
あなたは現在何円で購入したキーボードを使用していますか?
恐らくほとんどの方は一般的な千円前後で購入できる物を使用しているのではないでしょうか?
しかし、どんな世界にも高級品というものがあり、それはキーボードも例外ではありません。
例えばですが、下の画像のキーボードはなんと3万7千円です。


これは実際に僕が愛用しているHHKBというキーボードで、タイピングをするのに最適化されたコンパクトキーボードです。
外観だけではとても3万7千円に見えませんし、高級キーボードを知らない人に値段を言うと大体「ええ!?」という反応が返ってきます。
このキーボードの魅力は色々ありますが、打鍵感が非常に気持ち良く、作業することに対してやる気が湧いてくることに価格以上の価値を感じています。
>>>【忖度無し】HHKBのメリット6つとデメリット6つを1年間使ったので「本音」でレビュー!
そして、僕はこのキーボード以外にも40万円分ほど使っており、色々な価格帯の物を購入しています。
今回は1000円以下から3万円後半のキーボードを価格帯別に解説していきます。
こんな方に向けて書いています
- キーボードの価格帯ごとの違いを知りたい方
- 高級キーボードを検討している方

キーボードの価格帯は何が違う?
それではキーボードの価格帯によって違う部分について解説していきます。
基本的に安価なキーボードは用途が決まっておらず、誰がどんな用途に使っても最低限の文字入力が可能です。
高価なキーボードはコンセプトが決まっており、逆に一部の人向けに特化している傾向があります。
具体的にはゲーム用ならゲームで使用する機能が付いていますし、タイピング用であればタイピングが快適になる機能が付いています。

しかし、付いている機能やクオリティーについては価格帯によって変化してきます。
今回は以下の7つの価格帯に分けて解説していこうと思います。
- 2千円未満
- 2千円~6千円
- 6千円~1万円
- 1万円代
- 2万円代
- 3万円代
- 4万円以上
例外もあるのであくまで傾向として参考にしてください
なお、高級キーボード全般に当てはまる部分については他の記事で解説しています。
>>>高いキーボードってそんなに変わる?高級キーボードの違いや必要性を解説!
2千円未満

最初に紹介するのは2千円未満のキーボードです。
これは最も普及しているタイプのキーボードで、この価格帯を使用している方が90%以上を占めていると思います。
この価格の物はほぼ100%メンブレン式という構造が採用されているのが特徴です。

一般的にはメンブレン式は大量生産で耐久性が低く打鍵感が悪いと言われていますが、それは半分正解で半分間違っています。
実はピンキリがあり、メンブレン式でも高いものは普通に耐久性が高く、メカニカルキーボードより打鍵感が良いなんてこともあります。
しかし、この価格帯のメンブレンキーボードは皆さんのイメージ通りであり、最も普及しているからこそ「メンブレンは良くない」みたいな風潮が生まれているのではないでしょうか。

このクラスの特徴はなんと言っても安く買えるのがメリットですが、耐久性は最低限で条件や機種によっては1年で使えなくなる場合もあります。
壊れなくてもキーのグラつきが大きくなったり、キーの反発を生み出すラバードームが劣化して反発力が弱くなってしまいます。
そして、このクラスのメンブレン式は打鍵感にも期待できず、「ブニュ」とした気持ち良いとは言えない感触のものほとんどです。
加えて本体もペラペラで剛性感がなく、疲労軽減効果が考えられた形状でもありません。

まあ、タイピングはできるので「文字を打てれば良い」という方はこのクラスで十分でしょう。
2千円未満の価格帯は普及品で一般的なキーボード
2千円~6千円
次に2千円〜6千円の価格帯です。

このクラスはちょっと良いメンブレンキーボードと格安メカニカルキーボードが選べます。
”ちょっと良いメンブレン式”の具体例を挙げると、USBポートや無線接続機能、超薄型キーボード、折りたたみ式キーボード、疲労を軽減できるステップスカルプチャー形状などのコストがかかる特徴をもたせたものが当てはまります。
ちなみに、ステップスカルプチャー形状は横から見ると湾曲しているのが特徴です。

この形状は本体を分厚くする必要がありますし、段によってキーキャップの形状を変える必要があるので、コストがかかっている分かると思います。

>>>疲労軽減ならシリンドリカルステップスカルプチャー構造のキーボードを選ぼう!
特に5千円以上になると、メンブレン式でも非常に打鍵感が良いものを選べます。
先程も説明したように、良いメンブレン式はメカニカルキーボードと同等またはそれ以上の打鍵感を味わえるので、打鍵感重視の方は5千円以上のメンブレンが意外と穴場かもしれません。
ちなみに、某有名タイピング女王はこのクラスのメンブレンキーボードで優勝した年もあるそうです。

そして、格安のメカニカルキーボードもこのクラスに入っています。
メカニカルキーボードは1つ1つにキースイッチ付いているタイプのキーボードで、先ほどのメンブレンキーボードと比較して価格が高くなってしまいます。


ただし、メカニカル式でもピンキリがありこの価格帯は最安値の部類に入ってきますね。
メカニカルスイッチはチェリーMX社が作っていますが、特許が切れているので今では他の会社も同じようなスイッチを作っています。
コピースイッチを作っているメーカーは複数あり、有名メーカーの物はチェリーMX社同様に品質は高いですが、マイナー会社の中には耐久性や精度が本家に及ばない物もあります。
しかし、その分安価なので格安メカニカルキーボードに良く採用されています。

このキーボードはライトが付いているメカニカルキーボードにも関わらず、Amazonで4300円でした。

探してみるとこのクラスのメカニカルキーボードは他にも売られていますし、英語配列でも良い方はさらに安価に手に入ります。
「とにかく安くメカニカルキーボードが欲しい!」という方は選択肢になると思いますが、これより上の価格帯の物と比較すると耐久性が低い傾向があり、外装もチープで機能も最低限です。
特に品質にばらつきがあるようで、中には耐久性が高いはずのメカニカル式がすぐに壊れてしまう個体があるようです。

もし、格安メカニカルキーボードを検討している場合は他にも注意するポイントがありますので、こちらの記事もご覧ください。
>>>【格安】安い5千円以下のメカニカルキーボードってどうなの?傾向と注意点を解説!
良いメンブレン式か格安メカニカルは2千〜6千円で購入できる
6千円~1万円
ここら辺からはいよいよ「高いな」と感じる価格帯になってくるのではないでしょうか?
この価格帯はエルゴノミクスキーボードや安価なメカニカルキーボードが選べるようになります。

この価格帯のメカニカルキーボードはキーボード界の中では有名では無い会社がそれなりの品質で出しています。
キースイッチは先ほどと同様にコピースイッチが採用されていますが、この価格帯だとコピースイッチのなかでも有名メーカーの物が採用されている物が多いですね。

加えて、ゲーム用ならゲームモードなどのゲームを意識した機能が付いていたり、WASDの部分だけ特殊な形状になっているキーキャップが付いてきたりします。
ただし、それでもメカニカル式としては安い方なので、外装にチープ感を感じることがありますし設定もほとんどできないので、高いレベルの物を求める場合は物足りないでしょう。
まあ、半分くらいの方は設定を触らないと思いますので、「設定を触る予定は無い」という場合はこのクラスで満足できると思います。
保証期間が長く品質も格安メカニカルよりも安定しているので、安く欲しい方もここら辺の価格帯の物を選べば安心です。

また、エルゴノミクスキーボードも選べます。
エルゴノミクスキーボードは見ての通り、湾曲した形状でタイピング時の疲労を大きく軽減できます。
ホームポジションに指を置くことが前提であり、ゲームには向きませんので完全タイピング用です。
慣れるのに少し時間がかかるという欠点はありますが、それを差し引いても魅力が高いと思います。

1万円以下の物はメンブレン式ですが、メンブレン式の物は形状に制約が少ないので逆にお勧めです。
エルゴノミクスキーボードの特徴から効果、メリットとデメリットまで詳しく解説していますので検討している方は参考にしてみて下さい。
>>>エルゴノミクスキーボードの効果は?使いにくい?メリットとデメリットを解説!
6千円~1万円はエルゴノミクスや安価なメカニカル式が選べる
1万円~2万円

>>>FILCO Majestouch3をレビュー!価格と機能、マジェスタッチ2との違いを解説!
このラインから高級キーボードと呼ばれる価格帯に入ってきます。ギリギリ1万円に届かない物もこの価格帯の特徴に当てはまるものもありますね。
1万円ぐらいからキーボードのコンセプトが明確になり、そのコンセプトに沿った機能が搭載され始める価格帯です。

このキーボードはMajestouch MINILA-R Convertibleというキーボードですが、「指を動かす距離を削減できるコンパクトなメカニカルキーボード」というコンセプトに沿って作られています。

また、本家のチェリーMX社のキースイッチが付いている物や、ゲーミングデバイスメーカーのオリジナル軸が搭載されている物が多くなります。
これらの軸は耐久性はもちろん、信頼性も高いので今後何年も使い続けることが可能です。
ただ、高級キーボードと言っても1万円前半だと、有名デバイスメーカーの中ではエントリークラスのキーボードでもあります。
ソフトウェアで設定を変更できる範囲が小さいので、設定を突き詰めたい方は物足りないかもしれません。

そして、1万円後半になってくると搭載されている機能や、設定を変更できる部分も充実してきます。
中にはメカニカルキーボードにトラックポイント(通称赤ポチ)が付いている尖ったものもあります。

>>>隠れた傑作キーボード?トラックポイント付メカニカルのアーキスクワトロをレビュー!
このキーボードは「トラックポイントが付いたメカニカルキーボード」というコンセプトが見えてきますよね。
このように、1万円~2万円の範囲はメカニカルキーボードのボリュームゾーンであり、たくさんのコンセプトの物が発売されています。
高級キーボードの領域に突入し、コンセプトに沿った機能が搭載され始める
2万円~3万円

2万円~3万円になると高級キーボードのなかでもかなり高い部類になり、友達に値段を言うと引かれるレベルになってきます。
この価格帯になってくると、使う使わないは別としてあると便利な機能や、広い設定範囲が利用できます。
例えばマクロを設定することが可能だったり、キーマッピング変更機能も1つづつ設定できたり、中にはキーが反応する深さを変更することが出来るものもあります。
特に一昔前のハイエンドキーボードも選べるようになるので、最新モデルで無くても良い場合はこのクラスがアツいですよ!

他にも無線でありながら有線と遜色ない通信速度を実現できる物や、外装にも高級感があり所有感も抜群です。
他にはリアルフォースやHHKBなどの静電容量無接点方式のキーボードのベースグレードが購入できる値段ですね。

リアルフォースのベースグレードが2万円、HHKBのベースグレードは2万7千円です。
これらの最高級モデルは3万円以上しますが、有線しか使わない場合はあえて有線モデルにしたり、静音機能を諦めることで値段を抑えられます。

ニッチな物が選べるようになり、ソフト面が充実し始めてくる
3万円代
3万円代になるとすべてにこだわった妥協の無いキーボードになります。

これはもう紛れもなく最高級キーボードであり、先ほど紹介したリアルフォースシリーズやHHKBシリーズの最高級モデルが入っています。リアルフォースの最高級モデルは3万6千円ほど、HHKBは3万7千円します。
加えて、現行のハイエンドゲーミングキーボードも3万円以上するので、このクラスに分類されますね。
このクラスは「コンセプトを突き詰めた妥協の無いキーボード」というのが特徴です。
先ほどまでの価格帯はコンセプトはあれど、コストの制約があるので機能が省略されている物もありました。

しかし、この価格帯は最高級のフラッグシップモデルです。
メーカーの威信がかかっているモデルなので、キーボード本体とソフト面合わせてハイエンドにふさわしい妥協の無い最高のキーボードに仕上がっています。
ここまで来ると機能を使い切れる方はほとんどいませんし、ほぼほぼロマンの域です。
「最高のキーボードが欲しい!」という方は3万円以上の物を中心に検討してみると良いでしょう。

ちなみに、リアルフォースやHHKBは打鍵感が非常に素晴らしく、メカニカルキーボードよりも打鍵感が良いです。
これは静電容量無接点式と呼ばれる仕組みで、メカニカルやメンブレンのような接点が無いので、主な故障の原因であるチャタリングが起こらないのが特徴です。これによってメカニカル式よりも長期間使い続けられます。
加えて打鍵感も非常にこだわられており、それは「打鍵感を味わいたいがために作業効率が上がるレベル」に気持ち良いのです。
普通に手に入るキーボードの中では静電容量無接点式の打鍵感がピカイチなので、打鍵感を重視する方はおすすめです。

このような妥協の無いキーボード達が群雄割拠しているのがこの価格帯です。
3万円代はメーカーごとのハイエンド機種がラインナップされている
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4万円以上
いよいよ最後です。
このクラスになると”変態キーボード”という言葉がぴったりのキーボードが勢ぞろいです。
3万円代は「性能が高い分価格も高い」という感じでしたが、このクラスは「ニッチすぎるから価格も高い」というイメージになっていますね。

そんな4万円以上クラスですが、有名な物ではこんなものがあります。
キネシスアドバンテージ2
キネシスアドバンテージ2というメカニカルエルゴノミクスキーボードを突き詰めたキーボードです。お値段は為替やショップによっては変わりますが最低で4万円です。

他にも外装が個性的な物や、今までにない斬新な機能を搭載したキーボードもあります。
この手のキーボードは少量生産ながら機種自体はそれなりに多く、探してみると意外と見つかると思います。
特に英語配列の場合はさらに選択肢が広がります。
しかし、少量生産の物がほとんどなので「欲しいと思ったけど売っていない」というパターンも多く、欲しい場合は即購入しておきましょう。

4万円以上はニッチ of ニッチの変態キーボードが勢ぞろい^^
これで、7つの価格帯の解説は終了です。
今回説明したのはあくまで傾向ではありますが、大体このような傾向があります。
最後の4万円代以上のキーボードは少し毛色が違いますので、ほとんどの方は4万円以内の物から選ぶことになると思います。

おすすめの価格帯は1万円代
ここまで見て頂けたあなたなら、それぞれの価格帯の特徴を分かって頂けたと思います。
とはいっても、高級キーボードをあまり知らない方は「結局どの価格帯を選べば良いんだ?」となったかもしれません。
コダワリを持っている方は自分が欲しいものイメージはすでにあると思いますが、「そこまでこだわりは無いけど、メカニカルキーボードを楽しみたい」という方に向けてオススメの価格帯を解説します。
結論から言いますと、おすすめできる価格帯は1万円代の物です。
この価格帯からは高級キーボードですし、品質も非常に高いです。
選べる機種も多く、ロジクールやRAZER、MajestouchやKeychronなど有名ブランドの物も選択肢に入ってきます。

それに、ほとんどの方はたとえ最高級モデルを買ったとしても、機能を使わないので「これエントリークラスで良かったな」となります。
デザインやロマンに惹かれて購入しているは十分に理解していますが、追加機能を持て余している方は多いと思います。
エントリーモデルは使わない追加機能が付いていない分価格も安いので、迷っている場合はこのクラスで十分満足できます。

反対に、逆にそれよりも低い価格帯だと選択肢が一気に狭くなってしまい、耐久性や信頼性に関しても少し不安なものも出てきます。
個人的には満足できる高級キーボードを購入するには2万円くらいの予算を用意しておくのがおすすめです。
2万円予算があれば満足できる買い物ができる!
高級キーボードの世界へようこそ
今回はキーボードの価格帯を7つに分けてそれぞれの価格帯の特徴を解説していきました。
一般的に高級キーボードと言えるのは1万円以上の価格帯であり、高級キーボードの中でも価格帯によって利用できる機能に差があることが分かって頂けたと思います。
そして、高級キーボードは皆さんが思っているよりも奥が深いですし、底なし沼の魅力があります。
はたから見たらキーボードを何個も買っているのは異常ですが、結構楽しいのでいろいろな物を試してみても良いのではないでしょうか?

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