HHKBには日本語配列と英語配列が存在します。
日本人であれば日本語配列のキーボードを使用している方が多く、日本語配列を選ぶ方の方が多いと思います。
しかし、中には英語配列を検討している方もいますでしょうし、実際に用途によっては英語配列の方が効率的にタイピングできます。
日本語配列から英語配列に変えようとしている方やその逆の方は、「違う配列に馴染めるだろうか?」とか「違う配列にして意味があるのかな?」と迷っていることでしょう。
HHKBは高額なので「思い切って配列を変えてみたけど失敗だった、、、」となるのは避けたいものです。
僕は1年程度HHKB Professional Hybrid Type-Sの日本語配列を使用していましたが、同モデルの英語配列を購入して実際に慣れるまで使用してみました。
今回はHHKBの日本語配列から英語配列に変更した際の慣れやすさ、向いている用途について解説していきます。
こんな方に向けて書いています
- HHKBの英語配列を検討している方
- 別配列に慣れられるか心配な方
- 日本語配列と英語配列で迷っている方
- 自分に合っている配列を知りたい方
別配列には1週間程度で慣れる
まずは「英語配列に変えて慣れるのか?」について解説していきます。
この問題は日本語配列から英語配列に変える際に最も気になる部分だと思います。
結論から言いますと、「意外と一週間程度で慣れるから大丈夫」です。
ただし、使用用途や個人差によって慣れる時間は変わるので、参考までに自分のケースを紹介します。
以下が慣れに影響しそうな僕のスペックです。
僕のスペック
・20代
・タッチタイピング習得済
・1日中キーボードを触っていた
・ほぼ日本語文書作成
特に1日中タイピングしていたことは慣れを早めた要因になりますので、たくさん練習をしたケースとして考えて下さい。
このような条件で練習したところ、HHKBの日本語配列から英語配列に変更した際には2日で前の85%程度のスピードには戻っていました。
この85%というのは完全には馴染んでいない物の、ミスタイプも減ってタッチタイピングで指先に意識をほとんど向ける必要が無くなったというラインです。
つまり、2日間でそれなりに使えるようになったということであり、”慣れた”と言っても差し支えない頃でしょう。
ただし、英語配列に変えた当日(1日目)はタイピングの精度がガタ落ちし、ミスタイプが頻発したので非常にストレスが溜まりました。
タイピングの速度は変更してすぐは半分程度、夜は少し慣れて70%程度でした。
とは言え、日本語文書を作成する用途の場合です。
日本語配列と英語配列では記号の配置が異なる関係で、プログラミングの慣れるまでにもう少し時間が必要です。
これらを踏まえて慣れるまで数日間~1週間程度かかると考えておいてください。
ただし、1週間と言うのは毎日少しずつでも練習した場合です。
当たり前ですが、練習しないとそれ以上も十分考えられます。
配列を変える場合は少し練習が必要なことを覚えておいてください。
配列を変えても数日間~1週間程度で慣れる
HHKBの日本語配列と英語配列の違い
次にHHKBの日本語配列と英語配列の違いを解説していきます。
とはいっても、違いはたくさんありすぎるので、配列を変えて特に大きく変化した部分を解説していきます。
- エンター・バックスペースの位置
- 半角全角の有無
- 矢印キーの有無
- 記号の並び順
- PCの設定を変更する必要がある
- dipスイッチの変更が必須
エンター・バックスペース
※日本語配列では「Enter」、英語配列では「Return」と印字されていますが、この記事では「エンターキー」で統一しています。
1つ目に感じた最も大きい違いはエンターキーとバックスペースキーの位置関係です。
日本語配列のエンターキーはお馴染みの形状ですが、英語配列は真ん中の列に長細いエンターキー、その上にバックスペースキーがあります。
この位置関係の違いが英語配列に変えた際にミスタイプが爆増する原因です。
恐らく、日本語配列に慣れているとエンターキーの真ん中あたりを押していると思います。
タッチタイピングを習得していない方も「エンターの位置は指が覚えている」という方も多いと思います。
その感覚のまま英語配列でエンターを押してしまうと、、、、、、
エンターとバックスペースを同時に押してしまい、「決定したはずなのに消えている」という現象が起きてしまうのです。
1回程度であれば良いのですが、ハマると同じ場所で文字を入力しては消すというのを延々と繰り返してしまいます(笑)
エンターとバックスペースの形状と位置がかなり変わる
ちなみに、HHKBではない普通の英語配列ではバックスペースキーが日本語配列と同じ角にあります。
バックスペースキーがエンターキーの上にあるのはHHKBオリジナルです。
また、上の英語配列のバックスペースキーをよく見ると「Delete」と書いてあるように、初期設定ではデリートになっています。
dipスイッチでデリートキーからバックスペースキーに変更できますので、利便性のために変更する必要があります。
>>>【Windows】HHKB英語配列のおススメdipスイッチを解説!
半角全角キーの有無
2つ目は半角全角キーの有無です。
日本語配列(Windows)では左下のHHKBの"HH"をモデルにしたキーが半角全角キーの役割を果たします。
日本語配列には日本語入力をするために半角全角キーが付いていますが、当然英語配列にそんなものは付いていません。
そこで、英語配列では「Alt」+「 ` (最も右上のキー)」を同時押しして切り替えます。
Altキーは左と右側にありますが、左のAltキーを押しながら 「` 」(最も右上のキー)を押すのが自然だと思います。
正直最初は慣れませんし、慣れてもAltを押すという手間が増えたので少し面倒です。
ちなみに、Macの場合は日本語配列と英語配列でも変化せずに「スペースキー」+「ctrlキー」なので、Macを利用している方は特に不便はないとは思います。
これは個人的に日本語配列のほうが良かったと感じる点ですね。
日本語と英語を切り替えるのが面倒になる
矢印キーの有無
3つ目は矢印キーの有無です。
英語配列のHHKBには独立した矢印キーが付いておらず、Fnキーと同時押しして矢印操作をする仕様になっています。
これによってホームポジションを崩すことなく矢印操作が可能で、慣れたら非常に快適です。
Fnキーを押す必要はありますが、それを加味しても手を動かす距離が減るので便利です。
外観も矢印キーが無いので最下段の両脇にキーが配置されておらずスッキリとした印象になっていますね。
とはいえ、日本語配列は上の操作方法に加えて、独立した矢印キーが付いています。
2つの操作方法が可能なので、状況によって便利な方を選んで使い分けられます。
僕は結局日本語配列を使うことにしましたが、基本的に文章を作成する際にはFnキーでの操作、一日に数回独立キーで操作しています。
このように、矢印操作に関しては日本語配列の方が優れていると言えるでしょう。
英語配列はFnキーで矢印操作を行う
記号の並びが異なる
4つ目は記号の並びが異なるという点です。
HHKBの最上段キーは数字キーですが、数字キーとシフトキーを同時に押して記号になるのはご存知だと思います。
しかし、数字と記号の対応が下の様に変化しています。
配列によって微妙に違うのが分かると思います。
他にも「」などの鍵カッコの場所も変化してきます。
日本語配列は「」は縦に配置されているのに対して、英語配列は横に配置されています。
▼日本語配列▼
▼英語配列▼
また日本語配列では”:(コロン)”と”;(セミコロン)”が別々のキーになっていますが、英語配列では同じキーをシフトの有無で表現します。
”(ダブルクォーテーション)と’(シングルクォーテーション)も同様です。
このように、似ている記号はシフトの有無で表現できます。
とはいえ、これに関しては覚えてしまえばおしまいです。
プログラマに好まれる理由はキーの配置自体も便利だからです。
日本語配列では”(ダブルクォーテーション)は2とシフトキー、’(シングルクオーテーション)は7とシフトキーの同時押しで表現されます。
特にダブルクォーテーションは左手の小指でシフト、薬指で2を押す必要があるので非常に押しにくいです。
対して英語配列ではエンターキーの隣に配置されているので右の小指を延ばすだけで打てるのです。
他には変数を定義する場合などに使用する=(イコール)を日本語配列はシフトキーと-(マイナス)を同時押しで表現します。
対して英語配列では=(イコール)はシフト無しで打てます。
まとめると、プログラムでよく使用する記号を最小限の指移動で入力できるのが英語配列のメリットなのです。
記号の並びに関しては英語配列に分があると言って良いでしょう。
プログラムで頻繁に使う記号が押しやすい
PCの設定を変える必要がある
5つ目はパソコン側で設定を変更する必要があるということです。
これはHHKBに限った話ではなく、英語配列キーボードを使用する際にはOSの設定を変更する必要があります。
設定を変更しないと印字と画面の文字が対応しなくなります。
設定方法はOSによって変化するので、「使用OS+英語キーボード+切り替え」で検索して頂いたら簡単に完了します。
パソコン側の設定を変える必要がある
dipスイッチ変更が必須
最後はdipスイッチの変更が必須であることです。
HHKBにはdipスイッチという、OSや一部の配列を入れ替えるための物理スイッチがあります。
Windowsで日本語配列ならdipスイッチをいじる必要はありませんが、英語配列の場合はdipスイッチをいじらないと非常に使いずらいです。
前述したように初期設定ではバックスペースキーがデリートキーになっており、Fnキーが押しにくい位置にありますが、dipスイッチを操作することで改善できるからです。
また、Macの場合は日本語配列でもdipスイッチを変更する必要があります。
詳しくはこちらの記事で解説していますので、英語配列を購入する方は是非とも参考にしてください。
英語配列はdipスイッチを変えると使いやすい
以上が僕が日本語配列のHHKBから英語配列のHHKBに変更した際に、大きく違いを感じた点でした。
気にならなかった違い
では、逆に意外と気にならなかったポイントを紹介します。
スペースキーの大きさ
1つ目はスペースキーの大きさです。
英語配列のスペースキーは非常に長いので、「スペースバー」とも呼ばれています。
視覚的なインパクトが大きいので「スペースを使いやすそう」と感じてしまいがちです。
しかし、実際に使ってみるとスペースキーが長いことによるメリットはほぼ無いです。
理由はスペースキーの長さが左右に伸びたところで使うのは中心付近だけだからです。
この画像をみて頂いたら分かるように、親指の位置の下にスペースがバーがあることは変わりませんよね。
そのため、スペースに関しては配列の違いを意識せずとも入力できるのです。
スペースキーの使い心地はほぼ変わらない
キーボードを見て入力する時
2つ目はキーボードを見ながら入力する時です。
僕は基本的にタッチタイピングで文字を入力していますが、使用する頻度が低い記号はキーボードを見ながら入力しています。
エンターやバックスペースなどの指が場所を覚えていたキーはミスが頻発していたことは前項で解説した通りです。
しかし、使用頻度が低いキーはキーボードを直接見ながらタイプするので全く気になりませんでした。
そのため、元々タッチタイピングが出来ない方は、配列を変えてもミスタイプで苦しむことは少ないでしょう。
見ながら打つ場合はそこまで変わらない
英語配列が向いている方
ここまで英語配列の違いについて解説してきましたが、最後に英語配列が向いている方を解説します。
以下のような用途で使用する場合は英語配列の方が快適に作業ができるようになります。
英語配列で幸せになる方
- プログラムをする方
- Adobeソフトを使用する方
- 前から英語配列を使用している方
- 見た目が好きな方
プログラムをする方
最も恩恵を受けやすいのがプログラムをする方です。
先ほども解説したように、英語配列ではプログラムで使用頻度が高い記号を最小限の指移動で入力できます
そのため、疲労を抑えられるとともに、精神的にも非常に快適です。
日本語文書作成よりもコードを書く比率が多い方の場合は英語配列を選んだ方が快適に入力できます。
英語配列の記号配置はプログラマに使いやすい
Adobeソフトを使う方
Photoshopや動画編集ソフトのPremiere ProなどAdobe社のソフトを使用する場合は英語配列が有利です。
これらのソフト内でショートカットが利用できますが、それらのショートカットが英語配列に使いやすいようにできているそうです。
こういったソフトをメインに使用する場合は英語配列を選ぶメリットがあります。
Adobeソフトのショートカットは英語配列が前提
前から英語配列を使っている方
当たり前ですが前から英語配列を使っており、日本語配列に変える理由もない場合は英語配列がおすすめです。
ただし、普通の英語配列とHHKBの英語配列は違います。
HHKBの英語配列は「ホームポジションを崩さず効率的に使う」というコンセプトを日本語配列以上に追い求めています。
バックスペースキーの位置が変わっていたり、矢印キーが無かったりするなど、普通の英語配列から移行する際にもHHKB独特の配列に慣れが必要です。
英語配列から移行する場合も結局慣れが必要
見た目が好きな方
どうしても英語配列の見た目が良い方は、理由が無くても英語配列を選ぶのもアリだと思います。
確かに英語配列は日本語配列と比較してスペースキーは長く、矢印キーも無いので非常にスタイリッシュです。
上で挙げた様な英語配列の恩恵を受けられる使い方をしていなくても、「好き」という気持ちがあれば慣れることぐらい容易いです。
「どうしても英語配列が良い」という場合は、そのまま英語配列を選んじゃいましょう!
見た目で選ぶのも十分にアリ
日本語配列が良い方
では、逆に日本語配列が良い方です。
これらに当てはまると英語配列を使用することで逆にデメリットに繋がる可能性があります。
日本語配列が良い方
- 日本語入力がメインの方
- 日本語配列を使う機会がある方
日本語入力がメインの方
日本語を入力する際には日本語配列が向いています。
考えてみれば当たり前ですが、日本語入力のために日本語配列は生み出されていますからね。
普段から日本語配列を使っていると、半角全角キーの便利には気づきにくいものです。
英語配列では半角全角を切り替える際にワンステップ挟む必要がありましたので、半角全角キーの便利さを身をもって理解しました。
これがあることで文章作成中に数字やアルファベットを入力する際に、半角全角キーを一度押すだけで切り替えできるのが楽です。
数字を入力する際に会社や組織によって「数字を半角にする」というルールがある場合もありますし、切り替える機会は意外と多いものです。
もし、英語配列にする理由が特にない場合は、慣れ親しんだ日本語配列がおすすめです。
日本語入力においては日本語配列が最強
日本語配列を使う機会がある方
先ほど解説した「英語配列が向いている方」に当てはまっていても日本語配列がおすすめになる場合もあります。
それが、仕事などで日本語配列のキーボードを使用する機会がある方です。
理由は簡単で、配列を交換する際に混乱が生じるからです。
僕が英語配列から日本語配列に戻した際に、完全に日本語配列の感覚を取り戻すのに1日かかりました。
長い間、英語配列を使っているともっと時間がかかるでしょうし、何かのタイミングで日本語配列を使用する機会があった際に苦労します。
たまに使うぐらいなら日本語配列を使用した際にタイピングスピードが遅くなっても多少構いませんが、頻繁に使わなければならない場合は考えたほうが良いでしょう。
日本語配列のHHKBも配列は独特ですが、それでも英語配列のHHKBから普通の日本語配列を使うよりはすぐに感覚が戻ります。
日本では当然ながら日本語配列が一般的ななので、互換性を優先するなら日本語配列のHHKBですね。
日本語配列に戻すのも慣れが必要
これらに当てはまっている場合は、日本語配列を選んだ方が快適にタイピングできると思います。
配列は用途で選ぼう!
今回はHHKBの日本語配列から英語配列に変更した際の慣れやすさ、向いている用途について解説しました。
小さい部分ではあるものの、その小さな積み重ねが快適性に繋がってきますので、配列は拘っておきたい部分です。
しかし、僕は両方使い比べてみて「○○の人は”絶対”に日本語配列or英語配列が良いとかは無い」とも思いました。
最終的に日本語配列を選んだ僕も「英語配列を使え!」と言われたら許容できる程度の差です。
そのため、「メリットは特に無いけどどうしても英語配列が良い」という場合は、気持ちでカバーできます。
身も蓋も無い話ですが「こっちが良い!」と思っているのであればその感情に従ったら良いと思います。
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