
HHKBは他には無い特徴を持っている反面、他のキーボードと違う点がたくさんあります。そのため、HHKBはメリットとデメリットを理解せずに購入すると、「こんなはずでは無かった」と後悔する可能性が高まります。
値段も最も安いモデルでも2万7千円、最も高いモデルだと3万7千円もしてキーボードとしてはありえないくらいの値段設定です。
そう簡単に購入に踏み切れる値段ではありませんし、万が一購入に失敗して使わなくなってしまった場合の財布へのダメージが大きいです。

僕は2年前にHHKBの最高級モデルであるHHKB Professional Hybrid Type-Sを購入しており、2年間愛用してきました。


2年も使用しているとメリットだけではなく、デメリットも見えてきます。
しかし、他のサイトを見ているとメリットばかりで微妙な部分を全然解説していないところもあるのです。

実際にフリマサイトでは「配信者に影響されて購入したけど合いませんでした」とか「自分には合わなかったので出品します」ということが書かれていることも結構あります。

高級キーボードを選ぶ際にはデメリットもきちんと理解して購入することが大事で、「これではいかんな」と感じたので、完全に忖度無しの本音で紹介していきます。
そのため、少し攻撃的なことを言っている可能性もあります。

また、この記事はHHKB全般に当てはまることを紹介しているので、HHKBシリーズを検討している方はすべてに参考になると思います。
ということで、今回は1年間HHKBを使用して分かったメリット6つとデメリット6つを「忖度無しの本音」でレビューしていきます。
こんな方に向けて書いています
- HHKBを検討している方
- HHKBの"本音"のメリットとデメリットを知りたい方
HHKBを1年使って感じた本音のメリット

最初にHHKBを1年間使用して感じた本音のメリットを紹介します。
- 仕事に対してやる気が出る
- タイピングの疲れが軽減される
- 指の動きが最小限になる
- 耐久性&信頼性が非常に高い
- 話のネタになる
- ロマンを感じる
それでは、これらについて深掘りしていきます。
仕事に対してやる気が出る
1つ目は仕事に対してやる気が出るという点です。
このメリットが最も「HHKBを購入して良かった」と感じる点で、「3万7千円の値段以上の価値があったな」と感じている点です。

「キーボードで仕事のやる気が出るの?」と思われるかもしれませんが、これにはきちんと理由があります。
それはHHKBのタイピングの感触が気持ち良く病みつきになり、HHKBを使いたくて自然にパソコンに向かっているからです。
キーボードの打鍵感は主に押し込み、底付き、反発の3つに分けられますが、HHKBは全てにおいて最高レベルなのです。
最初に押し込みは一定の荷重(45g)を超えると自然で絶妙なクリック感と同時に「スコッ」という風に一気に下まで下がっていきます。
一気に下がる性質のおかげで反応ポイントが分かりやすく、"押し抜き感"があって非常に爽快です。
キー荷重は45gと赤軸メカニカルと同じであるものの、HHKBは途中で荷重が一気に抜けるので赤軸メカニカル以上に軽やかです。

押し込みの次に来る底付きした際も非常に分かりやすいです。
安価なメンブレン式は底付きでブニュブニュすると良く言われていますよね。
これがHHKBだと底付きをした際に「ピタッ」と止まるのです。
底付きしたタイミングが非常に分かりやすく、力を抜くタイミングを掴みやすいのです。
それも、底付き時の衝撃がダイレクトに帰ってくるわけでは無く、優しくフィードバックしてくれます。
底付き後は押し上げてくれるので、その勢いを利用して次のキーを押す動作にスムーズに入れます。

さらに上記に加えてHHKBにはそれ以上にタイピングが気持ち良く感じる要素があるのです。
それが、キーが動く際にしっとりとした動きの中に細かく「ざらざら」とした感触があり、擦れるような「シュッ」という音もすることです。
このおかげでキーを押していると指に細かい刺激が伝わってきて、奥深く飽きないタイピングフィーリングを実現していると言えるでしょう。
僕はこれこそがHHKBのキータッチを至高の物にしている要素であると考えています。

まとめると、キーを押す際にはしっとりとしながら同時に"押し抜き感が"がある押し心地で、さらにその奥には細かい「ざらざら」とした感触を感じられます。
それも気づくか気づかない程度で上品でさりげなく、それでいてキータッチの印象を決める大事な隠れた要素です。
底付きの際の感触は分かりやすくも優しく伝えてくれるので、指の力を抜く感覚が非常に分かりやすく、底付き後は押し込み時に一気に下がったように一気に押し上げてくれます。
その流れで次のキーへと流れるようにタイピングできる最高のフィーリングです。

まさにキーボードの中ではメドック格付け1級と言っても過言ではないくらいのフィーリングでございます。
まあ、この表現はワインの知識が無いと分からない表現だとは思いますが、「最高級クラスのタイピングフィーリング」ということですね。
とまあ、僕の語彙力を総動員してフィーリングの言語化をしてみました。
しかし、フィーリングの部分だけで1000文字近く使っても伝えきれませんし、実際に触らないと分からない部分だと思います。

ちなみに、HHKBのオプションである吸振マットを装着すると、静音化と打鍵感向上の効果があります。
▼右側:ノーマル 左側:吸振マット装着済み▼

静音化は何となく想像できますが、打鍵感についても底付き時の余計な振動と音が吸収されてよりHHKBの魅力的な感触と音がクリアに感じられます。

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HHKBの打鍵感が素晴らしいのは分って頂けたと思いますが、これが仕事にどう役立つのでしょうか?
皆さんは学生時代に「課題をやる前はやる気がなかったけど、取り掛かってみたら意外とモチベーションが上がり、集中できてすぐに終わった」という体験をした方はいませんか?
実は人間の脳は一度始めたらモチベーションが上がってくるという習性があります。
ということは、やる気が無くても何かのきっかけで仕事を初めてしまえば、始める前のうだうだしている時間を節約することが可能なのです。
その仕事を始めるきっかけになるのが「HHKBのキータッチを味わいたい!」という気持ちなのです。
僕もこの効果で仕事時間が自然に増え、時間を有効に使えるようになりました。実際に2年たった今でも「HHKBでタイピングできるなら取り掛かるか~」みたいな感じて始められます。

増えた仕事時間と時給を掛け合わせると1年でも余裕でHHKBの価格は超えています。
つまり、僕が「3万7千円以上の価値があったな」と感じている理由は仕事時間が増えて、HHKBを購入するときに支払ったお金以上をHHKBのおかげで稼げているからです。
プラスになっているので、これは投資としてみるなら普通に成功といっても良いでしょう。
モチベーションが上がるのがHHKB最大のメリット
以上がHHKBを購入して感じた最大のメリットでした。でもまだ1つ目ですし、HHKBはまだまだ良い点はたくさんあります。
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タイピングの疲れが軽減される
2つ目はタイピングの疲れが軽減される点です。
HHKBはタイピングをするのに適した形状で、ステップスカルプチャー構造が採用されています。

ステップスカルプチャー構造は横側から見ると湾曲しており、行によって少しずつ高さが変化しているのが特徴です。
対して千円程度のキーボードや薄さが重視されるキーボードは横から見た際に平面的なのが分かると思います。
▼ステップスカルプチャー構造では無いキーボード▼

タイピングをする際の指の配置はホームポジションが基準になりますが、ホームポジションで指を置く段から最も離れている最上段と最下段のキーをタイピングをする際には指を動かす距離が長くなってしまいます。
特にHHKBなどのロングストローク型のキーボードの場合は一段下のキーに手が当たってミスタイプをする可能性があります。
そこで、中心から離れた段ほどキーを高くすることで指の移動距離を小さくし、指が触れる面に傾きを付けることで高さが変わった状態でもキーの窪みが丁度指のおなかに当たり、確実に押せるようにしているのです。
つまり、意図しないミスタイプを防ぎ、疲労を軽減してくれる効果があります。
ただし、この構造自体は3千円クラスのキーボードでも採用されているので、HHKBが特別優れている部分と言う訳ではありません。
タイピングに向いている構造が採用されている
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指の動きが最小限になる
3つ目は指の動きが最小限になるという点です。
HHKBは「タイピング時の指の動きを最小限にする」というコンセプトで配列が組み替えられており、独特な配列をしています。
これによって慣れるまで少し時間はかかりますが、その分慣れた際の快適さは他のキーボードの比ではありません。

>>>HHKBは慣れない?独特な配列に慣れるには数日かかります!
他のキーボードと違う部分は結構ありますが、僕が特に便利だと感じている部分は3つあります。
1つ目はコントロールキーの位置です。
一般的なキーボードは「A」ボタンの左横に「caps lockキー」という、使わないのに便利な位置にあるクソみたいなキーが存在していますが、そのキーの代わりに使用頻度が高いコントロールキーが配置されています。

これは想像以上に快適でコピペや取り消しなどのコントロールを含むショートカットを利用する際に非常に便利です。
今まではホームポジションの「A」の位置にある左手の小指を下に「グイっ」っと動かす必要があったのが、「A」の1つ左隣に動かすだけで良くなるからです。

2つ目は矢印キーをホームポジションを保ちながら操作できる点です。
HHKBの日本語配列は独立した矢印キーが付いていますが、英語配列と同様にFnキーと組み合わせで矢印キーを操作することも可能です。

独立した矢印キーを使用しても良いのですが、最も右端にある「→」のキーを押す際に指を無理に伸ばす必要があって疲れます。

そこで、Fnキーを押しながら矢印を操作すると指の移動距離が小さくなって快適に利用できます。
ちなみに日本語配列の場合はキーマップ変更ツールでスペースキーの両隣りにある変換・無変換キーをFnキーに変えることで、さらに便利になります。

純正状態ではFnキーが左下の最下段にあってホームポジションが崩れますが、スペースキーの隣をFnにするとホームポジションを崩さずに矢印操作が可能になります。

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また、画像のHHKBはスペースキーとその両隣りを反対方向に取り付けています。これによって親指にフィットするのでおススメです。
>>>HHKBはスペースキーを逆にすると使いやすい!?1分でできる作業内容を解説!
3つ目は半角全角キーです。
半角全角キーは日本語入力と英語入力を切り替える際に使われているキーで、通常は数字キーがある段の最も左にあります。
しかし、キーボードの左端は小指が担当するエリアであり、小指は短いので半角全角キーを押す際に手を動かして押す必要があります。
手を動かすとホームポジションも崩れますし、使用頻度もそこそこ高いのでHHKBでは配置が変更されています。

上の写真のように半角全角キー(HHKBの"HH"をかたどったキー)は最下段のFnキーの隣に移動されており、もとの左上の位置にはESCキーが配置されています。
半角全角キーが下側に配置されていることで、小指を曲げるだけで押せるようになり、ホームポジションを保ったまた切り替えが可能になりました。
日本語での文章作成が主な僕でも、1とか2とか"HHKB"などのアルファベットを入力する際に頻繁に使用しますので、かなり役立っています。

主にこれらの3つの特徴のおかげで指の動きが最小限になり、ほとんど指を動かさないでタイピングが可能です。
また、英語配列の場合はさらに変化している部分があります。

もちろん日本語配列のHHKBとは違いますが、普通の英語配列と比較しても変化しているのです。

元々HHKBは「プログラマが理想とするキー配置」を目指しており、プログラムをする際には英語配列の方が向いているのです。
そのため、英語配列のHHKBはさらにプログラマ向けに配列が変化しています。
英語配列と日本語配列の詳しい違いは実際に慣れるまで使って、違いや向いている方を比較している記事があります。
英語配列を検討している場合はこちらもご覧ください。
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合理的なキー配置で指の動きが最小限になる
耐久性&信頼性が非常に高い
4つ目は耐久性と信頼性が非常に高いことです。
HHKBは静電容量無接点方式というキースイッチが採用されており、非常に信頼性が高いのが特徴です。
一般的なメンブレンキーボード(2000円以下のキーボードはだいたいメンブレン)やメカニカルキーボードはキーを押し下げた際に接点同士がくっついて検知しています。
反対にHHKBはキーの沈み込みを非接触のセンサーで検知しています。接点がないので接点が摩耗せず、メカニカルキーボードで発生しやすいチャタリングが起きないという特徴があります。
※チャタリング・・・1度のキータッチで2回以上入力されること。「e」と入力しても「ee」という風に入力される現象。
それに加えてHHKBでは3000万以上の耐久性があるので、ライターやブロガーなどのヘビーな使用方法でも10年やそれ以上持ちますし、一般的な用途だともっと伸びるでしょう。
1日1万打鍵をするとして、かなり多めに見積もってそのうちの1千回を同じキーを入力しても3万日の耐久性があります。
毎日仕事をするわけでは無いので、1年を計算しやすい300日とします。

3万日を300日/年で割ると100年持つという計算になります。
このように、計算上では人が生まれてから死ぬまで持つということになります。

実際にはそこまで持つかは分かりませんが、今の段階でもかなりヘビーに使って10年以上持つそうなので、20年ぐらいは持つのではないでしょうか?
この数字も計算上の100年という数字を聞いた後だと、現実的に感じます。
HHKBの3000万回という数字は凄いことが分かって頂けたと思いますが、真に優れているのは耐久性ではなく、信頼性です。

実はメカニカル赤軸は1億回の耐久性、青軸でも5000万回の耐久性があるとMXCherryのスペックシートに記載されています。
実はスペック上ではメカニカル式の方が耐久性は高いのです。
しかし、メカニカルキーボードは数字の割には10年もたない個体も多く、実際には静電容量無接点方式の方が長持ちする確率が高いです。

このようなことが起こる理由が信頼性の違いです。
チャタリングが起きないのは耐久性ではなく信頼性の高さです。
加えて、メカニカル式はスイッチ以外にもスイッチを付けているはんだ付けの劣化が原因の場合もあります。
対して静電容量無接点方式の基盤を見てもはんだ付けが全然ありません。

このようにHHKBは全体的な信頼性も高いので故障しにくいとも言えます。
まとめると、静電容量無接点方式は「耐久性が特別高い訳では無いが故障しにくいので、実質的な耐久性が高い」ということになります。
個人的にほとんどの方はスイッチの寿命を使い切ることはできませんので、大事になるのは耐久性ではなく信頼性ということになります。

また、無線接続が可能なモデルは充電式ではなく、あえて電池交換式が採用されています。
バッテリーは使用していると劣化してくるので寿命に左右されないような構造になっています。

皆さんは、スマホやノートパソコンなどで「新品の時と比べるとバッテリーの持ちが悪くなった、、、」という体験はありませんか?
これはバッテリーの劣化が原因で、バッテリーは数年間使っていると最大容量が低下していきます。
僕が使っている4年くらい前に買ったIPhone11Proのバッテリーは新品時の80%に低下しているそうです。
これを考えると、信頼性を高めるために数年で劣化するバッテリーを採用しなかったのは理解できます。
他にもキーキャップに付いている印字も長年使うことを見据えた仕様になっています。

HHKBの印字には昇華印刷という印刷方法が使われており、キーキャップの表面にインクを染み込ますことで印刷しています。
キーキャップに染み込んでいるのでプラスチックが削れるなどしない限りは、印字が消えないのです。

ただし、墨モデルにも黒の印字が使われていますので、少し暗いと非常に見にくいです。
このようにHHKBは信頼性が高く、それに伴って信頼性に見合った仕様になっていることが分かったと思います。
これによって一度HHKBを購入したらしばらくキーボードを買う必要が無くなるのです。
そして、何よりも「一生同じものを使い続ける」ってなんか良くないですか?
最高級のキーボードなら一生持っていても恥ずかしくはないですし、買い替える理由もありません。
キーボードはビジネスマンの魂みたいなところがありますので、一生使い続けていくのも悪くないと思います。
というような妄想を抱かせるほどに信頼性が高いのが、HHKBの明確なメリットですね。
信頼性が高く数十年使い続けられる(計算上は一生)
話のネタになる
5つ目は話のネタになることです。
HHKBは結構マニア向けの商品なので、同じHHKBユーザーやキーボードにこだわっている方と話す際のネタになります。
実際に僕がHHKBを使っていると話しかけられて、そのまま仲良くなったことがあります。

他にも年が離れた方でも「○○君はキーボードにこだわっているんだね」みたいな感じで、キーボードの話で打ち解けられたことがあります。
これは僕だけではなく、他のブログを書いている方も同様の体験をしている方が結構います。
このようにHHKBが話のネタにできることがあり、何かのご縁に繋がる場合もありますのでHHKBを購入することで「話のネタ」という副次的なメリットもあります。
HHKBを使うと結構話のネタになる
ロマンを感じる
最後のメリットはロマンを感じるということです。
先ほど紹介した耐久性や、配列、タイピングフィーリングなど、男心がくすぐられる要素が多すぎます。
そもそも普通に考えたらキーボードに3万7千円ってロマン以外の何物でもないですからね。

やっぱり男はロマンに弱い生き物です。
僕もHHKBを購入する前はメリットは色々考えたのですが、ロマンを感じるという理由が無かったわけではありません。
メリットとかデメリットとか色々論理を並べても結局最後は感情なので、意外とロマンを感じて購入するのも悪くないとは思います。
男心がくすぐられるしワクワクしてくる!
以上が僕がHHKBを2年間使用してきて感じたメリットです。
忖度無しの本音のデメリット
次に1年間使用して感じた本音のデメリットを以下の6つ紹介します。
- シンプルに高い
- 通常配列を使う際に混乱する
- 持ち運びには微妙に大きい
- パームレストが必須
- 外観に値段相応の高級感は無い
- 公式オプションが高い
忖度無しなので、いくら普段HHKBを愛用しているからと言って容赦はしません。
他のサイトでは言っていないデメリットもあるとおもうので、ぜひ参考にしてください。
シンプルに高い
1つ目は「高い」という点です。
メリットの際に価格以上の価値があると言いましたが、シンプルに考えたらキーボードに3万7千円は高いです。
キーボードに興味が無い人にHHKBの価格を言ったら「おまえマジか、、、」みたいなリアクションが帰ってきます。
HHKBで悩んでいる方のほとんどは価格で足踏みをしていると言っても過言では無いでしょう。

また、使用できる年数だけを考えたら普通にコスパが悪いです。
通常の1000円程度のキーボードでも普通に3年から5年程度は使用できます。
仮に安物キーボードが5年に1回壊れるとしても、トータルではHHKBよりは安いんですよね。
耐久性&信頼性の高さはメリットではありますが、他の部分に興味が無いならば安いキーボードをその都度買い替えたほうが安上がりです。
まあ、HHKBを検討している時点で他の部分に付加価値を感じているとは思いますが、買う前だと「自分が想像する付加価値が実際の付加価値を上回るか分からない」と言うのもネックになります。
HHKBのようにコンセプトが尖ったキーボードは当然人によって合う合わないが発生します。
「試しで買ってみる」と言うのはお金に余裕がある方で無いと難しいですし、だからと言ってHHKBを試し打ちできる機会も非常に少ないです。
それに、店頭の試し打ち程度ではキーボードの合う合わないは分かりません。最低でも1週間程度は使う必要があります。

このように、最低でも2万7千円もするのにも関わらず合う合わないがあり、購入した後で「自分に合っていなかった、、、」となる可能性も十分に考えられるのは最も大きいデメリットと言えるでしょう。
高いのに自分に合わない可能性がある
通常配列を使う際に混乱する
2つ目は通常配列のキーボードを使用する際には面倒という点です。
これは、HHKBを使う最も大きなデメリットですね。
普段はHHKBを使っていても、たまに通常配列のキーボードを使用する必要がある場合があります。
独特な配列はメリットになる一方、HHKBの配列に一度慣れてしまうと逆に通常配列の物を使う際に戸惑います。
同じ日本語配列であれば5分程度で元の感覚を思い出してきますが、慣れるまでに半角全角キー、コピペを間違えてしまうことが多々あります。
まあ、まだ自分が困る分には良いのですが、他人も使う場所のキーボードとしてHHKBを選ぶのは「さすがにやめとけ」と思っています。

愛用者はHHKBの配列に慣れていますが、今までHHKBを触ったことが無く、配列を知らない人が使うと悲惨なことになるのは目に見えています。
それが原因でミスをしていても困りますので、自分専用で使用する環境の場合のみHHKBを選びましょう。
HHKBと通常配列を切り替える際に混乱する
持ち運ぶのには微妙に大きい
3つ目は持ち運ぶ際には微妙に大きいという点です。
HHKBはコンパクトで持ち運びは可能ですが、持ち運ぶのに特化しているわけではありません。
そのため、カバンに入れても微妙に場所は取ります。
イメージ的には「持ち運びはできるけど、HHKBが好きでないと積極的に持ち運ぼうとは思わないサイズ」です。

これは後で詳しく解説しますが、パームレストも持ち運ぶ必要があるのでさらに持ち物が増えてしまいます。
HHKBの配列やタイピングフィーリングに病みつきになってる方は、依存症パワーで持ち運ぼうと思えるのですが、HHKBに愛着がない場合は持ち運ぼうという考えは思い浮かばないと思います。

持ち物をコンパクトにしたいミニマリスト志向の方は、安価で折りたためる薄型キーボードを選んだ方が満足度が高いでしょう。
まあ、それでも持ち運ぶに値すると思っているので持ち運んでいるんですけどね。
持ち運びを考えている方は詳しく解説している記事がありますので、こちらもご覧ください。
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HHKBは一部のキーが削減されており、コンパクトサイズであることはこの記事をご覧になっている方ならすでに知っていると思います。 しかし、最初に言っておきますがHHKB自体はそこまで持ち運びに特化してい ...
持ち運びメインで使うのは向いていない
パームレストが必須
4つ目はパームレストが必須であることです。

HHKBを横から見ると厚みがあり、パームレストが無い場合は手首を持ち上げたり、浮かしたりしてタイピングする必要があります。

当然ながら無駄に力を入れる必要があるので手首を持ち上げたり、浮かしたりしながらタイピングするのは非常に疲れやすくなります。
慣れや手の形の問題もありますがパームレスト有の場合と比べると誇張抜きで5倍疲れやすくなります。
>>>パームレストで疲労感、スピード、ミス率などの効果を実験してみた!
そして、もう一つ困ることはミスタイプが増えることです。
パームレストが無いと最下段のキーに手のひらが触れて勝手に入力されたり、タイピングが安定しなかったりするのでミスタイプの原因になります。
これらの2つの理由でHHKBはパームレストはほとんど必須であると感じています。

一つ前で「HHKBはパームレストも一緒に持ち運ぶ必要がある」と解説したのも、これが無いとタイピングしにくいからです。
もし、HHKBを持ち運ぶ場合は上の写真のような左右分離型のパームレストを選ぶと良いです。
>>>分離式パームレストのメリットって何?デメリットと向いている方の特徴も解説!
しかし、パームレストは2~3千円とそこそこ値段がします。
実際に効果が分からないと「購入してみよう」とはなりにくいものです。
そこで、自宅にあるものを使用してパームレストを代用するのがおすすめです。

タオルや本で代用する方法があり、基本的にお金もかからないので手軽に試せます。
▼パームレストの代用方法▼
>>>HHKBのパームレストは必要or不要?全員できるパームレストの代用品を解説
HHKBだけではなく高級キーボードはパームレストを使用することで初めて魅力を引き出せます。
正直言ってパームレストが無いHHKBを使うよりも、安物キーボードにパームレストを組み合わせる方が疲れにくいです。
それぐらいパームレストはコスパ抜群のアイテムなのです。
恐らく「HHKBが合わない」と言っている人の中には、パームレスト無しで使っていた方も含まれていると思っています。
パームレストを持ち運んでいる僕から言うと、「パームレスト無しのHHKBは使いにくくて当然」です。
それぐらいパームレストは大事なのです。

まあ、このようにパームレストが無いと魅力を発揮できないどころか逆効果というのがHHKBのデメリットですね。
パームレストが無いと逆に疲れる
外観に値段相応の高級感が無い
5つ目は外観に値段相応の高級感が無いという点です。
ビジネスシーンで使うことを考えるとシンプルなのは良いですが、高級感という視点で見ると物足りなさを感じます。
本体は全てプラスチックであり、見える範囲は艶消しの塗装がされていますが、「5000円で買えそう感」は否めません。
初見の人はこれが3万7千円するとは思いもしないでしょう。

もし、外観の高級感が欲しい場合はゲーミングキーボードの最高級クラスがおすすめです。
ゲーミングキーボードは見た目にも力が入れられているものも多く、カッコ良いものも多いです。
そして、最高級クラスと言っても3万円ちょいくらいで買えます。

特に個人的には3万円のロジクールのG913 TKLが高級感があって好きです。

このキーボードは薄型でシリンドリカルステップスカルプチャー構造が採用されておらず、タイピングに向いている形状はありません。
それに、打鍵感もHHKBの方に軍配があがるので、タイピング用途ではあまりオススメできません。

しかし、G913シリーズの素晴らしい点はパネルが金属でヘアライン処理がされており高級感を感じる部分です。

そして、金属なので肌触りもさらさらで、質感も非常に素晴らしいです。

このように、タイピング性能よりも高級感を求める方はゲーミングキーボードの中から探すことをおすすめします。
光っているのが嫌な方もLEDをOFFにして使えるので、気になりません。
外観に値段相応の高級感は無い
公式オプションの価格が高い
最後はHHKB公式オプションが微妙に高い点です。
バード電子からHHKB用の公式オプションパーツが発売されていますが、内容に対して全体的に高く感じる値段です。

例えば、僕がオススメしているHHKB吸振マットは約3千円です。
▼吸振マットの中身▼

僕は効果に価値を感じているのでおすすめしていますが、吸振マットそのものに注目すると「これで3千円かよ」って思ってしまいます。
>>>HHKB吸振マットで打鍵感と静音性が向上?効果を実際に比較してみた!
他にも割高感があるアイテムはありますが、特にキーボードルーフは割高に感じます。
引用:HHKBキーボードルーフ販売ページ
これはHHKBのプラスチックカバーなんですが、いくらすると思います?
実はこのカバーだけでなんと4400円するんですよね(笑)
お弁当の蓋みたいで、ホームセンターで千円くらいで売ってそうな見た目をしてるのに4千円です。
ちなみに「このカバーになんか機能があるのかな?」とレビュー記事を見たんですが普通のプラスチックのカバーだそうです。
このように全体的に1.5倍くらいの価格設定で、微妙に割高なのがデメリットです。
もちろん、HHKBのオプション品に魅力を感じている場合は購入したら良いと思いますが、Amazonで同等品が3分の2くらいの価格で売っているので、そちらも見てから購入するのが良いと思います。
公式オプションが微妙に高い
以上がHHKBのデメリットでした。
耐久性&信頼性の高さやコンパクトで持ち運びができるのは普通にメリットではありますが、それ単体では決め手になるほどのメリットではないし、それ目当てであれば他に安価で購入できるキーボードが普通にあるのでデメリットに入れさせてもらいました。
端的に言えばそれ目当てで買うなら費用対効果が悪すぎるということですね。
それに、「パームレストが必須」と言うのは意外と言われてないデメリットです。
HHKBを快適に使いたければ、代用品でも良いので用意しておきましょう。

ちなみに、墨の印字モデルは「細かい記号が見えにくい」というデメリットもあります。
すべてのHHKBに当てはまるわけでは無いので今回は含めませんでしたが、墨印字モデルの場合はこれも考える必要があります。
▼詳しくはコチラ▼
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HHKBを検討する際にはメリットだけでは無く、デメリットもきちんと理解しておきましょう。
HHKBに抱きがちな幻想
少し番外編として、HHKBを買う前にHHKBに抱きがちな幻想を紹介します。
別に購入する動機はなんでも良いのですが、HHKBに過剰な期待をすると「思っていたのと違う」となる可能性がありますので、過度な幻想を抱いている方は今ここで僕のタイピングでイマジンブレイカーします。
タイピングは別に早くならない
それはタイピングが早くなるという幻想です。
皆さんは「HHKBに変えるだけでタイピングが早くなる」と勘違いしていませんか?
多少は変わるかもしれませんが、劇的には変わりません。
また、キーの配列の合理化による時間の削減はありますが、タイピングスピード自体は別に変りません。
そのため「HHKBを買ったらブラインドタッチができるようになるんだ!」ということは無いです。
とはいえ、HHKBの気持ち良いタイピングを味わうためにタイピングゲームをしたくなるので、タイピングがうまくなるきっかけにはなる場合もあります。僕もそのパターンで毎日タイピングゲームで練習しています。
タイピングスピードは練習あるのみ!
HHKBが向いている方と向いていない方の特徴
最後に紹介したメリットとデメリットを踏まえて、HHKBが向いている方と向いていない方の特徴を軽く紹介します。
HHKBをおすすめ出来る方の特徴
HHKBをおすすめ出来る方の特徴は(耐久性以外の)メリットの中で魅力を感じている部分がある方です。
耐久性以外というのは、同じキースイッチが採用されているリアルフォースがあるからです。
まあ、個人的には最もメリットの感じている「タイピングのフィーリング」を伝えきれないのが残念ですが、メリットとデメリットを知った今の時点でHHKBにどこかしら魅力を感じている場合はHHKBがあっている可能性が高いです。
適当なことを言っているように聞こえるかもしれませんが、デメリットを知って「自分に合っていないな」と思った場合は、この時点で「HHKBはやめておこう」と思ってしまうからです。
しかし、現在魅力を感じている場合でも、下の環境で使用する場合は合わないので辞めておいた方が良いです。
HHKBが向いていない方の特徴
HHKBをおすすめ出来ない方は以下の環境で利用する方です。
もし、先ほどの「HHKBが向いている方の特徴」に当てはまっている場合でもこの特徴に当てはまればHHKBはやめておいた方が良いです。
HHKBが向いていない方
- 通常配列を頻繁に使う方
- パームレストが使えない方
- 他の人が使う環境
- 数字キーの使用が主な方
もし、当てはまった方はこちらの記事と連動していますので、こちらをご覧ください。
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HHKBはデメリットも理解して選ぼう!
今回はHHKBを2年間使用して本気で感じたメリットとデメリットを忖度無しで紹介しました。
HHKBは尖ったコンセプトで作られているので、一部の人には致命傷になるぐらい刺さる反面、向いていない方にとっては攻撃力がゼロです。
メリットだけを見ると非常に魅力的ですが、価格を考えるとデメリットも考えてから判断しないと、普通に後悔します。
でも、「HHKBが合うか分からないから止めておく」というのももったいないと考えています。
僕はキーボードについてのサイトを運営していることもあり、たくさんのキーボードを試しています。
それで一時的に浮気することはあっても結局「やっぱりHHKBの方が良いな」と戻ってくるのも事実です。
それほどまでに魅力的なHHKBのデメリットを許容できたら、あなたの心強い相棒になってくれるでしょう。
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現在のHHKBには配列違いや色違いを除外すると3つのモデルがあり、高級キーボードと呼ばれるにふさわしい価格が付いています。 そして、その3つのモデルで最も高価で最も売れているモデルがHHKB Prof ...
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HHKBはブログを書くブロガーやライターにオススメ!その理由を4つ解説!
ブログを運営しているブロガーやライターはたくさんタイピングをしてなんぼの世界なので、作業をしている時間のほとんどはキーボードに触れています。 多い日だと一日に1万字以上タイピングしますし、長時間使用す ...
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>>>HHKBはどこで買う?納期はどれくらい?3回購入したので解説!
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無線&静音モデルであるType-Sはコチラから購入できます!
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HHKBの伝統的なスタイルを継承した有線のみ&英語配列のみモデルのClassicのはコチラ!
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