキーは外せません。
理由はツメが入らないからですね。
他にもそもそも使えないキーボードもあります。
キー同士の隙間が少ないキーボードだと、簡易タイプのツメが入らないことがあります。
キーボードの付属品として簡易タイプのキープラーが付いていた場合はそのまま使えますが、合わなそうであれば辞めておくのが無難です。
キープラーを使う際の注意点
それぞれのキープラーの使い方を紹介する見出しの下にも書いていましたが、この注意点は作業をする前に必ず見て頂きたいです。
キープラーでキートップを外す際にはいくつかの注意点があります。
- スタビライザーの仕組みを覚えておく
- 配列の写真を撮っておく
- パンタグラフ式のキーボードは使えない
- 時には勇気が必用
スタビライザーの仕組みを覚えておく
1つ目の注意点はスタビライザーの仕組みを覚えておくことです。
何回も紹介しましたが、キーボードのエンターキーやスペースキー、シフトキーなどには”スタビライザー”と呼ばれる金属製の部品が付いています。
大きいキーはスタビライザー無いと、端を押した際にきちんと下がらないことがあり、それを防ぐ部品です。
しかし、困ったことにキーボードによってスタビライザーの仕組みや付いているキーが全然違うことです。
これも一例ですが、FILCOのマジェスタッチコンバーチブル2の場合は金属のバーに加えて、プラスチックの部品が追加されていることが分かります。
シフトキーやエンターキー、スペースキーに付いていると紹介しましたが、tabキーや、CapsLockキー、コントロールキーにも付いている場合があったり、逆にシフトキーやエンターキーに付いていない場合もあります。
加えて、特定のキーのみにスプリングが挟んであるものもあります。例えばリアルフォースシリーズやHHKBシリーズの英語配列はスペースキーにスプリングがはさんであります。
このように、スタビライザーの仕組みや装備されているキーなどは一概に言えませんので、皆さんで覚えて頂くか推測していただくしかないのです。
とはいってもある程度のパターンがあるので、2つのポイントを知っておきましょう。
1つ目はスタビライザーが付いていても、真上にキーをひっぱると外れるということです。
中には例外もあるかもしれませんが、基本的にはキーキャップである以上他のキーと同様に取ることが想定されています。
真上に引っ張ることで外れることがほとんどなので、スタビライザーが付いているからと言って臆さずに引き抜きましょう。
スタビライザーが付いているキーも真上に引き抜く
2つ目はキーを取り付ける際のポイントですね。
取る際には引っ張るだけで良いのですが、はめる際にはポイントがあるのです。
キーキャップの裏を見るとキースイッチ部分に加えて、その両側にスタビライザーがハマる穴やツメがあります。
また、高級キーボードは軸のような形状になっている傾向があります。
これは先ほどのマジェスタッチですね。
このように、スタビライザーが付いているキー(スペースキーやエンターキー以外も)は真ん中の軸の他に、両端または上下にスタビライザーをはめる部分が付いています。
そのため、スタビライザーが付いているキーを押し込む際には、スタビライザーがハマる位置に力を掛けて押し込む必要があります。
真ん中だけを押すと両端がハマらない場合があります。逆に両端を押すと自動的に真ん中も入ることになります。
これはスペースキーだけでなく、シフトキーなどの他のキーも同様です。
ただし、エンターキーは軸の上下にハマるものもあるので、はめる前にスタビライザーがハマる位置を確認してからキーキャップを戻してください。
もし分からなくなった場合は「(キーボードの名称) キートップ 外し方」や「(キーボードの名称) キートップ 交換」などで検索を掛けてみたら出てくる可能性があります。
それでも分からない場合は、あきらめてスタビライザー無しで組み込んでも良いと思います。あくまで補助的な部品ですので、無くても大丈夫な場合があります。
スタビライザーが付いていることを心得ておく
配列の写真を撮っておく
2つ目は配列の写真を撮っておく必要があります。
取り外す際には困ることはありませんが、キーキャップを取り付ける際に苦労することになります。
ほとんどの方はキーの配列を覚えていないと思いますので、取り付ける際にどの場所にはめるか分からなくなります。
そのため、キーキャップを外す前にキーボードの配列の写真を撮っておくことがおすすめです。
万が一忘れていた場合はネットで自分が使っているキーボードの画像を調べて、それを参考にすると良いでしょう。
キーを外す前に配列の写真を撮っておく
パンタグラフ式は使えない
3つ目はパンタグラフ式のキーボードには使えないということです。
パンタグラフ式というのはノートパソコンやアップルのマジックキーボードなどの超薄型キーボードに採用されている方式ですね。
▼パンタグラフキーボード▼
このパンタグラフ式キーボードは少し構造が異なっており、キートップを外そうとすると破損の原因になります。
僕も不慮の事故でしたが、キーキャップが取れて壊したことがあります。
今回紹介するキープラーを使用してキーキャップを外す方法はメンブレンキーボード、メカニカルキーボード、静電容量無接点方式を対象にしています。
もし、キーボードの方式などに詳しくない方は、「ノートパソコンのキーボード、またはノートパソコンのキーボードみたいに薄いキーボードでは無いか?」という部分を判断材料にしてみて下さい。
パンタグラフキーボードには使えない
時には勇気が必用
4つ目は勇気が必要になってくる部分もあるということです。
ここまで見て頂いた中で、結構力を加える場面が多く”勇気”という言葉を使ってきました。
最初は力加減が分からないので、「これで壊れないの?」と思ってしまう部分もあります。
特に高いキーボードを使っていると壊したくないですし、不安感があると思います。
意外と大丈夫なので時には勇気を出して力を込めることも大切です。
ただし、「力を込める」というのと「勢いよく引き抜く」というのは別です。
勢いよく引き抜くと本当に壊れる可能性が高まってしまうので、力を加えつつもゆっくり動かすのがポイントです。
力をこめつつ、ゆっくり動かすのが重要
以上がキープラーでキーキャップを外す際の注意点でした。
キー外しは大胆かつ繊細に
今回はキーキャップを外すための道具であるキープラーの使い方を解説しました。
キーを外す際はどのキー力を加えつつゆっくりと真上に引き抜くのがポイントです。
スタビライザーが付いているキーを付けるのは少し難所ですが、構造さえわかれば大したことはありません。
皆さんのキーボードの掃除する際やキーキャップを交換する際に役立てて頂ければ幸いです。
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