リアルフォースシリーズは「キーボードの設定を自分仕様に染め上げてください」と言わんばかりに色々な部分を自分で設定できるのが特徴です。
キーマップやAPCなどを「リアルフォースコネクト」というソフトで色々設定を変更することが可能です。
ストロークは同じようには行きませんが、オプションでストローク量を物理的に小さくするキースペーサーが発売されています。
リアルフォースはストロークが長いですが、キースペーサーを使えば短くできます。
これによって指の疲労を軽減する効果がありますが、デメリットや注意点もあるので一長一短のアイテムです。
今回はリアルフォースシリーズのキースペーサーのメリットと注意点について解説していきます。
ちなみに、キースペーサーにはR3/R3S用とGX1用がありますが、キー配置が異なるだけで効果は同じです。
こんな方に向けて書いています
- リアルフォースのキースペーサーを検討している方
- キースペーサーの使用感が気になる方
リアルフォース用キースペーサーの内容物
最初にリアルフォースR3のキースペーサーに入っている内容物から解説してきます。
箱を開封したらこんな風に入っています。
内容物を全て出しました。
- キースペーサー2mm
- キースペーサー3mm
- キープラー
- 説明書
今回僕が購入したのは2mmと3mmの両方のキースペーサーが入っているタイプですが、2mmだけもしくは3mmだけのタイプもあります。
値段は1つだけ入っている物は1500円ぐらいですが、両方が入っているタイプでも2千円程度です。
後述しますが2mmと3mmで結構変わるので、両方入っている物を選ぶことをおすすめします。
この2つの厚さを隣に並べて比較してみるとほんの僅かですか、厚さの違いがあることが分かりますね。
また、キーを引き抜くための道具であるキープラーも入っています。
キーを外す際に本当に便利な道具で、清掃をする際にも使えます。
また、説明書には保証書も付いており、90日の保証が付いています。
まあ、キースペーサーに壊れるという概念は無いかもしれませんが、初期不良がある場合は交換できます。
キースペーサーの使い方
※万が一作業中に壊れても当サイトは責任を負いません。自己責任でお願いします。
次にキースペーサーをリアルフォースR3に装着する方法を解説していきます。
キースペーサーはもちろん本体に装着する必要がありますが、リアルフォースコネクトから設定を変更する必要もあります。
- 本体にスペーサーを装着
- リアルフォースコネクトから設定を変化する
- APCを変更する
本体にスペーサーを装着
最初にキースペーサーを挟むリアルフォースを用意して、下の赤枠で囲まれた部分のキーをキープラーで外していきます。
キープラーは同じ形状の2つの金属が重なっており、それをキーの角にひっかけて引っ張ることでとることが可能です。
キーの角にひっかけることが出来たら、あとはひっぱります。硬いかもしれませんが力を込めましょう。
エンターキーやスペースキーなどのデカ目のキーボードもキープラーの金属部分を頑張って引っ掛けましょう。
「キープラーが壊れるんじゃないか?」と思ってしまいますが意外と大丈夫です。
ただし、スペースキーのみに軸とのキートップの間にスプリングが入っています。
気を抜いていると飛んで行ってしまうので、無くさないように注意しておきましょう。
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こんな感じで全部外します。
この時にキーを外す前にキーボード自体の写真を撮影しておくことで、キーを取り付ける際に場所が分かって便利です。
が、、、実はキースペーサーの説明書の裏側に配列表が書かれていますので、撮影しなくてもそちらを見ると良いでしょう。
キーキャップを全部取った後にはスペーサーを敷きます。
キースペーサーは表(ザラザラしている面)と裏(ツルツルしている面)がありますので、裏表を確認しましょう。
スペーサーを敷いたら後はキーを元通りにしていきます。
キートップを取り付ける方法はキートップの軸をキーボード本体の穴に入れてから真上から力を加えます。
この時に少しクリック感があるところまでしっかりと押し込みましょう。
すべてのキーをもとに戻したら本体の作業は完了です。
本体が終わったらもう8割の作業が終わったような物です。
設定を変更する
次にリアルフォースコネクトから設定を変更していきます。
リアルフォースコネクトは公式ホームページからダウンロードし、インストールすると使えます。
インストールが完了したら、キーボードを有線で接続します。
リアルフォースR3SやGX1はもちろんですが、無線が使えるリアルフォースも有線で接続する必要があります。無線接続のままだとソフトには認識されません。
もし、「リアルフォースR3がリアルフォースコネクトに認識されない」という症状で困っている方は、有線ケーブルで接続したら認識されると思います。
キーボードを有線接続した状態でリアルフォースコネクトを起動すると下のような画面になります。
正常に有線接続で認識されている場合は、ここで一覧に表示されるのでクリックします。
すると、キーボードのイラストが出現するので、その画面の右上に「・・・」のような点が3つ並んでいる部分をクリックします。
クリックしたら「アクセサリ」が出現するのでそれをクリックします。さらに、アクセサリの中のキースペーサーをクリックします。
すると、以下のような画面が出現します。
この画面上で使用するスペーサーの厚みを選びます。
例えば2mmのスペーサーを使う場合は2mmを選び、3mmのスペーサーの場合は3mmを選びます。
選べたらその下の「OK」ボタンをクリックすると、最初のキーボードの画面に戻ります。
後は右上の保存ボタンを押すとキースペーサーに合った設定に変化します。
APCを変更する必要がある
最後の仕上げはスペーサーによってはAPC設定を変更する必要があります。
APCというのはキーが反応する深さを変更する機能ですね。
リアルフォースR3/R3Sは0.8mm、1.5mm、2.2mm、3.0mmを設定することが可能です。
そのため、スペーサーとAPCの組み合わせによっては、底付きしても反応しないという現象が起きてしまします。
そのため、使用するスペーサーによってAPC設定を変更する必要があるのです。
それぞれのスペーサーで使用できるAPC設定は以下のようになっています。
スペーサーの厚さ | 対応APC |
2 mm | 0.8mm、1.5mm、2.2mm |
3 mm | 0.8mm、1.5mm |
これはキースペーサーに記載されているグラフをそのまま載せたもので、これを参考にして反応ポイントを決めると良いでしょう。
APCを変更する方法は他の記事で詳しく写真付きで解説していますので、そちらをご覧ください。
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キースペーサー使用時の打鍵感
先ほど2mmと3mmでは打鍵感が劇的に変化してくると紹介しました。
これらの違いを説明するには、純正状態の打鍵感も知って頂く必要があるので、純正状態の打鍵感も説明しておきます。
純正状態のリアルフォースのストロークは4mm(静音は3.7mm)で、打鍵感は「一定深さを超えると荷重が抜けて一気に下がり、底付きをするとピタッと止まる」というのが特徴です。
”一気に下がる”という部分と”底付きをするとピタッと止まる”という部分がリアルフォースの打鍵感が気持ち良い理由ですね。
それでは、純正時の打鍵感を基準としてキースペーサー使用時の打鍵感を解説していきます。
3mmはノートパソコンに近い
3mmのキースペーサーを使用すると、キーストロークが4mmから2mmに浅くなります。
柔らかい素材なのでスペーサーは3mmでも、浅くなるのは2mmです。
3mmのキースペーサーを使用した場合を一言で表すと、「しっとりしたノートパソコン”風”のキーボード」です。
ただ、ストローク量はノートパソコンですが、似て非なるものという印象を受けます。
ノートパソコンのキーボードは指に確かなクリック感があり、押していると「パチパチ」という音がします。
対して、3mmスペーサーを装着したリアルフォースはクリック感が無く、「ボフボフ」という感覚で非常にしっとりとした打鍵感です。
純正状態と比較した場合に最も変化を感じるのが先ほども解説した「クリック感が無くなる」という点です。
先ほど「リアルフォースはある程度の深さで一気に下がるのが特徴」と解説しましたが、3mmのスペーサーを使用すると一気に下がるポイントが来る前に底付きします。
これによって、しっとりした部分はリアルフォースっぽいけど、クリック感が無い部分がリアルフォースっぽく無い打鍵感になります。
3mmはストロークはストロークが非常に短くしっとりした打鍵感
2mmは浅くなったリアルフォース
2mmのキースペーサーを使用すると、キーストロークが4mmから3mmになります。
柔らかい素材なのでスペーサーは2mmでも、浅くなるのは1mmです。
2mmのキースペーサーを使用した打鍵感を一言で表すと、「ストロークが浅くなったリアルフォース」になります。
スペーサー自体が柔らかいので「ボフボフ」とした感覚は変わりませんが、3mmの時とは違いクリック感が残っているのでリアルフォースっぽさを感じます。
リアルフォースの雰囲気を残したままストロークを短くしたい場合は、2mmスペーサーを使用すると良いと思います。
2mmキースペーサーはリアルフォースの特徴であるクリック感が残る
個人的な感想を言うと、「2mmと3mmでここまでの違いが出るのか!」と非常に驚きました。
皆さんは2mmと3mmと聞いて、「ストローク量が1mm変わるだけだろう」と思っていると思います。
しかし、この1mmの違いによってリアルフォースの特徴を左右するほどの違いがあります。
打鍵感は人それぞれ好みが違いますし、僕も打鍵感を言葉だけで説明するのは非常に難しいです。
そのため、2mmと3mmの両方入っている方を購入して、両方試して頂くのが最も良いと思っています。
キースペーサーを使用するメリット
キースペーサーの効果は打鍵感の変化だけではありません、
キースペーサーを装着するメリットは以下の3つあります。
- 指の疲労を軽減できる
- 連打しやすい
- 若干の静音化
指の疲労を軽減できる
1つ目は指の疲労を軽減できることですね。
キーストローク量が単純に減るので指を動かす距離が短くなり、タイピングをする際の負担が軽減されます。
これは少しタイピングしただけで実感することが可能で、スペーサーの最大のメリットです。
もちろんリアルフォースは純正状態でも疲労を軽減できますが、スペーサーを使用することでさらに疲労軽減効果を高められます。
指の移動距離が減るので指の疲労を軽減される
連打しやすい
2つ目は連打がしやすいというメリットです。
例えば「新入生」という文字を入力する際に「sinnnyuusei」とローマ字で打ちますが、この時に"n"という文字を3回連続で打つ必要があります。
タイピングゲームでスコアを更新するためにタイピングスピードを攻めていると、キーが戻り切らないまま連打してしまうことがあります。そうなると、タイプミスになってしまいます。
これが、キースペーサーを付けている状態だと発生しないので少し楽にタイピングできます。
同じキーの連打をしやすくなる
若干の静音化
3つ目は若干の静音化です。
キースペーサーは柔らかい素材でなので、キーが底付きした際の音と衝撃を吸収してくれます。
ただ、リアルフォースの静音モデルは元々最強レベルの静音性能があるので、実はそこまで変わりません。
”非”静音モデルである場合はそれなりに効果はありますが、非静音モデルでは打鍵音も良さの一つなのでメリットとは言い切れない部分もあります。
あくまで副次的な効果と考えておくのが良いでしょう。
静音化を若干期待できる
>>>リアルフォースの静音は最強レベル!違いを両方持ってる僕が解説
3つのメリットを解説しましたが、はっきりと効果を感じるのは指の疲労軽減効果です。
それ以外はオマケ程度の効果なので、過度に期待するはやめましょう。
キースペーサーの注意点
最後にキースペーサーに関する注意点を解説します。
キースペーサーは良い点だけでは無く、デメリットや注意点もあります。
- 純正より打鍵感が少し劣る
- タイピングスピードは変わらない
- 装着後は慣らす必要がある
- R3/R3S用はR2やGX1と互換性は無い
純正より打鍵感が少し劣る
1つ目の注意点は純正状態より打鍵感が少し劣ることです。
キースペーサーは柔らかい素材でできていますので、打鍵感が全体的に「ボフボフ」とした打鍵感になることは解説しました。
リアルフォースの打鍵感が良い理由の一つに「底付きするとピタッと止まる」という点があることを解説したと思います。
しかし、キースペーサーを使用すると底付き時にスペーサーにめり込むので、底付きが少し分かりにくくなります。
それでも安価なメンブレンキーボードとは比較にならないほど打鍵感は良いのですが、純正状態のリアルフォースと比較するとほんの少し劣る印象を受けます。
純正状態よりほんの少しだけ打鍵感が劣る
タイピングスピードは変わらない
2つ目の注意点はタイピングスピードが変わらないという点です。
キースペーサーを付けた状態と装着した状態でタイピングゲームをしてみましたが、スコアは変わりませんでした。
よっぽど相性が良い場合はスピードが上がるかも知れませんが、スピードの面ではあまり期待できません。
ただ、少ない疲労で同じタイピングスピードを出せると考えると、悪くないようにも思います。
タイピングスピードが上がるわけでは無い
装着後は慣らす必要がある
3つ目は装着後に少し慣らす必要があることです。
キースペーサーは装着してすぐは馴染んでおらず、リアルフォースコネクトの設定やAPCの設定を正しく行っても、キーが反応しない場合があります。
反応しなかった場合でも少し使用すると慣れてきますので、そのまま様子見で使ってみましょう。
慣れるまでは反応しないことがある
R2、GX1の物とは互換性が無い
4つ目はR3/R3S用のキースペーサーはGX1や先代R2には使えない点です。
R3/R3SとGX1、先代のR2はスペーサーの穴の位置が微妙に変化するので互換性がありません。
購入する前に対応機種は確認しておきましょう。
R3/R3S用とGX1用、R2用のキースペーサーは互換性が無い
これらの注意点のように、キースペーサーは確かに良い点もありますがデメリットや注意点もあります。
とはいっても、打鍵感はほんの少し劣るだけなので、疲労軽減効果を考えると犠牲にする価値はあると思います。
キースペーサーは試す価値はある
今回はリアルフォースのキースペーサーの使い方やメリットと注意点を解説しました。
オプション品であるようにキースペーサーは必須ではありませんが、さらに疲労軽減効果を求める方にはおすすめです。
デメリットはありますがそれ以上にメリットは大きいです。
ただし、打鍵感も変化するので好き嫌いはあると思います。
キースペーサー自体は2つの厚さが入っているタイプでも2千円程度で購入できますし、同梱されているキープラーはキーボードのメンテナンスをする際にも使える道具なので、一度試してみてから使うか使わないかを決めるのもアリだと思います。
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そこで、モデル探しやしやすいようにそれぞれのモデルごとにまとめています。
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